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異世界転移者、魔剣を携え旅をする~魔法が使えないけど、愉快な古代遺跡(生)物たちが助けてくれるので問題ナシです  作者: サエトミユウ


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第4話 魔剣を破壊しようとしてみた

 見るからに禍々しい。もしかして、これを破壊しろとか言うのか? フィジカルで?

 俺が首をかしげて剣を見ていたら、

『なんじゃ? えらい男前がきおったの』

 って声が聞こえてきた。

 ? なんだ? 声からすると幼女なんだが、これは……。

 俺がキョロキョロしていると、

『たわけ者。目の前じゃ』

 って言われた。

 え。まさか……。

 俺は恐る恐る剣を見た。

『そうじゃ。我がしゃべっておるのじゃ!』

 のじゃロリボイスの剣かよ!!!


 俺が呆気にとられていたら、ビーネさんが俺に話しかけた。

「これは、知能を宿す剣インテリジェンスウェポンだ。とてつもない力を秘めているようだが……誰にも制御ができず、封印していた。だが、もしかしたら君はできるかもしれないとラクシャリー長官に言われてここに来てもらったのだ」

 えええ。いや俺、魔法使えないんだけど? 知ってるよね?

「制御……って、具体的には?」

 俺は戸惑いつつ尋ねると、ビーネさんが真剣な顔で言った。


「手に持ったり、腰にぶら下げたり、さらには振り回したりするらしい」

「普通じゃねーか!」

 マジな顔して言うからどんなことさせられるのかと思ったぜ!


 え? 何言ってんの? って顔で見られたんだけど。俺こそ何言ってんの? って顔で見返したいよ。

「そんなに重いのか?」

 俺が尋ねたら、

『そんなワケなかろうが! 乙女の体重じゃ! ソヤツらが非力すぎるのじゃ!』

 って剣にのじゃロリボイスで叫ばれた。えぇー……。乙女の剣なの?


 ある意味属性剣だな~って思いつつ、俺は左右を見渡した。

「あ、こっちの方がいいかも」

 刀っぽいのを見つけたのでそっちに寄ったら、剣に叫ばれた。

『我のほうがいいじゃろ~が!!!!』

「いや俺、片刃の剣の方が慣れてるんだよな。あ、こっちの方がもっといいな。これに釘刺しゃイケそうだな」

 ちょっと長めの棍棒があった。釘バット作るか。ソレ振り回しゃ、首相にも威嚇できそうだからな。

 剣が鎖を揺らして抗議したが、別に俺、誰かを殺すつもりはないし。なら殺傷力は低くて威嚇できそうな武器の方がほしいぜ!


『…………。わぁあああああん!!!! 我の方がカッコかわいいのに~~~~!!!!』

 剣が大声で泣きだしたよ。ガキか? あ、確かに声的にはガキかもしんねぇな。


 耳に指を突っ込みつつ、なだめに入った。

「わかったわかった。とりあえずお前を持てばいいんだろ。……あ、この棍棒ももらえない? あと釘もたくさんほしい。釘バット作るから」

 剣の醜態を見て呆気にとられているビーネさんに向けて、後半を言った。


 しかたがないから俺は鎖から剣を鞘ごと抜いた。

 ……乙女って重さかどうかわからないけど、普通に剣の重さがあるな。俺は軽い剣より重い方が好みなのでちょうどいい。

 俺が持ったら、おぉ! と声をそろえて感心された。……この重さが持てないって、ヤバくない? 確実に腕立て伏せできないだろ。いくら魔法があるからって言ったって、筋肉は大切だよ?

 内心で説教しつつも鞘を払うと、刀身が露わになる。……柄がちょっと装飾過剰だなぁ。持ちづらいってほどじゃないが、実用的じゃない。金に困ったらこの装飾を取って売ろうっと。


『フフフ……ハハハハハ!』

 唐突に剣が笑い出した。

「おい、アタマ大丈夫か? あ、『剣だから無い』ってか?」

 俺が心配したら、笑いを止めた剣が憤った。

『大丈夫に決まっとるじゃろうが! 貴様が剣を抜いたのを嘲笑っておったのじゃ!』

 ビーネさんたちが息を呑み、俺は眉根を寄せた。

『我は魔剣【ゼロエロ】じゃ! 我の魅了魔法で貴様を操り、この国の者を根絶やしに……』

「おい、この剣折っていいか?」

 俺が振り向いて尋ねたら、ビーネさんたちが一斉にうなずいた。

『「待て待て待て。そうたやすく折れるはずがなかろう。……それに、我の虜になった貴様に我が折れるはずなかろ?』

 最後を疑問形で言うので、俺は剣を鞘に戻し、横にして、柄と鞘の端を持って徐々に力を籠める。


「このままじゃ重くて誰も持てないだろ。刀身へし折って柄の飾りを売り払ったら儲かるし誰でも持てるようになるし、一石二鳥だな」

『「冗談じゃ我はとっても良い子なのじゃお主の言うことをなんでも聞くのじゃだから待って折らないでごめんなさいちょっとふざけただけなんですやめてください』

 めっちゃ早口で謝ってきた。


「俺やっぱ、このポンコツ剣よりそこの棍棒に釘刺したヤツのほうがいいんだけど」

 俺が言うと、のじゃロリ剣がビービー泣きだした。

 でもって、のじゃロリ剣が鞘から革ベルトを繰り出し操って俺の腰にしがみついてきた。


『捨てないでたもれ~!』

 たもれじゃねーよ。俺は剣を半目で見下ろした後、ビーネさんたちを見た。


「…………なぁ。このポンコツ剣を俺にどうしろと?」

「…………古代遺跡物は本来すさまじい性能を秘めているはずなのですが、当たり外れがあるのかもしれません」

 ビーネさんが冷静に言った。


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― 新着の感想 ―
考えてみたら昭和のヤンキーはバットと釘を買って家で一生懸命打ち付けてたのかww そう考えるとちょっとかわい…くねぇわ。怖いだけだわw
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