表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

56/163

ちみっこと水竜の卵 その12

誤字報告いつもありがとうございます。

 異世界に転生して水竜のママになりました。



 こんなタイトルでラノベが一本書けそうだな。いや書かないけど。そうじゃなくて! 現実逃避してる場合じゃないけど、水竜の円らな赤い瞳に見詰められると...しかも気のせいか期待してるように瞳をウルウルさせている...ように見えなくもない。うぅ...やっぱ可愛いな...


「わ、私があなたのママなの!?」


「キュイキュイ~♪」


 どうやら確定らしい...しかもこの水竜、人間の言葉を理解してるようだ。いやマジでどうすんだこれ!? こんなデカイの飼う訳にもいかないし、かと言って放り出す訳にもいかない。アタシが頭を悩ませていると、


「ついに水竜までミナの虜に...」「人外まで虜にするなんて...ミナさん、さすがですわ...」「ミナの魅力は留まるところを知らないということか...」「ほ、本当に大丈夫!? 油断させといてあとからパクッとされたりしない!?」


 おい、お前ら。人か悩んでるって時に何勝手なこと言ってんだ! 人をタラシみたいに言うんじゃねぇ! 人聞きの悪い! アタシはなんもしてねぇっつーの! あとシルベスター、さすがにそれはない...と思う...と思いたい...その時だった。一人だけ静かだったアリシアが叫んだ。


「ねぇ、また水が増えて来たみたい! それもかなりの勢いで!」


 アリシアの言う通り、減った時の倍以上のスピードで湖の水位が上がり始めた。このまま上がり続けると、今居る浮島も水の底に沈むかも!? まぁ、ウンディーネの加護があるから溺れたりする恐れはないけど。さて、どうしたものか。すると、


「キュイキュイ~!」


 水竜が鳴きながら後ろを向いて、自分の体を頭で指し示す。これはもしかして...


「乗れって言うこと?」


「キュイ~♪」


 どうやらそうらしい。みんなで顔を見合せる。せっかく乗れって言ってくれてんだから、ここは乗るしかないよね。


「まずはミナから...」


 まぁ、そうなるよね...すると水竜が乗りやすいように頭を下げてくれた。アタシは恐る恐る首に掴まりよじ登った。首の根元に抱き付くようにしがみ付く。


「うわぁ...」


 水竜がゆっくりと頭を上げる。急に高くなった視界が目の前に広がる。遠くまで見渡せる。思わず感嘆の声が漏れた。その後、みんなも次々に登り始めた。アリシアはアタシのすぐ後ろに陣取り、他の四人は広い背中にそれぞれ位置を決めたようだ。


「キュイ~!」


 全員が乗ったことを確認した水竜が一際高く鳴いた。すると、一瞬だけフワッとした浮遊感を感じた。そう、まるで前世のエレベーターに乗った時のよう。


「う、浮いてる!?」「と、飛んでる!?」「うわ!? もうこんな高さまで!?」「た、高いよ~! こ、怖いよ~!」「いえ~い♪ 最高~♪」


 まぁ、感想は人それぞれってことで。シルベスターだけは安定の怖がりだけど。しかし空を飛んでるって実感が湧かない。展望エレベーターで急上昇してる気分だ。そう思っていたら、急に横移動を始めた。どこへ向かっているんだろう? ん? あれは?


「もしかして...地上に戻ってくれるの!?」


「キュイ!」


 向かっている先はアタシ達が降りて来た、いや、落ちて来た大穴だった。スピードを上げた水竜は、一気に穴を登って地上に降り立った。アタシ達は水竜からゆっくりと降りる。そして首筋を撫でながら労を労う。


「ありがとうね。お陰で助かったよ」


「キュイ~♪」


 正直、どうやって地上に戻ろうか? っていうことまで考えてる余裕はなかったから、本当に有り難かったよ。みんなも地上に戻れて安心したみたいだ。口々に水竜を「凄い凄い」と誉め称え「ありがとう」とお礼を言っている。それらが落ち着いてから殿下が一言。


「それでこれからどうする?」


 うん、どうしようか...






作者のモチベーション向上に繋がりますので、出来ましたらブクマ登録及びポイントの応援の方をよろしくお願い致します。


下方にある広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援して頂けますと幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ