彼の場所に
昼休みになると、僕はすぐに行動をおこした。彼女は、学校にきているか分からないが、彼は違う。
スポーツ推薦でこの学校に通っている事に、責任感があるのか学校にはキチンときていた。
実際は、朝来ると鞄が既に、机の隣に掛けてあるそんな状態だった。今日だって、そうだ。彼の友達に聞けば、彼はいつも通りに部活にでていたらしいし。
僕は、取りあえず彼を捜すことにした。手がかりも、なんらかの目撃情報もなかった。けど、彼のいる場所はなんとなく分かっていた。
そして、それだけを頼りに、階段を登り、その場所にきた。
「やっぱり、ここにいたんだ。」
「・・・。」
屋上につながる階段。そこに座っていた。そして、何故彼がここにいるか、何となく理解できた。
「なんで、授業でなかったの?」
「お前には、関係ねーだろ。」
彼は、そう言って顔を伏せた。
「関係あるよ。」
「ない。」
未だ拗ねている彼は、子供にしか見えなかった。
「あるよ。」
「ない。」
「ある。」
「ない。」
「ある。」
「ない。」
「「・・・。」」
しばしの沈黙。
「それで、何のようだよ。」
彼が、不機嫌そうに僕をみた。
「一緒に謝りに行こうよ。」
「嫌だ、あんな頑固な奴。」
「そんな事言うと、このままだよ?一緒に謝りに行こうよ。」
「嫌だ!何で何回も行かなきゃらん!」
「謝りに行ったんだ。」
「・・・そんな事してねーよ!」
そう言って、顔を赤くする彼。非常にわかりやすい。
「そんな事しても、事は解決しないよ。」
「わかってる。」
「なら、一緒に行かない?『屋上』にさ。香坂も二人なら許してくれるって。」
そういうと、彼はびっくりしたような顔で僕を見た。
「香坂が屋上にいるって?」
「簡単だよ。君がここにいる、それだけでわかるよ。君は、仲間想いだからね。屋上にいること隠す為のカモフラージュでここにいるんだよね?」
「なっ!そんなことねえよ!」
彼は、心を読まれ、少しあたふたしています。
「ねえ、僕は・・・。」
彼の目を見て
「ただ、数日前の学園生活に戻したいだけなんだ。だから、一緒に来てくれない?」
僕は、そう言った。
彼は、数秒何か考たよう目をつぶってから、分かった、と呟いた。
「じゃあ、行こうか。」
僕らは、屋上への扉を開けた。
更新少し遅れました。
まあ、一週間の間隔を開けず更新したいと思いますので、適当に見てください