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ちみっこと魔法競技大会 その5

 まさかエリオットが初戦で負けるなんて...



 アタシ達以外にそんな強者がこの学園に居たんだろうか? 考えながら歩いていると、ちょうど休憩所でアリシアの姿を見掛けた。どうやら休憩中らしい。


「あっ! アリシア! エリオットの試合見てた?」


「ううん、私は見てなかったんだ。負けたんだってね...」


「そうみたい...信じられないよね...」


「エリオット本人にはまだ会ってないの?」


「うん、探してるんだけど見付からないんだよね。私もこれから試合があるから、そろそろ行かないとだし」


「私、これから救護室に戻るから聞いてみるよ」


「よろしくね」


 なんだろう、何かイヤな予感がする。気のせいだといいんだけど...



◇◇◇



 試合会場に戻る。これから試合を控えている者は点呼を受ける必要があるからだ。


「あっ! 殿下! シャロン様!」


「ミナ! エリオットが負けたってホントか!?」


「えぇ、そうみたいです...」


「信じられませんわね...それで彼は今どこに?」


「それが...会って話を聞きたいんですが、見付からないんです。お二人は見ていませんか?」


「いや、見てないな」


「ショックを受けて先に帰ったんじゃありません?」


「そう...かも知れませんね...」


 そうだろうか? 確かにショックだろうけど、エリオットならアタシ達の誰かに言ってから帰るような気がする。


「おっと、そろそろ出番だ。行ってくる」


「私もそろそろ行きませんと。ではご機嫌よう」


「あ、はい。頑張って下さい」


 アタシの出番までまだ時間がある。どうにも気になるので、もう少しエリオットを探してみようと思った。



◇◇◇



「あっ! シルベスター!」


「あれ? ミナ、どうしたの? これから試合じゃなかった?」


「私の出番まではまだ時間あるから。ねぇ、それよりエリオット見なかった?」


「見てないけど? エリオットがどうかした?」


「それが...初戦で負けちゃってから姿が見えないのよ」


「えぇっ!? エリオットが初戦で負けたって本当かい!?」


「そうみたいなのよ。それで話を聞きたくて探してるんだけど見付からなくて。シャロン様が言うにはショック受けて先に帰ったんじゃないかって」 


「いや、それはないと思うな。エリオットなら、たとえ負けたとしてもボク達の応援はすると思うし。っていうか、負けたのが未だに信じられないけどね」


「やっぱりそう思うよね...」


「ボクも探してみるよ。まだ試合まで時間あるし」


「うん、ありがと」

 

 この日、アタシ達はエリオットを除く全員が勝ち上がったんだけど、結局エリオットは見付からなかった。


 寮にも戻っておらず、エリオットは行方不明になってしまった...

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