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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

第444回汚死苦裸満呪雨選手権(実況:白發中 解説:字一色)

作者: かな





「肉体と肉体の激しいぶつかり合い!!!血汗飛び散る中で生き残るのは誰だ!!!!みなさんお待ちかねのお時間がついにやってまりました!!!!第444回汚死苦裸満呪雨選手権がいよいよ開催です!!!!!!実況はわたくし白發中、解説はおなじみ字一色さんでお送りします!!!いやー字一色さん、ついにこの日がやってきましたねー!!!」


「これなんの競技でしたっけ(ガチャ中)」


「視聴者の方に向けて、改めてルールを説明します!!!!駅のプラットホームを舞台にした汚死苦裸満呪雨というこの戦い、選手が身体をぶつけあうことで勝負をし、敗者は線路に叩き落され電車にひかれて死亡!!!フェーズを重ねていく中で、最後までホームに残った選手が優勝となります!!!!」


「身体の大きな選手が有利なんじゃね(Nでイライラ)」


「しかし字一色さん!!!!必ずしもそうとは言えないのがこの競技の面白いところです!!!ただ身体をぶつけあうだけでなく、小回りを利かせてテクニカルに立ち回るのも生き残る秘策となります!!!!現に前大会の王者は若干19歳の小柄な女性でした!!!!!」


「ふーん(クレカ処理中)」


「さあ、駅のホームに選手たちが続々と入場していきます!!!!みなギラギラした目をして戦意十分!!!!さあ不屈の戦士たちよ、己の道は己で切り開け!!!!第444回汚死苦裸満呪雨選手権、いよいよ開幕です!!!!」










開幕のファンファーレがプラットホーム内に鳴り響く。

観衆は拍手と足踏みと歓声を上げ洪水のように混ざり合う。今や会場は興奮のるつぼだ。


「まずは注目選手をご紹介していきましょう!!!!なんといっても大本命はこの人、ゼッケン1番の尻大骨太選手!!!!前々回大会の覇者です!!!!その大きなケツと安定した姿勢から繰り出される驚異の推進力で、数多くの対戦相手を線路にたたき落として決ました!!!!字一色さん、この選手やはり今大会も優勝候補とみて間違いないでしょうか!?!?!?」


「そーすね(SR出たけど完凸していた)」


「続いての選手は、本命に対しての対抗馬です!!!!ゼッケン4番のケツドナルド=ケツドナルド選手!!!この人は海外からの招待選手です!!!!もじゃもじゃの赤いケツ毛と、ピエロ風の化粧がトレドマーク!!!!ほかにはゼッケン7番のジー・ケツアナ選手!衝撃を与えると出てくるケツからの血が特徴!!!!不潔さをアピールして直接戦闘を回避して戦略的勝利をもぎとれるか!?!?」


「ふーん(ガチャ中)」


「解説の字一色さん、この中で注目選手を上げるとしたら誰になりますか!?!?」


「尻とケツってどっちが汚い言葉なんだろう(ホジホジ)」


「ケツです!!!!」


「あとは痔は痛いですよね(体験済み)」


「なるほど!!!!」









『まもなく、4番線に快速、東京行きが参ります。黄色い線の内側に立ってお待ちください』


「さあ、アナウンスも流れいよいよスタートです!!!!」


ピーーーーというホイッスルが吹かれる。

それを合図に選手達はホーム上でケツを突き出すスタートの構えを取り開始の合図を待つ。


『On your mark…………バンッ!!!』



『おーーーーしくーーーーらまんじゅーーーーおーーーされてーーーーなくなーおーーーーしくーーーーらまんじゅーーーーおーーーされてーーーーなくなー』




『う、う、うわーーーー!!!』

『キャーーーー!!!』

『ぶひーーーーーー!!!!』




次々に線路に選手たちがケツごと叩き落されていく。

落ちた選手たちはぶつかりあいで腫れあがったケツが邪魔をして、だれ一人立ち上がることができない。


しばらくして強い風を起こしながら電車が駅を通過する。

その際に何の抵抗もなく叩き落された選手を赤いシミに変えていく。

通り過ぎた後はこびりついた肉片とどす黒い血が絨毯のように線路を覆っていた。


会場を歓声と拍手が包み込んだ。



「おーーーーっと!!!!第一フェーズで半数近くが線路に叩き落されてケツ片に変わったーーー!!!!そしてなんとなんと、本命である尻大骨太選手、対抗馬の一人であったケツドナルド=ケツドナルド選手が含まれているーーー!!!!字一色さん、初っ端からこれは波乱の展開といえるのではないでしょうか!?!?」


「!!!!(ほしかったSSRがついに出た」










『続いて、まもなく、4番線、東京行きが通過します。危ないので黄色い線の内側に立ってお待ちください』



「さあ!!!!平日の朝のため、電車の間隔が狭くなっております!!!!選手たちは息継ぎもできず、フェーズ2の準備を始めざるをえません!!!!これが勝敗を大きく左右するカギとなるか!?!?」


ピーーーーというホイッスルが再度吹かれる。

それを合図に選手達はホーム上でよりケツを突き出すケツチングスタートの構えを取り、開始の合図を待つ。半数が先ほど脱落してスペースが開いているため、モーションの大きなスタートが切れるのだ。当然勢いも付いてより激しいぶつかり合いが可能となる。


『On your mark…………バンッ!!!』




『おーーーーしくーーーーらまんじゅーーーーおーーーされてーーーーなくなーおーーーーしくーーーーらまんじゅーーーーおーーーされてーーーーなくなー』


『おーーーーしくーーーーらまんじゅーーーーおーーーされてーーーーなくなーおーーーーしくーーーーらまんじゅーーーーおーーーされてーーーーなくなー』



『おーーーーしくーーーーらまんじゅーーーーおーーーされてーーーーなくなーおーーーーしくーーーーらまんじゅーーーーおーーーされてーーーーなくなー』




『びゃーーーー』

『ぬわーーーーー』

『いやーーーーーーー』

『オレはここで終わるケツではないんだーーーーー』





1人、また一人と線路に叩き落された。

その後ろから、ぶわーんという警笛を鳴らした電車が、一瞬にして駅を横切る。

大質量の鉄の塊が高速で動く姿は質量×スピードというエネルギーの根本原理を思い出させてくれる。

事実、通り過ぎた後には原型がわからないケツの塊が散乱しているのみ。




「きましたきました!!!!カンブリア紀も真っ青な大量絶滅のフェーズです!!!!さあ、これで一気に選手は絞られました!!!!残るはホーム上にいる3人だけ!!!!いよいよ物語は大詰めだーーー!!!!」


「!!!!!!!!(ほしかったSSRが奇跡的に2連続で出た)」









『続いて、まもなく、4番線、東京行きが通過します。危ないので黄色い線の内側に立ってお待ちください』



「さあ、残りは3選手!!!!その中には、先ほどもご紹介したジー・ケツアナ選手も残っています!!!!やはりケツ穴から滴る鮮血はウイニングロードを飾る赤い絨毯となるのか!!!!!」




ピーーーーというホイッスルが再度吹かれる。

ジー・ケツアナ選手以外の2選手がすぐに右ケツと左ケツの両方の凹凸を隙間なく合わせるポーズをとる。


「あ、あ、あーーーーっと!!!残りの二人の選手が完全にケツマッチングさせて待機しているーーー!!!!ジー・ケツアナ選手が入り込む余地がないーーー!!!!」


ジー・ケツアナ選手それを見て、仕方なく腰を低く突き出すケツチングスタートの構えだけを取る。




『On your mark…………バンッ!!!』





『おーーーーしくーーーーらまんじゅーーーーおーーーされてーーーーなくなーおーーーーしくーーーーらまんじゅーーーーおーーーされてーーーーなくなー』


「!!!!!!おーーーーっと!!!!2選手競技をしているが勢いがまるでない!!!!明らかな無気力試合だーーーー!!!!そしてそのままジー・ケツアナ選手にどんどん近づいていく!!!!」


『おーーーーしくーーーーらまんじゅーーーーおーーーされてーーーーなくなーおーーーーしくーーーーらまんじゅーーーーおーーーされてーーーーなくなー』





近づいてくる2選手に対して、ジー・ケツアナ選手は戸惑いを隠せない。

言うまでもないがケツとケツをぶつけあうのが汚死苦裸満呪雨の基本ルールだ。

ぶつけあうケツがないため競技に入りようがないのだ。


そのルールを悪用し2選手はジー・ケツアナ選手の汚いケツアナに触れないようにするため、

さも競技中を装い、身体ごと接触しジー・ケツアナ選手を場外に追いやろうとしているのだ。


想像もつかないような頭脳プレーである。


しかしこれはルールのケツアナをついた行為。

違反ではないが反ケツマンシップ行為として非常に忌避される行動だ。

現に会場のいたるところから猛然とブーイングが沸き起こっている。



そんな中2選手はケツをくっつけたままリズミカルに加速し、

ジー・ケツアナ選手に身体ごとぶつかって問答無用を線路に突き落とす。






『痔がーーーーー!痔がぁああああ!』





無情にもジー・ケツアナ選手は線路に叩き落された。

そして観客や選手の思いを考慮することなく電車は定刻通り駅を行き来する。

残念ながら、ジー・ケツアナ選手はどこがケツアナかわかないほど鮮血をほとばしらせ、ケツを含めた全身をミキサーされてこと切れたのだった。


これで二人は清い身体のまま勝負を続行できる。





「どんなに卑怯であっても勝てばいいのだよ、の精神をいかんなく発揮!!!!ケツアナ選手ここで脱落ーーーー!!!!第5フェーズにて、ついに1対1の決勝戦となりました!!!!なんと二人とも無名の選手!!!!放送室にも彼らがだれなのかデータがありません!!!!!解説の字一色さん、彼らの今までの競技スタイル、ご覧になってきていかがでしたか?」


「まあ悪い結果じゃなかったね(想定以上の課金をしたがついに念願のSSR完凸を完了した)」


「なるほど!!!!」






ピーーーーというホイッスルが再度吹かれる。

今度こそ、両選手は真っ向から決着をつけるべくケツチングスタートのポジションを微修正し、お互いをけん制しながらナイスポジションを探す。

その非常に高度な心理戦とレベルの高い動きに、会場のブーイングもいつしか大歓声へと変わっていった。




『On your mark…………バンッ!!!』




『おーーーーしくーーーーらまんじゅーーーーおーーーされてーーーーなくなーおーーーーしくーーーーらまんじゅーーーーおーーーされてーーーーなくなー』





「あーーーーーっと、これは互いに譲らない!!!!実力伯仲!!!!!一歩も譲らないまま、お互いにじりじりと線路に向けて体が動いていく!!!!!これはケツキンレースの様相を帯びてきている!!!!先に抜けたほうが一気に押し出される!!!!だからぎりぎりまでケツアナをしめて、押し続けるしかない!!!!」


両選手とも、あと1歩動けば線路に落ちてしまうぎりぎりのポジションに立ち、相手を線路に叩き落そうと渾身の力でケツを押しあう。

鬼のような形相で、力むあまりケツには無数の血管が浮き出ている。


観客も総立ちだ。



当たり前だが、どちらかが今大会の勝者となると誰しもが思っていたのだ…。









その時突如ホームの奥からゆらりと人の気配が漂ってきた。

もう二人しか残っていないため誰がいるはずもない。

そう、だれもいないはずだ。

だがそこから確かに湧き出る違和感はホーム上の二人だけでなく、会場の観客すべての背筋を寒くした。




皆の目線の先には…





古いブラウン管テレビに映っているケツアナしかないはずなのに…





「きれいなケツアナだ!!!!誰のなんだこれは!!!!なぜこんなところにブラウン管テレビがあるんだ!!!!!!」


「あーそういうことね」


「字一色さん、あれが何かわかりますか!?!?!?」


「キットクル」







ブラウン管テレビに映るケツアナから、前触れもなくにゅっと真っ白な服を着たケツが飛び出してくる。

質量保存の法則などまるっきり無視して、2Dが3Dになる不可思議で吐き気を催す現象だ。

そしてケツだけにおさまらず、腰、胴体、手足、そして頭と続き、人ひとりがまるっと出てきた。


白いボロボロのワンピースを着ている。

女だ。人間であったなら。

肌は白いがカサカサしていて、まるで血が通っている感じがしない。幽霊だと言われたほうが納得できるような有様だ。

膝まで届くぐらいの黒髪だが、つややかさは全くなくぼさぼさに飛び跳ねていて、不気味さが増している。



女は無言でより腰を落とし、ケツチングスタートに切り替える。さらに両手を地面につけて全身の力をケツ一点に集中させる突撃特化態勢をとった。


そして初速から最速でスタート。人間の出せるはずのスピードを超えている。関節の可動域が通常の2倍は広い。ぐにゃぐにゃと折れ曲がりながらそれが鞭のようにしなってスピードをより加速させていく。


両手両足をつけて後ろ向きで動くという、本来人間がするべきでないその動きは、恐怖と生理的嫌悪感を半端なく生み出した。



「あーーーーーっと!!!!突如乱入したなぞの選手!!!!両手両足をかさかさと気味悪く動かしながらケツを突き出してで残りの二人に這いよっていくーーーーー!!!!!私は実況しながら鳥肌がとまりません!!!!!」


「こぜ貞子??」




ホーム上の2選手ともに、いったん休戦をしケツ迎撃態勢を取り、1対2の構図を取る。

通常ならば負けるはずもないその戦いも、女のスピードを止めることができない。

高速ケツタックルをぶちかまし女は二人を線路に突き落とす。

次の瞬間、彼らの上を猛スピードで電車が通り抜ける。

彼らは細かいケツ肉に還元され、線路の砂利の広い部分を放射線状にケツ色に染め上げたのだった。




そして女は不気味な姿勢で立ち上がり、あの目をぎょろっとしたやつで回りを威嚇しつつケツを高々と掲げる。




「試合終了だーーーーーーー!!!!まさかテレビのケツアナから出てきた刺客に優勝をかっさらわれるとは…この歴史ある大会でも聞いたことがありません!!!!!」




あまりの出来事に会場はシーンと静まり返っている。

ホームでは決めポーズをとったまま女が固まっていた。居心地が悪そうだ。

この後の流れを特に考えず勢いで出てきてしまったのもしれない。観客も女も、動いたほうが負けのような雰囲気に縛られ、ただ気まずい空気だけが流れている。




「さて、大変名残惜しいのですが、放送の都合上、第444回汚死苦裸満呪雨選手権、そろそろお別れの時間となります!!!!解説の字一色さん、最後に何かコメントをお願いします!!!!!」


「こんなんでいいのかよwwwストーリーもくそもへったくれもないなwww」


「唐突さを売りにしたホラーですから!!!!」


「それではみなさん、さよなら!!!!!」


「あじゃーした」


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