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君がいたから  作者: HRK
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espoir


 黒板消しを投げた日から鏡堂は来なくなった。代わりにピアスマンがくっついてくるように。お願いだからこっち来ないで。付いて来ないで。昼休みに参考書を漁ろうと図書室へ行ったら後ろにいた。本当にストーカーなの?怖いよ。




「なー、勉強楽しい?」



図書室なんだから静かにしろよ。頭沸いてるの?こんな人でも俺より勉強できるんだから世も末だね。どんなチートを使ったら俺が学年最下位になっちゃうのさ。こいつは何位?少なくとも同じクラスだからビリに近いんだろうけど。




「明村〜!!ちょいちょい」



声を潜めてピアスマンを呼んだ陽キャの誰かさん。明村って言うんだ。初めて知った。それにしても、他に友達がいるなら俺なんかと関わらなくてよくない?珍しいもの見たさに近付いてきたのかもしれないけど、そのうちお前にも黒板消し投げちゃうかも。あ、でも真っ白にするより墨汁かけて真っ黒にしてあげようかな。紫の髪、お気に入りみたいだし。




 ヒソヒソ図書室の入り口で話し込んでいる二人は時々俺を見る。頭おかしいやつだからやめとけって忠告でも受けてるの?その通りだから早くどっか行って。




 「だってあれどう考えても鏡堂に非があるだろ。あいつ本当うるせーもん」



目当ての参考書に手を伸ばし、聞こえた明村の言葉に一瞬動きが止まった。今更、なんだよ。俺だけ責められていても俺だけ殴られても助けてくれなかった癖に今更手のひら返しかよ。ふざけんな。もっと早く言えよ。遅いよ馬鹿。




 「けど俺嫌われてるっぽいしあえて何も言わなかった。孤独になりたいんじゃん?」



孤独に、なりたい?違う。俺は孤独になりたいんじゃない。ただ誰にも邪魔されず、勉強したいだけ。どうせ裏切られるから友達は欲しくないけど…そうじゃない。どうして誰も俺を分かってくれないの。どうしてみんな俺を否定するの。どうして俺を傷付けようとするの。

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