ねぇねぇ
はじめまして。ただの少女と申します。
初めての投稿になり、至らぬ事が多いと思います。
暖かい目で見てくださると幸いです。
R-15指定の作品となっております。
発火蝉
どろりとした感情がぬるりとはみ出して、ベタベタ這いつくばり僕の方へと歩いてくる。
こっちに来るな。
お前なんていらない。
そう思うけれど、こいつには関係ない。
ぐじゅり。
ああ。捕まった。
希望の朝だと某体操の歌詞にある。
朝だろうと夜だろうと、そんなものはこの世にない。そう思うようになったのはいつからだろうか。
「うるせえな。くそ。」
歌が聞こえてくる公園の横を通りながらふと考えてしまう。気晴らしに朝散歩に来たはずが、気分は台無しだ。何しても何を考えても頭はあいつのことで溢れている。消えればいいのに。消せればいいのに。
僕は最近あいつと共生している。どうして存在しているのか、じっとりと溶けていく脳では考えることもできない。
「アイスでも食べよう。」
珍しく休日に外へ出たのだ。しかも朝早くに。このくらい許されるだろう。そう思い、通り過ぎようとしていた公園へ足を向ける。キラキラ輝く噴水の横で、笑いながら体操を行う小学生たち。5秒前、近道を考えた自分を殴りたい。だから僕は能無しなのだ。
『そうだね』「そうだな」
今日もいつもと変わらない。変われない。
いつもより人が少ないコンビニ。アイスは何を食べようか。
「みかん味…。」
アイスを手に取るために棚を見ると、もう一本おまけで買えるとの記載がある。
「ぶどう味…。」
有難くおまけのアイスも手に持ちレジへ向かう。心なしかさっきよりも気持ちが軽くなっている。実に単純だ。
「130円です」
小銭があったか。じゃらじゃらじゃらじゃら。
「早くしろよ」
と後ろからせかされる。
「…すみません」
200円を渡しお釣りをもらうと、アイスをもって逃げるように立ち去る。後ろから来ていた客に気が付かなかった。なんという間抜け。なんなんだ。早起きは三文の徳とは誰の言葉だ。
『早起きだろうがなんだろうが、間抜けにあてた言葉ではないかもね』
そうだな。きっとそうなのだろう。言葉一つで納得してしまう自分は、実に単純だ。
アイスをしゃっくりと食べ、固められていく脳を使う。こいつは何なのか。なぜ存在しているのか。……3か月前からだ。明確な時期は分からない。だがあいつは確実に隣を歩き始めた。最初は後ろを。こちらの様子をうかがっているようだった。徐々に横に近づき、今では口をも出してくる。きっかけは何だったか。
『ねえ、一緒に行かないかい?』
「何処に」
『わかってるくせに~』
知らない。何のことかわからない。こいつは何が言いたい。
「帰るか」
ひとり呟き帰路を急ぐ。今日はいつもより蝉がうるさい。
ミンミンミンミンミンミンミンミンミン
ミンミンミンミンミンミンミンミンミン
帰ろう。眠たい。なんだかとても疲れた。明日も休みなんだ。体を休めることも大切なはずだ。自分に言い聞かせ家まで歩く。さっき食べていたアイスの効果は切れ、すでに脳は溶けだしていた。
ガチャ。
「クーラー付けよ」
たどり着いた家で今日も怠惰に時間を過ごす。いいのだこれで。
ミンミンミンミンミンミンミンミンミン
ミンミンシネミンミンミンミンミンミン
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
ゆっくりですが続きを書いていこうと思います。
さて質問です。
僕は誰と話していたでしょうか?




