プロローグ
著:雪代 真希奈
読んでくださる皆様へ
・この物語はフィクションです。現実の人物、地名その他との関係はございません。
・この物語は著者のオリジナル作品となっております。物語の複製や売買行為、AI利用等、著者が著しく損害を被ることになる行為はご遠慮ください。
・この物語の主人公は、現実にも存在する特殊な遺伝子を持つという設定であり、物語の展開上、それに対する差別的、あるいは負の反応とも言うべき言葉が多数登場いたしますが、著者自身としては、そういった方々への差別や負の反応を助長する意図はまったくございません。読んでいただく際は、あくまでも創作物としてご覧いただければ幸いでございます。
・この物語は、2025年4月30日現在、著者のpixiv様のアカウントでも公開予定です。
------かつて、この国に、一人の女神がおりました。
女神は、天より降臨せし一人の男神に見初められ、結ばれることとなりました。
その時、女神の父は、その男神に言います。
「大御神の血を継ぐ者よ、もう一人の私の娘も、貴方に差し上げましょう。」
しかし、男神はそれを断ります。
「いいえ、お断りします。
私が愛するのは、私の愛する人はただ一人…他の誰でもないのです。」
------残っている文献に本当のことが書いてあるのか、こういったやり取りが実際にあったのかなかったのか…今、この世に生きる私たちに、それを知る術はありません。しかし、結果として、女神と共に男神に嫁ぐはずであったもう一人の娘は父の元へと帰され、父神の怒りに触れた二人は、不老不死の神として生きることができなくなり、寿命短くか弱い人間として生きることとなりました。
神として生きることをやめ、人として生きることとなった二人。
------しかし、それでも二人は、きっと幸せであったことでしょう。
愛する人を愛し、また愛されること。これは、何事にも代えがたい、本当に素敵で、素晴らしいことなのだから。
そして、私たちも、そう思いたいのです。
------それがきっと、生きるための希望になる…そう信じられる、信じたいと思えることなのだから。