表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

70/163

ちみっこと学園祭 その5

誤字報告いつもありがとうございます。

 今、アタシ達の目の前には愚弟が正座させられてる訳なんだが。



 ここはアタシ達のクラス。アニマル喫茶の厨房だ。お化け屋敷から引っ張り出した後、ここに連行して来た。理由は王女殿下が来たがっていたからだ。その王女殿下はと言えば、


「は~い♪ ナギちゃん、あ~ん♪」


「キュイ~♪」


「可愛いですね~♪」


 客寄せとして一日、アニマル喫茶のために貸し出したナギと戯れてご満悦のようだ。ダイエット中だからケーキを食べさせて欲しくないんだが、まぁ仕方ない。今日だけ大目に見よう。


「さて、何か申し開きしたいことがあるなら聞こうか」


 殿下が愚弟に凄みを利かせる。愚弟はブルブルと震えている。いいザマだ。


「も、申し訳ございません...海より深く反省しております...」


「反省だけならサルでも出来る。王族を拐ったんだ。覚悟は出来てるんだろうな?」


 愚弟がこの世の終わりのような顔をしてアタシを見上げて来る。助けを求めているんだろうな。仕方ない、ここは一つ姉として助け船を出してやるとするか。


「殿下、我が愚弟が仕出かしたこと、申し開きもございませんが、ここは一つ寛大なご配慮を賜りたく。せめて苦しまないよう一思いに()っちゃって下さいませんでしょうか」


「ね、姉ちゃん、そりゃないよ~! 庇ってくれるんじゃないの~!?」


「黙れ愚弟が! いっぺん死んで来い! あと姉上と呼べと何度言ったら分かるんだ!」


「そ、そんなぁ~...」


 愚弟が完全に涙目になってしまった。ザマアミロ。いい気味だ。


「ま、まあ、そこまでやらんでも。まだ子供だし、反省してるみたいだし。な?」


 ちっ! 殿下の優しさに感謝しろよ、この愚弟が!


「殿下がそう仰るなら。ただし、このまま何の罰も与えないという訳にはいきません」


 アタシが指をパチンと鳴らすと例の四人組が現れる。


「お前ら、やっちまいな」


「喜んで~♪」


「さあさあ弟君、お着替えしようか~♪」


「猫が良いよね?」


「犬が良いよね?」


「へっ? なになに? あ、ちょっとちょっと! た、助けて~!」


 愚弟の断末魔の叫びが更衣室から響いて来た。



◇◇◇



「ほらほら、弟君、観念して出ておいで~♪」


「きゃあ、可愛い~♪」


「やっぱり猫だね~」


「犬も可愛いのに~」


 更衣室から引っ張り出された愚弟は猫耳メイド姿だったとさ。


「うぅ...もうお婿に行けない...」


「ほら、にゃんやってにゃん♪」


「絶対嫌だ!」


「やれ! コロすぞ!」


 この期に及んで悪足掻きする愚弟のケツを蹴り飛ばす。


「うぐっ! にゃ、にゃん」


「もっと心を込めて! 手は頭の上!」


「にゃ~ん!」


 愚弟のヤケっぱちになったような鳴き声が響き渡った。

 




作者のモチベーション向上に繋がりますので、出来ましたらブクマ登録及びポイントの応援の方をよろしくお願い致します。


下方にある広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援して頂けますと幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ