表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

80/163

ちみっこと魔法競技大会 その4

 魔法競技大会2日目。

 


 今日、アタシは午後に試合を控えている。勝ち進めば更に1試合戦う予定だ。まぁ、昨日の感じじゃあ間違いなく勝ち進めるだろうけど。


 アタシの中に大会が始まる前の高揚感はもう無い。明日の決勝でシルベスターと対戦するまでは、お遊戯に付き合うようなもんだと思ってる。


「じゃあ行ってくるよ」


「行ってらっしゃいませ」 


「キュイ~!」


 学園祭の頃から、片時もアタシの側を離れようとしなかったナギに変化が表れた。次第にアタシとの距離が離れても平気になってきたんだ。最近はこうして、アタシが登校する時もマリーに抱かれて見送るだけで、付いてこようとはしなくなった。


 これはアレかな? 雛鳥が親離れして巣立って行くようなもんなのかな? いやちょっと違うか。なんにしてもナギはナギで成長してきているってことなんだと思う。ちょっと寂しいけど仕方ない。いつかはやって来る日だ。黙って見守ることにしよう。

 

 アタシがそんな感傷に浸っていると、大会2日目がスタートしていた。今日の午前中にはシルベスターとエリオットの試合がある。応援する必要もないと思うが、やることなくて暇だし見物することにした。


「お、ミナちゃん、おはよう~♪」


「おはよう、今日もナギちゃん居ないんだね...」


「寂しいね」


「会いたいね」


 すると例の4人組に遭遇した。なぜか全員制服姿だ。

 

「おはよう、あんたらも応援? なんでローブに着替えてないの?」


「私達は昨日、全員負けちゃったからね~...」


「今日はせめて同じクラスの子を応援しようと思ってね~...」


「みんな頑張れ~」


「私達の分も~」


「そうなんだ。残念だったね。私の応援も頼むよ」 


「「「「 任せて~! 」」」」  


 負けてしまうと応援するくらいしかやることがなくなる。さぞや退屈することだろう。


「あ、はらほら、見て見て、エリオット君の出番だよ!」


 その声に会場に目を向けると、確かに水のフィールドにこれから対戦する2人の姿があった...んだが、


「え~と...どっちがエリオット?」


 何せ全員が同じローブを着ているから見分けが付かない。ましてや背格好まで同じくらいだと余計に分かり辛い。


「う~んとね...分かんない!」


 だよな。アタシでも分からん。ただ、試合の方は瞬殺だったのか、呆気なくケリが着いたんで、勝った方がエリオットなのは間違いないだろうけどね。


 そう、この時のアタシはまだ呑気に構えていたんだ。


 エリオットが初戦で負けたと聞かされるまでは...

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ