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ちみっこと学園祭 その1

誤字報告いつもありがとうございます。

 学園祭当日の朝になった。


 

 実家から弟のカイルがやって来る予定なので、門の所まで迎えに行く。門には派手な装飾で学園祭の文字が彩られており、否が応にも学園祭気分を盛り上げてくれる。


「姉ちゃん! 久し振り~!」


「姉上と呼べと言ってるだろうが! このバカ者!」


「痛ってぇ~!」

 

 相変わらずの礼儀知らずなので取り敢えず殴っておいた。しかもまだ10歳なのにアタシの背を越えやがった。それにもムカついた。


「いいこと!? アンタの態度が悪いと私が恥掻くんだからね!? ちゃんとそこんとこ分かってる!?」


「わ、分かってるよ~」


「じゃあまずは私のクラスに案内するから。ほら、行くよ」


「い、いやその姉ちゃ...じゃなかった姉上! 手を繋ぐのはちょっと恥ずかしいかなと...」


「なに一丁前に色気付いてんのよ!? アンタまだ10歳の子供なんだからね!?」


「いやでも背は俺の方がもう高...」


「なんか言った!?」


「なんでもないです...」


 姉の権限で生意気盛りの弟を黙らせてから教室に向かう。ドアの所にはアニマル柄の装飾が施されていて、誰が見てもアニマル喫茶だと分かるだろう。


「へぇ~ 話には聞いてたけど、本当にアニマル喫茶やるんだね~」


「うん、まだ開店前だけど、クラスのみんなに紹介するから入って」


「お邪魔しま~す」


 教室に入った途端、早速例の四人組に囲まれる。


「ミナちゃん、おはよ~! この子が言ってた弟さん?」


「うん、弟のカイル。ほら、みんなに挨拶して」


「ど、どうも。カイルです」


「うわぁ! 可愛い~♪」


「ミナちゃんに似てるね~」


「やっぱり姉弟なんだね~」


 お前ら、既に着替えて開店準備万端だな。ウサギ、トラ、シマウマ、ライオンか。食物連鎖的にそれでいいのか? あと弟よ、ちやほやされてデレデレすんな! 


「じゃあ私も着替えて来るから、この子お願い。カイル、良い子にしてんのよ?」


「子供扱いすんなよな~」


 いや、お前子供だからな!?



「ミナちゃん、おはよ~♪ さぁさぁ着替えて着替えて♪」


 衣装部屋に入った。衣装班は今日も朝からテンション高い。


「はぁ~...やっぱりこれ着るんだ...」


「往生際悪いよ~♪ ほらほら早く早く~♪」


 仕方無く猫耳メイドに着替える。


「ミナちゃん、にゃんやってにゃん♪」


「開店してからね」


「あ~ん、いけず~」


 衣装班の声を無視して部屋を出る。あんなこっ恥ずかしい真似を開店前からやってられるか!



 着替えて教室に戻ると、弟はクラス中から注目されていた。さすがに居心地悪そうだ。


「カイル、お待たせ。ん? どうした?」


 弟が顔を真っ赤にしている。


「姉ちゃん、可愛い♪」


「だから姉上と呼べ! それと頭撫でようとすんな!」


「へぶしっ!」


 弟に鉄拳制裁を加えていると、ちょうど開店時間になった。

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