ちみっこと冒険者活動 その8
誤字報告いつもありがとうございます。
まずは魔法で攻撃してみる。
『『 ファイアーランス! 』』
『アイスニードル!』
『ウインドスビア!』
『ロックマシンガン!』
ひらりと飛んで躱された。体が大きくなって的も大きくなったはずなのに、機動力も上がっているらしい。ダメか...
「みんな! 投擲武器はまだ残ってる?」
「「 トマホークは残り1個! 」」
「投げ槍も同じく!」
「銛は残してあるよ!」
「矢もまだ十分!」
アタシは頷いた。現状を把握する。まず肝心なのは『マザー』の機動力を削ぐことだ。その上で『マザー』のブレスを相殺し、攻撃を当てる必要がある。ならば、
「みんな! 最大魔法で範囲攻撃! ヤツの動きが止まったら、ナギ! 全力ブレス攻撃! ブレスを相殺したら、アリシア! 銛でトドメを刺せ! タイミングを合わせるよ!」
「「「「「 応っ! 」」」」」 「キュイ!」
「3、2、1、ファイアー!」
『『 ファイアーワールド! 』』
『アイスプラネット!』
『トルネードラッシュ!』
火と氷、風の範囲攻撃が『マザー』を襲う。アタシは念のためバリヤを張って待機している。さしもの『マザー』も動きが鈍った。
「ナギっ!」
「キュイ!」
ナギがブレスで攻撃する。それを『マザー』がブレスで相殺する。ブレスの余波が多少飛んで来たけど、難なくバリヤで防ぐ。良し! 今だ!
「アリシアっ!」
「行っけえぇぇっ!」
アリシアが銛を投げ付ける。銛は『マザー』の胸に深々と突き刺さる。
「ギイェェェッ!」
『マザー』は雄叫びを上げながら、必死に逃げようと高度を上げ始めた。だが逃がさない!
「ウォリヤァァァッ!」
アタシはブーメランを投げ付ける。ブーメランは『マザー』の首元に当たり、そのまま『マザー』の首を両断した。
夥しい血が溢れる。首を喪った『マザー』の体は、血を撒き散らしながらゆっくりと地面に落ちて行った。ふう、やっと終わったね!
「みんな~! お疲れ様~! ナギ! ゆっくりと降りて?」
「キュイ~」
ん? みんなの反応が薄いな!? それになんか寒さが増したような!?
「な、ナギ...か、可愛い♪ それ反則だよ~♪」
「あらあら♪ 可愛いくまさんですわね♪」
「へっ!?」
見るとアタシだけズボンの所々に穴が空いておパンツが丸見えに~! くそぉ! これは『マザー』のブレスの余波を食らったのか!
「うっきゃあっ!」
アタシは恥ずかしくて堪らずしゃがみ込む。
「「「 ブッホォォォッ! 」」」
野郎どもが鼻血を吹き出した。この展開久し振りだなおい! あ~あ、こっちも血の海になっちゃったよ...
ともあれ、ワイバーンの『マザー』討伐は無事完了した。
...風邪引く前にズボンを買い換えないと...
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