初マリトッツォは海と共に
"マリトッツォ"。
最近有名なそのお菓子の名を知ったのは、「なろう」さんの作品からだった。
そして、その作品のために描かれたイラストを見て、思った。
――食べてみたい。
気が付くと、周囲は"マリトッツォ"に染まっている。スーパーに、コンビニに、あらゆるところで"マリトッツォ"と名のつく、クリームをはさんだバーガー姿のパンを見かけるようになった。
イタリア発のお菓子で、日本で販売されている種類には、オレンジピールだとかチーズ味だとかあるらしい。ほほおぅ。
だが、あまりにもあちこちのメーカーやお菓子屋さんが出し過ぎている。
どれだ? どれを選べばいい? どうせ食べるなら、美味しいやつに当たりたい!
そう思っていた日々。機会は、ある日突然訪れた。
◇
「海に行こう」
急にダンナが言い出した。海は車で15分と近い。ダンナは海見るのが好き。泳ぐでもなく、ただ見るのが好き。
そしてタチの悪いことに、娘5歳はすぐその提案に乗る。娘も海が好き。泳ぐではなく、貝を集めるのが好き。
泳がないという点では助かるのだけど、夕方に突然、思いついて言うのは止めて欲しい。父娘二人では行かないのだから。当然誘われる。えぇぇ、予定、丸崩れ。夕飯準備始めるとこだったのに。
「行ってもいいけど、じゃあ前回の砂団子、海に返すよ?」
"みてみん"やTwitterでは書いたことあるけど、娘は海に行った際、砂団子を作ってバケツに入れ、うちに持ち帰っていた。日が経ったため、団子は崩れ、バケツを満たすのはただの砂。要らんやろ。
ところが娘が猛反対。「イヤぁぁ。新しく砂団子作って持って帰る!」
なんでさ! 持って帰っても、ただ玄関に置いとくだけじゃん?!
玄関に潮の香を振りまく砂団子。娘と海のロマンが詰まっているのかもしれないが、ただただ邪魔。
「じゃあママは海について行かない!」と主張するも、娘側につくダンナ。
「団子くらいいいじゃないか」
彼は、早く行かないと陽が沈む事に焦っている。割に合わないので、条件をつけた。
「なら、海の近くに新しく出来たコンビニで、何か買ってくれるなら、ついてってもいい」
かくして。親子三人、夕方の海へ繰り出した。
そして案の定、砂団子ファミリーは増えた。くうっ、また玄関に置いておくのか、これ。
かくなる上は、コンビニで素敵なモノを見つけたい。でなくば、我が溜飲は下がらぬぞ?
そこで。
見たことない新種に出会った。
"マリトッツォ"――!!
コンビニ仕様のものと、パン屋仕様のものがある。
うんうん、ここはやっぱりパン屋のだよね?
分厚いクリームが溢れんばかりで、とっても美味しそう。そして食べにくそう。
ダンナに買ってもらい、持ち帰った。
こうして、私の初"マリトッツォ"体験は思いがけず完遂され、背徳感を覚えるクリーム量を堪能したのだった。出会いは、どこにあるかわからない。
すごいよね、これ。
開発した人は、ウチの娘の如くロマンをお菓子に詰め込んだのだろう。
や、でももう、食べなくていいかな?
クリーム多すぎて、少々のオレンジ風味じゃ、緩和されないこってり度だよ。
食後はそう思ったはずなのに、つい食べ比べてみたくて、後日スーパーや菓子パン業者の"マリトッツォ"にも手を出していた。なるほど。これが、ブーム!!
初"マリトッツォ"は海の思い出とともに。
きっと今後、私は海を見るたびに"マリトッツォ"を思うだろう。……ん、それってなんか変じゃない??
イタリア生まれの"マリトッツォ"。
イタリアでは海をなだめるため、海に指輪を投げ入れて、"海と結婚"する儀式があるらしい。そう考えると、イタリア=マリトッツォ=海。関連ないこともないのかな?
その後、夏休み中、何度も海行きを繰り返し、砂団子も何度も入れ替わったのだった。飽きないねぇ……。
お読みいただき、ありがとうございました(^^)/
日記は一応ここまでで、あと少し蛇足部分アップ予定です。今しばらくおつき合いください。
夏休み最終日近辺に急案件が入り、いまスマホ。PCじゃないと思う作業ができないスマホ音痴(;△;)
そんなわけで今回の駆け足写真です~♡
はじまりの砂団子。夏休み前。全てはここから。
以来、団子は引き継がれ、そしてどんどん増えていった……。
お盆以降さすがに行ってませんけど。
最初に食べたマリトッツォ("みてみん"でタグ書き込みいただいてましたが、ごめんね! 私の手作りと言うわけじゃないんだ!)
2度目に食べたマリトッツォ
スペインの哲学者が、「本当においしいものは不道徳なものか甘い食べ物」と言ったそうですが……太りそう。