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君がいたから  作者: HRK
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side 夏木 あかり


 中間テスト前最後の土日に私からお泊り勉強会を誘った。彼氏ができたことをパパとママに話したらすぐに会わせろってしつこくて、どうせなら勉強してお泊りしちゃえば楽しいよねってことで。


 今のままでもかっこいいんだけど、髪色を暗くしてほしくて強引に親戚がやっている美容院へ連れて行った。親戚割でタダだから高校生には嬉しいね。


 

 「きゃー!かっこいい!!イケメン!!こっち向いて!!笑って!」


 他にお客さんがいないのをいいことにたくさん写真を撮って大騒ぎしまくった。金色のブリーチキンキンな髪色から落ち着いたブラウン。めっちゃくちゃ似合ってる!


 「さ!いこ!」


 二人で家に帰るのが不思議で仕方ない。学校で話すことは何度もあったけど外で話すのって初めてじゃない…?急に緊張してきた。



 「アカリ?」

 「んぇ!?」


 ドキドキしてボーっとしちゃってたみたい。電車に揺られて時々体がぶつかる距離感で顔を覗かれている。近い近い近い。


 「人多くなるから奥行こう」

 

 心臓の鼓動をごまかすように移動した。


 「鏡堂って教えるの上手?」

 「うん。分かりやすいよ」

 「私もうまく教えられるかなぁ。直前なのにちゃんと教えられなかったらごめんねひゃぁ!!!」

 

 太ももに何か当たった気がしてつい大きな声を出してしまった。恥ずかし…。


 「ごめんなさい、、、」

 「大丈夫?こっちくる?」


 周りを確認して女の人が多いほうに誘導してくれようとしているけど気のせい、気のせい。前回の痴漢で過敏になってるだけだよね。


 「ううん。平気。ごめんね」

 



 …そうは言ったものの。

 

 「そ、空は苦手な科目ある…?」


 気のせいじゃなかった。隣に空がいるのに、触られてる。次の駅で降りるし、と我慢して普通に話そうとした。


 「………全部。こっち来て」

 「へっ!?」


 けど私のたどたどしい話し方で気付いてしまったのかもしれない。


 結構な力で引っ張られた腕が少し痛い。…怒ってる?


 どんな顔をしているのか怖くてドキドキする胸を抑えながら見上げて息が詰まった。…めっちゃ怖い顔で一点を見てる。

 駅に着きやっと苦痛な電車から解放される、と胸を撫で下ろすとまた引っ張られた。


 「っ空!?」

 「座ってて」


 ホームのベンチに座らされて追いかける隙もなく出口への人ごみに消えてしまった。


 


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