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君がいたから  作者: HRK
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side 鏡堂 広太


 「ここの公式…。どうかした」


 抑揚のない声で空に問いかける優。今日もお決まりのサイゼ会。なんとなく空の元気がないような気がしていたけどいつも別に元気じゃないから気にしていなかったのに。


 「喧嘩したんだってージュロロロロ」

 「喧嘩?誰と?」

 「F組のチャラ男」


 喧嘩ってなに、殴り合いでもしたんか。


 「夏木ちゃんと付き合ってること言ってなくてキレられたらしいよ。ジュロロロロ」

 「それでなんでキレんの?」


 『ジュースおかわりしてこよ』と消えた村尾に代わって本人に聞く。


 「知らん」


 訳分からん。


 「まーあれじゃん?チャラ男が見かけによらず友情に固執するタイプの人で、なんでも話してほしかったパターン。野菜ジュースうまっ!要は空にとって一番になりたかったんよ多分」


 友達に一番も二番もないだろうよ。俺は友達少ないからそういうのがイマイチ分からない。多ければいいってもんじゃないことは知っているけどこういうことがあるからなのか。ふーん。


 「それか、夏木ちゃん狙いだったとか。まぁ空と付き合ってなくても俺と付き合う運命だから全然脈なしだけどね……ひっ!?こわっ」


 ギロッと睨む空の顔は確かに怖い。俺も睨まれたことあるけどすげぇ怖いと思う。目で殺してくる。機嫌が悪い時にふざけたことを言うもんじゃないなと思う。


 「ま、まぁさ!とにかく話さないことには解決しないよ!空も仲良くしたい相手だから落ち込んでるんじゃん?」

 「…まあ」

 「こういうのはすぐ行動した方がいいからね!明日にでも時間作って話しなよ!」


 たまにはまともなことを言う。俺や優だったら縁切れよくらいしかかける言葉がないから助かる。

友達との喧嘩で悩んだことがかつてあっただろうか…。


 「はぁ。今日は帰ろうかな。集中できない」

 「空、」


 二年になってから気になっていた家の問題を聞こうとしてやめた。村尾がいる空間に慣れすぎたみたいだ。怪我はしていないし眠れているみたいだから大丈夫なんだろうが。


 「なに」

 「いやいい」


 空の親が急に大人しくなったからせめて理由があるなら聞きたい。俺が教師の前で虐待のことを言ったくらいでやめるんだろうか。今までずっとやってきて日常化していたものをこうもあっさりと。空が反抗しているとも考えにくい。こんなに大人しいからな、こいつ。


 


 サイゼ勉強会の主役がいなくなり俺たちも解散しようかと片付け始めたとき、村尾が口を開いた。



 「な、空ってどんな人?」


 なぜか真剣な眼差しでそんなことを聞く。何回も勉強会に参加してるんだから大体分かってきただろ。


 「どんなって?あの通り静かだけど?」

 

 村尾がいてもいなくても変わらない。元々無口な奴だ。


 「性格は?いい?悪い?」


 性格までは俺も知りえていない部分があるから何とも言えないけど。けど悪くはないだろ。多分。


 「それ聞いてどうするの」


 今まで黙っていた優の目が鋭い。空に負けず劣らず怖いぞ。


 「実のところさ、夏木ちゃんも気にしてて。これはマジなんだけど俺に性格いいか聞いてきたんだよね。話したことあるの?って。おかしくない?知らずに付き合えるものなのかなって。俺も夏木ちゃんは可愛いと思うし素直に羨ましいと思うけど」


 なるほど。

 

 「裏があるんじゃないかってこと」

 「裏っていうか。うん。そうだね。夏木ちゃんの性格が悪いとかじゃなくて…。逆に空が遊びで付き合ってたとして傷付く夏木ちゃんを見るのも嫌だし、その逆も嫌だなと思って」


 「空に関しては面倒なことを嫌うから何も裏はないと思うぞ。相手は知らん」

 「そっか。変なこと聞いてごめん。忘れて!」



 忘れてと言われて忘れられるほど都合よくはないが。


 ま、ぶっちゃけ興味がない。

 

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