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女神様の決意 転生者の決意

あるところに女神様がいました

その女神様はとても長い時間をかけてとある世界を創りました

そして女神様はその世界を見守ることがとても大好きでした

いろんな生き物が現れ、自然を育み、発展していくのを見るのが幸せに感じていたのです。

やがて女神様は自分の世界に自分とそっくりの見た目をした種族の人間を作りました

まさに自分の子供たちである人間を見守る女神様でしたが必要以上の介入はしません。

大切な世界だから悲しい事にはなってほしくないけれど自分が手を出しても世界は発展しないからとただただ見守っていました。

悲しい事が起こってしまうのは止められないけれど、それよりたくさんの幸せが世界に訪れますようにと願いながら

しかしある時、世界にとても邪悪な存在が女神様に関係なく現れてしまいました。

このままでは世界が壊れてしまう

女神様は何とかしなければと自らに決めた不介入という制約を破ってまで必死に頑張りました

でもどうにもなりませんでした。

女神様は少しだけ未来を見ることができました。なのでたくさん行動して何度も未来を見てその存在から世界を救う方法を必死に探しました


でも何度やっても女神様には世界が滅ぶ未来しか見えません。

いえ、実は一つだけ世界が救われる方法がありました。でもそれは女神様がとりたくない手段でした

だけどもうどうにもならないから

たくさん悩んで、必死に行動して、何度もやり直して

それでもダメだったから女神様は決めました


世界という大きな物の幸せを守るために

小さな小さな犠牲をだすことにしたのです。

おそらくほとんどの存在は「それ」が犠牲になったことも知らずに、気に留めもしない、

そんな世界を救うという結果に比べれば驚くほどに軽い小さな小さな犠牲です。


そして女神様は覚悟を決めるとその存在を世界に産み落としました。

みんなの幸せのための犠牲になるためだけに生まれた存在です

女神様の願いはただ一つ。自分の愛する世界が幸せであること


だけどこの世界に女神様にもどうすることもできない邪悪な存在が現れたように

女神様の決めたことだからすべてその通りになるなんてことはないのです。


今ここに女神様の見た未来に存在しなかった少女が一人目を覚ます

これはその少女の物語

大きなものを救うための小さな小さな犠牲を許すことができなかった少女の物語…




「あれ…?」

その日、私はパパからお仕事の話を聞いていた

せっかく私の7歳の誕生日なのにお仕事に行くパパが嫌だったから

そしてパパの口から「魔王竜」という言葉を聞いた時

私の頭の中でなにかがはじけた


思い起こされるのは私ではないはずの私の記憶

白い部屋でゲームをしていた私の記憶

そうだ私は…あの時死んだはずなのに



突然だけども私は前世の記憶を思い出した。

私の名前はレーナ、いわゆる孤児であり魔物に襲われていたところを国に仕える騎士であるパパに拾われて今はパパの故郷である近くの村で暮らしていた


そしてパパが久しぶりに帰ってきてくれてうれしかったのに急用ができたからと言われて去っていくパパを引き留めたときに


「魔王竜が復活しかかっているから大変なんだ」


という言葉で私は全てを思い出した。前世を

病気で17歳の時に死んでしまった私、そして理解した

この世界は私が遊んでいた…大好き「だった」ゲームの世界だと


それは王道なRPGゲームだった

女神様の加護を受けた勇者が仲間と手を取り世界を滅ぼす魔王竜と言う存在と戦うというゲーム

それは闘病中の私に夢と勇気をくれた

がんばればそれだけ強くなれる、仲間との冒険、楽しいストーリー

全てが私を魅了した

でも私は最後にそのゲームが大嫌いになってしまった。その結末に納得ができなかったから


勝手な言い分だということは私が一番よくわかっている

それでも私はあんな結末は認めたくなかった


だからそう

私は決めた。

もしこの世界が本当にゲーム通りに進むのなら…あんな結末変えてやると

どうせボーナスステージのような第二の人生だ…それなら私は好きに生きたい


そのために私はこの世界を生きる。今日ここから私の物語が始まるのだ

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