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アリシア視点 vs 闇の眷族四天王 その4

 私は愕然としながらも、何とか現状を把握した。



 今、アシュラの顔は最初のヤツに戻っている。特に特徴の無い普通の顔だ。恐らくこれが防御担当。左に回転すると怒った顔。これは攻撃担当だろう。右に回転すると仏様のような顔。これが回復担当だ。


『三位一体』つまりコイツは3つで1つなんだ。ということは、3つの顔を全て潰すしかない。1つでも残すと今みたいに回復されてしまう。でもどうやる?


 味方が居れば3方向からの同時攻撃で何とかなりそうだが、ここには私一人しか居ない。助けを呼びに行ったりしたら、エリオットが手遅れになるし、そもそもコイツが逃がしてくれないだろう。


 私一人だとさっきのように2つまでが限界。3つ目を攻撃する前に回復されてしまうだろう。


 そう、私が一人ならば無理だ。だが、もう1人居れば?


 時間が無い。また鐘が鳴った。残りあと2回。賭けるしかない! 私は大きく助走を取った。


「ハァァァァッ!」


 最初の顔にジャンピングニーを叩き込む! 一発で顔が左回転し怒りに変わった。間髪入れず攻撃する。


『正拳5段突き!』


 これも瞬殺で仕留める。顔が回転しようとするが...させない!


「ウンディーネ!」


『アイスプリズン!』


 アシュラの体が凍り付く! これで回転は出来ない! この瞬間を逃してなるものか! 私は最後の力を振り絞って高く高く跳躍する!


「セイヤァァァッ!」


 渾身のかかと落としが炸裂した! 氷と共にアシュラも砕け散る!


「バカな...そんなバカな...」


 アシュラが最後の言葉を残して消え去った。鐘は残り1回で止まった。


「エリオット!」


 エリオットに駆け寄り抱き起こす。まだ意識は戻っていない。


『大丈夫よ。心配ないわ。直に目を覚ます』


「良かった...ウンディーネ、ありがとうね。きっと気付いてくれるって信じてたよ」


『そんな私の方こそ、エリオットを助けてくれてありがとう。ゴメンね...私だけじゃエリオットを守れなかったわ...危険な目に合わせてしまった...』


「それを言うなら私達だって同じだよ。現にこうやって仲間と逸れたんだから。まだまだ私達は弱いってこと。だからさ、いっぱい修行して、みんなでもっともっと強くなろうよ」


『えぇ、そうね ...ありがとう...』


 うんうん! どういたしまして!

 

『ほら、アリシア! あなたも少しジッとしてなさい! ヒールを掛けてあげるから! 全くもう! あなたって人は! 無茶ばっかりして! 心配ばっかり掛けて! 寿命が縮んだじゃない!』


「ゴメン、お母さん」


『誰がお母さんか!』


 アハハ、でもホントにレムってお母さんみたいなんだよね。前世のお母さんにちょっぴり会いたくなったよ...それと精霊にも寿命ってあんの?


「う~ん...」


「エリオット! 良かった! 目が覚めたんだね!」


 良かった! ホントに良かった!

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