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君がいたから  作者: HRK
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side 武藤 恭子



 チャイムにより強制的に解散となったのだけれど何だろう、煮え切らない気持ちが頭の中を渦巻いている。鏡堂を頼ったのが良かったのかどうかは分からないけれど、少なくともあたしやF組の担任が下手に介入するよりも会話が成立していたのかもしれない。ほんの数分だったけれどあたしや村尾、アカリには見せないカオを見たような気がした。


 

 「ねぇ」

 「え、何?怖い」


 帰りのHR前、アカリがトイレに行った隙に村尾に声をかけた。アカリの泣き腫らした顔を見てさすがに空気を読んだみたい。授業の合間に必ず変な口説き文句を垂れていた村尾が一言も喋らず静かだったのだ。


 「鏡堂と丹羽ってどんな?」

 「どんなって?」

 「なんの接点もなさそうなのに、アカリと丹羽よりも、鏡堂と丹羽の方が心の距離っていうか…なんか」


 あたしの下手くそな日本語で伝わるだろうか。何とも言えない変な違和感っていうか。どちらかと言えばアカリや村尾には笑顔で接していることが多いけど、その笑顔って本当に笑ってるのかなって思う部分があった。

 傍から見れば今にも喧嘩が始まるような雰囲気で会話する丹羽と鏡堂は不仲なんだよねって一歩距離を置きがち。それがなんか、そうはならなかった。


 「幼馴染だからじゃん?」


 藤ノ木とその二人が幼馴染らしいということはアカリの話で知ってはいるんだけど…。


 「ふーん」

 「あれ、なんか違った?」


 アカリが戻ってきちゃったから強引に話を終わらせてしまった。村尾だから別にいっか。


 「アカリ、今日はどうする?」


 一緒にカフェでも、と思ったけれど顔を見て提案するのはやめた。


 「空と話してから帰るからまた今度放課後デートしよー!」


 なんだか吹っ切れた様子。昼休みからの短時間で何があった?メイク直しまでしちゃって。


 「了解。放課後デート楽しみにしてるね」


 可愛い親友が元気になったならなんだっていいや。帰って次のテストに向けて勉強しよ。




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