そこはお前の住む場所か?
志那爺(仮)が164kのアパートの隣の部屋にいるというのは前回お話しました。
実を言うと、ここ紹介したのは164kだったりするんですが、最初は作業場という話だったのですよね。
いつの間にか住み着いちゃってるし(w
ついでに言うと、志那爺自身が契約したんじゃなかったりします。
164kが内装・外装業に勤めていた時の同僚が、今独立してシート屋をやっています。
志那爺は、この同僚が急場の寸法直しや特急仕事で重宝してたんです。
志那爺(仮)が家賃を滞納し過ぎて住んでいた家を追い出された時、とりあえずは息子さんの家に転がり込みました。
住む所はそれで良いとしても、一般家庭の住宅に大型ミシンを持ち込んで縫製作業が出来るスペースなんてあるはずがありません。
どこか縫製作業の出来る場所が借りられないだろうか?
という話を聞き込んだので、隣の部屋を紹介したんです。
アパートだって事情は大差ないだろうって?
うちのアパートはちょっと特殊で、元々はオーナーがオフィスビルにするつもりで建てた物件です。
でも結局オフィスビルとしてはテナントが入らなくって、最上階に無理やり居室を作ったんですね。
だから、部屋こそ10~12畳相当とそれなりに広いものの、床はリノリウム、風呂・炊事場・トイレ共同という快適に生活するには少々難のある品物です。
家賃は安いですけどね?
本当は、作業場としては20畳位の広さが欲しかったようですが、ゆっくり探している時間はありません。
背に腹は変えられないので、元同僚が部屋を借りてやって志那爺(仮)を専属みたいにして仕事をさせ始めました。
そうしたら、志那爺(仮)の使え無さが明らかになりました。
これまでは、ワンオフの特急仕事や急場の寸法直しがほとんどでしたから、否応なしにほぼ付きっきりだった訳です。
だから、計算が出来ないとか寸法通りに作れないといった志那爺(仮)の致命的欠点が目立たなかったんですね。
隣の部屋で仕事を始めて半年もしない内に、元同僚が志那爺(仮)の使え無さを愚痴るようになりました。
そうこうする内に、夜間に志那爺(仮)の姿をアパートで見かけるようになります。
仕事が間に合わないから泊まり込みでやっているんだろうかと思っていたんです、最初は。
違いました。
息子さんの家も追い出されたんです、志那爺(仮)。
作業場として借りてもらって、家賃まで払ってもらっている所に勝手に住み着いてしまいました。
この有り様に最初にキレたのは、元同僚の所の従業員です。
「どうして志那爺(仮)の生活の面倒まで見てやらなくちゃいけないんだ?!」
と騒ぎ始めました。
吊し上げを喰らった志那爺(仮)、今度は何をやらかしたかというと、元同僚に一言の断りもなくアパートの契約を自分名義に勝手に変更してしまいました。
開いた口が塞がらないとはこの事です。
結局、元同僚は志那爺(仮)とは手を切って、以前のように時々寸法直しや特急仕事を頼みに来るだけになりました。
元同僚が
「えらいのと関わっっちまった。」
と呟いて行ったのが印象に残っています。
この志那爺(仮)の話は、もう一回だけ続きます。