第20話 不審者を叩きのめそうとしてみた
んじゃ、さっそく……って思ったら、局員CDが近づいてきた。
シャトルバスで同乗していた連中だ。
無愛想で陰気、って典型で、バスに乗っている最中もずっとうつむいていたし着いたらさっさと降りて姿を隠すし、そのわりに俺と局員ABが挨拶してるのを盗み聞きして古代遺跡物のある場所に行くときはコッソリつけてきたという。
有り体に言って印象が悪い。
俺はコソコソ近づいてくる局員CDを睨んだ。
「――あ? さっきからなんなんだよ? コソコソ近づいてくんじゃねーよ陰気野郎」
別に頼られるのはいい。慣れてるから。
でも、頼ってきた奴に便乗してくるのは我慢ならない。そういう奴は絶対に上前をはねたり手柄を横取りしてくるからだ。
俺が威嚇したら、局員ABは驚いたようにそっちを見る。ついでに局員CDも俺に驚いたようだ。
「えっ……!? ふ、不審者発見!」
とか、局員Aが言い出した。マジか。
局員CDは局員ではなく不審者だった。
無愛想で陰気なのは不審者だから。なるほど、当たり前だった。
俺が啞然としている中で、魔法合戦が始まったようだ。
なんか杖を振りながら詠唱すると、魔法が飛び出す。
俺は慌ててゼロエロに叫んだ。
「ゼロエロ! 車に当たったらどうなる!?」
『どうにもならん。弾くだけじゃ』
それは良かった。
不審者の一人が俺に魔法を打ちだしてきた。
俺は咄嗟に釘バットで打ち返す。
「オラァッ!」
カキーン。
すごい勢いで飛んでったのに局員も不審者も驚いたらしく、両方固まった。
「へぇ。さすがだな。打ち返せるのか」
『魔法を打ち返せるのなんてお主だけじゃ。そして、その棍棒はそういう使い方ではないのじゃ』
俺の言葉にキッチリとツッコミ返すゼロエロ。
「いいから、細かいことは気にするな」
俺は手首を回転させバットをくるくると振り回しながら不審者に迫った。
「おもしれぇ。もっと打ち込んでみろよ。全部打ち返してやるからよ」
青ざめる不審者CD。
「ついでにテメーらの頭にもフルスイングしてやろうか? どこまでぶっ飛ぶのか試してやるぜ」
そう言ったら悲鳴を上げて杖を放り出し頭を抱えてうずくまった。
「助けてくれぇえ!」
「殺さないでくれ!」
と、叫んでいるんですけど。
それはこちらのセリフでは? 襲ってきたのはお前らだよね?
局員ABが魔法で捕縛した。
局員ABまで、
「殺す気は無かったようなので殺さないでやってください」
と、拝むように頼まれたんだが……。
俺だって脅しただけで殺す気はないってば。
「もう少し、手応えのある敵がほしいぜ」
って冗談で言ったのに、
『おい魔王、ドン引きするようなことを言うのではない。ここは愛と平和の国じゃ』
とかゼロエロが言い返してきたぞ。
……お前、俺を洗脳して世界征服するとか抜かしてなかったか?




