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異世界転移者、魔剣を携え旅をする~魔法が使えないけど、愉快な古代遺跡(生)物たちが助けてくれるので問題ナシです  作者: サエトミユウ


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第49話 ドークリー氏と話してみた

 用途不明の白い塊(ただし古代遺跡生物)のご機嫌を取るため、懐にしまった。


 重要遺失物管理室から出たらラクシャリーさんと別れ、次の目的地に行くためビーネさんから場所を確認する。

 ハリーに地図を出してもらい印をつけてもらうとビーネさんがハリーから下りたので、別れの挨拶をした。

「んじゃ、行ってくるよ」

「お気をつけて。……亜人と会っても、まずは話し合いですからな? 相手が何か言いがかりをつけてきたら、釘バットを見せれば退きます。あとは局に問い合わせるように言ってください」

 ビーネさん、「気をつけて」の後が長いな。


「わかったわかった。盗作野郎とかエルフ以外は大丈夫だろ」

 そう言って手を振る。

 心配そうなビーネさんが再び近寄ってきて、

「話し合いですからな!」

 と叫んだ。

「わかったから。俺、そこまですぐ人に暴力をふるわないって。よっぽどじゃなけりゃ、弱い奴には手を出さないから」


 ビーネさんをなだめていたら、慌てたラクシャリーさんがこちらへ向かってきた。

 見送りかなと思って手を振ろうとしたら、呼ぶように手を振る。

「よかった! また呼び戻さないといけないから慌てたわ。……たった今、あなたをここに送り込んだドークリー・マクラーレンとコンタクトが取れたの。すぐ来てもらえないかしら」

 俺は驚いてラクシャリーさんをガン見してしまった。


 ラクシャリーさんいわく、コンタクトが取れたとは言ったが座標が特定できたわけではないらしい。

 とにかく向こうの様子を聞いて、対策を立てたいということだった。

「座標特定には時間がかかるの。しかも遠い場所だとなおさら……。ただ、コンタクトが取れたのはよかったわ。どうやら向こうで魔法を使ったらしいわね。あの子の持ち物の中に鏡があって、それを通じて話しかけてきていたらしいわ。ずっと誰も気づかずいたのだけど、たまたま気づいたマーナガルが知らせてくれたのよ。あなたも話したいでしょう?」

「ありがとう。もちろん向こうの様子を聞きたいよ」

 厳密に言うと、じいさんに言づてを頼みたい。


 急いで向かうと、マーナガル氏が手鏡に向かって話しかけていた。

「……そうか。それは良かったが……。ポータルフラワーはなさそうか?」

『……そういう名前の花は存在しないようです。ですが、こちらは言語が違いますし魔法がないので違う名称かもしれません』

「原材料と加工方法を調べておこう。こちらからも座標の特定を急いでいる。気を落とさずにな」

『……いえあの……。私、別に困ってませんから……』

 手鏡の向こうのドークリー氏は、もじもじしながら言っている。


 マーナガル氏がやってきた俺をチラリと見ると待機するようにと手で制し、ドークリー氏に諭すように言う。

「君は魔法が使えているから困っていないようだが、こちらに送り込まれた青年が困っているんだ。彼は魔法を使えない。こちらで保護しているが、彼も家族と引き離されている。そして、君の父もたいそう心配しているよ。私もコンタクトが取れて少しは安心したが、それでも心配だ」

 ドークリー氏はぐっと口を引き結んだ。

『……父が心配しているわけがありません』

「断言しよう。心配している。もちろん、青年の家族だって心配しているだろう? 唐突にいなくなってしまったんだから」

 ドークリー氏は逡巡するように口を開閉していたが、決心したように言った。

『ご両親と妹さんが、私の面倒を見てくれていますけど……特に心配は……』

「だろうな」

 俺は割り込んだ。

 ドークリー氏がビクッとして俺を見る。

「はじめまして、魔法の使えない俺をここに送り込んだ人。俺は緋榁卯月。アンタが住んでいるのは両親と妹のいる離れのほうか。……で、じいさんは? 俺、両親と妹に用はないけど、面倒を見てくれているじいさんに用があるんだよ」

 ドークリー氏はキョドっている。

『……あ、あの……』

「事故ならしょうがない。だけど、じいさんに心配をかけたくないんだ。じいさんと話させてくれ」

『……あの人、怖くて……。みなさんも、話さなくていいって……』


 え、何言ってんだ?


「いや、俺が話したいんだって。アンタは話さなくていいよ」

 ドークリー氏はオドオドしている。


 ……うん、ラクシャリーさんの気持ちがわかってきた。コイツ、イラッとさせるよな。

「とにかく、じいさんと話したくないなら俺の声が聴こえるところまで近寄るだけでいいから。……アンタがここに俺を送り込んだんだよな? なら、それくらいやってくれるだろ? アンタのせいでこんな目に遭ってるんだし!」


 いや、こんな目ってほどのことは起きてないんだけどね。

 ただ、こうでも言わないと、コイツ絶対にやらない。

 嫌なことは徹底的に避けたり逃げたりするタイプだ。俺、知ってる。

 コイツに責任を感じる気持ちがあればいいけど、なかったらもう叫ぶしかないな。


 果たしてドークリー氏は、責任を感じる気持ちはないらしい。

『…………』

 うつむくと、通信を切ったようだ。


 鏡はマーナガル氏の顔を映すだけとなった。


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― 新着の感想 ―
はい。ゴミカス決定。 この状況で謝罪の一言も出ないあたり生きてる価値無いから、魔法が使えることがバレて人体実験のモルモットになっていいぞ。
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