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お題もの

お題もの、その九。

作者: ひばり れん


「ポリがたくさんって意味で~、

 フェノールが沢山だからポリフェノールって言うんだよ」



友人の説明を聞きながら、折り紙で手を動かす。

きっと今が過ぎれば、すべてを忘れた状態で手を振るのだ。

友人Aには申し訳ない気もするが、化学を受験しない私にとっては雑学にすらならない。

お茶の成分表示を一々見る人なんていないのだ。



気が付くと千羽に近い数になっている鶴。

ケータイに着けていた小さい人形を乗せて悦に浸る。

あー、私頑張った。今頃私と同じく退屈しているだろう友人Bに贈る千羽鶴。

きっと喜ばれはしないのにどうしてやり遂げてしまったのだろうか。

このままずるずると卒業まで引っ張って、あの友人のことをなかったことにすればよかったのに。



「私ってホントいい人だよなぁ」



自虐が今は心地よくて。もう少しだけ言っておこう。

後学のため、いや自分のため、いやいや世の中のために。



「はやくいなくなればいいのに」



そう呟いて、鶴を糸でつなげていった。





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