第11話 出発してみた
と、いうわけで、ここのノーウォグ送付先で差し出し元ゼロエロの籠が作られ持たされた。
対の籠が局のノーウォグに置かれる。
ノーウォグが近くにあればそこに直接持っていってもいいらしいが、だいたいが籠に手紙を入れて放置していたら勝手に鳥が持っていってくれるし空になった籠を返しに来てくれるそうだ。
なんだソレ!? 賢い鳥だな!
他に問題があるとすれば……。
「俺、ここの文字書けねーし読めねーけど、それはいいのか?」
「「「あ」」」
よくないらしいな……。
『……確か、声を手紙にする古代遺跡物が倉庫にあったはずじゃ』
ゼロエロの言葉で、一同は倉庫に向かった。
『えーっと、それじゃな』
俺が手に取ったブツを見たゼロエロが言った。円盤形の薄い板状……見覚えのあるアレとそっくりだ。
「これって、再利用可能なのか?」
録音して再生して消去して録音出来れば完璧なんだが。
ビーネさんの代わりにゼロエロが答えた。
『もちろんじゃ。というか、再生したら言葉が消えるの』
「マジかよ」
聞き直し出来ない鬼畜仕様だ。
だけど読めない手紙よりマシかな。
この歳になって、絵手紙を交換することになるかと思った……。
いや、ゼロエロがワンチャン文字を書けるかもしれない。
最悪は代筆だな。絵手紙はさすがに無理がある。
せっかく来たし、放浪&討伐するってことなので、もう少しこの倉庫の中から借りることにした。
ビーネさんも、壊れ物以外は使ってくれ、ただし壊さないように! 釘バットみたくカスタマイズしないように! って言われて許可を得たので、ゼロエロに解説してもらいつつ物色する。
じいさんとキャンプに行ったときは『現地調達』みたいな感じで大変だったな……。
いやいやアレはサバイバルだよな、って思い返した。
数日後、『タロウ』と名付けたボクサーバッグにキャンピンググッズ他、必要そうなのを詰め、釘バットを引っかけ、肩に担いで見送る局員たちに挨拶した。
「んじゃ、最初の目的地に向かうわ」
「……本当に、近くまで送らなくていいの?」
ラクシャリーさんが心配そうに尋ねるので、俺は手を横に振った。
「そういうのは楽しくないからな! リミットがあるワケじゃねーなら、ゆっくり向かった方が旅の醍醐味ってのがあるんだよ! 討伐のときは現地に送ってもらうから、そんときはヨロシク」
『我が送るので、心配ご無用じゃ』
と、ゼロエロが言った。
……となれば、なんの問題もない。
「らしいから、心配ご無用。っつーことで、んじゃ行ってくるわ!」
俺は片手を挙げ、歩き出した。




