『展開』
こんにちは。
楽しんでいただけましたか?
この話でこの短編集は終わりです。
私が集め、手直しをした最後の話です。
『展開』についてお話しします。この作品のタイトルにも用いられている『展開』。この言葉の意味をお話ししようと思います。
そもそも『展開』とは広がること、物語などが次々に動いていくことを指します。
ひどく流動的な存在でありますが、それを掴むのは容易いのです。
川の流れに一枚の木の葉を浮かべ、それが流れゆく様によって、川の流れを知る。あなたはそれを体験しているわけです。
あるものを浸透させ、広げるためにはいわゆる目印が必要です。そして、流れを生み出さなくてはならないのです。
言葉とはそれにぴたりと当てはまる素晴らしい道具であると思います。さらに言えば、小説とはそのような点で最も良き友と呼べるでしょう。
いわゆる架け橋のようなものです。私とあなたを接続する道です。言葉を紡ぐことで、あなたに私の思考を移すことができるのです。
身を委ねられる文章は心地よいものです。邪魔になる思考や懸念を取っ払って、我々は未知の世界へと足を踏み入れることができます。
そうして一歩一歩、道を切り開いていくのです。あなたが世界に浸る間にこっそりと。
インターネットは素晴らしい発明だと思います。
何より拡散性に優れている。
そして、数を限定しない。言語の壁さえ突破できれば、かなりの数を得ることができる。
確か、『断片』で教授が言ってましたね。
儀式には順序があると。
残念ながらこの小説に順序などありません。
全てがそこに繋がる道です。
ああ、ごめんなさい。
私は間違いをしたのかもしれません。
今、どの子がお邪魔してますか?
大きいでしょうか、小さいでしょうか。人間でしょうか、概念でしょうか。
この文から目を離し、そーっと左のほうを確認してみてください。ななめ後ろの方です。
ゆっくりと、ですよ。
急ぐと危険ですから。
そうです。その子です。
黒っぽい何かが見えますか?
まあ、害はないはずです。
大丈夫です。安心してください。
ただ、話の並びを間違えた可能性はあります。
読み方は色々ありますから、多分そのまま読む人ばかりじゃないんで、気にしなくても良さそうですね。
あ、そういえば一つ話を公開し忘れてました。
何を書いたんだっけ、あれ。
一番最初に作ったので記憶が怪しいですね。
あれ? 記録に残ってない
ん? 私の勘違い?
まあ、いっか。
だって、問題ないですもんね?
なら大丈夫です。
『展開』とは無いところから物語を生み出し、それを広げていくこととも言えます。
故に、あるはずのないものを生み出し、あるいは呼び寄せてしまうのです。
はい。
すみませんでした。
これで私の話は終わりです。
そして、あなたへの道標もここまでです。
では、さようなら。
お読みいただきありがとうございました。




