ミナの日常 その1
誤字報告いつもありがとうございます。
ナギは驚く程すんなりと国に神獣として認められた。
そしてアタシの朝の風景にちょっとした変化が生まれた。
「おはよう、ナギ」
「キュイ~...」
まだ眠そうな目をしながら、枕元で丸くなっているナギを起こすことが、アタシの日課に加わった。なにせ片時もアタシの側を離れようとしない。
「おはようございます、ミナお嬢様、ナギ」
マリーもすっかりナギの虜になった。アタシより先にナギを抱っこして世話を焼きたがる。ナギもマリーの胸元に顔を埋めて嬉しそうだ。
「しかしホントあんたってなんでも良く食べるわね」
「キュイ~♪」
朝食はスクランブルエッグにカリカリベーコン、目玉焼きにトーストという朝の定番メニューなんだけど、しっかり完食している。今のところ苦手な食べ物、食べちゃいけない物は無いみたいだ。
「じゃあ行って来るね」
「行ってらっしゃいまし」
マリーに見送られて登校する。当然ナギもお留守番のはず...なんだけど、アタシが背負ったリュックから頭だけ出してる。
ナギがここに来た初日、朝別れる時に大泣きしちゃって始末に負えなかったから、仕方なく学園に連れて行ったんだよね。そしたら当然大騒ぎになっちゃって大変だった。結局、神獣とその保護者は離れることが出来ないみたいで、学園側もナギが登校するのを認めるしかなくなった。
「ミナ~♪ ナギちゃん♪ おはよ~♪」
部屋から出るとすぐにアリシアが現れる。最近、アリシアはアタシの部屋まで毎朝やって来るようになった。
「アリシア、おはよう」
「キュイ~♪」
「あぁ~♪ 今日もナギちゃんは可愛いでちゅね~♪」
アリシアは毎朝この調子だ。ナギもアリシアの胸に抱かれて嬉しそうだ。
「ミナさん、ナギちゃん、おはようございますですわ」
「シャロン様、おはようございます」
「おはようございます!」
「キュイ~♪」
「あぁ、ナギちゃん♪ 今日もあなたはなんて愛らしいの♪」
寮の玄関でシャロン様に会う。これもいつも通りだ。ナギはシャロン様の胸に埋もれて嬉しそうだ。
「ミナちゃん、ナギちゃん、おはよう♪」
「ミナちゃん、おはよう、ナギちゃん、今日も可愛いね♪」
「いつも一緒でいいな~」
「私も欲しいな~」
「キュイ~♪」
教室に入るといつもの四人組が寄って来る。そして一人一人胸元にナギを抱いて挨拶する。ナギも嬉しそう...って、
絶対こいつオスだろ...
風呂に入る時も一緒だけど、湯船で必ずアタシの胸の上に乗って来るし。絶対おっぱい星人だろ。性別確かめる術はないけど絶対間違いない。
「おはよう、ミナ。ナギは相変わらず人気者だな」
「おはよう、エリオット。うん、主に女性陣にね」
間違っても男には寄って行かないもんね...
ちなみに授業中、ナギはアタシの足元で丸くなって寝ている。正直羨ましい。
「ナギ! ほら肉食え肉!」
「キュイ~♪」
「殿下、あんまり甘やかさないで下さい...」
お昼休み、食堂での一時。殿下を筆頭にみんなナギに食わせたがる。
「ねぇ、ミナ。ナギは嫌いな食べ物とかあるの?」
「今んとこ何でも食べるよ。ちなみに竜が苦手な食べ物ってなんかあんの?」
「いや、さすがにボクも知らないな~」
シルベスターが知らなきゃ誰も分かんないね。
◇◇◇
放課後になった。今日は精霊達と一緒に戦って絆を深め合う訓練をしようってことになった。シャロン様はシルフの件があるから尚更ね...
ただアタシとアリシアだけは別メニューだ。精霊王様は相変わらず寝てるし、レムもここ最近は「ゴメン...眠い」って言って寝てるそうだ。まぁ肝心な時に起きて貰えばいいかな。ってことで、
「アリシア~! いっくよ~!」
アタシとアリシアは普通に戦闘訓練をしている。アタシがブーメランを投げてアリシアが回避する。ちなみにブーメランにはちゃんと魔法で作ったロープを結んでいる。
「よっと! 結構速いね! でもこれなら避けられるよ!」
そう? 本番はまだこれからだよ?
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