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君がいたから  作者: HRK
30/152

side 鏡堂 広太

 


 「そう。それで…」

 「やっと分かった。ありがと」


 新学期始まって数週間、図書室で参考資料を探していた時に衝撃的な光景が。



 「優!!?何!?え!?」

 「声でかい。帰って」


 空にマンツーマンで勉強を教えている優がいた。



 「おま、…えぇ!?抜け駆け?うざ。俺も仲良くしたい」

 「今度ね」

 「は!?」



 いつの間にか仲良くなってるじゃん。なんなんだよ。二人でこそこそしやがって。うっざ。



 「荒んでるねぇ。さては、恋?」

 「なんでまたいんだよ」



 村尾に付き纏われてうざい。俺も空と勉強したい。仲良くしたい。よし、決めた。喧嘩売りに行こ。








 「気持ち悪い」




 仲良くしよって言いに行ったらバッサリ言われた。辛い。


 何日も、何回も、勉強しようとか優と三人で昼食べよとか誘ったけど全部断られた。



 …頑固すぎね?




 「今も実家に住んでるらしいよ」

 

 帰り道、優が俺に空の情報を流しまくっている。こいつ信用しちゃだめだぞ。友達のナイーブな内容まで全部垂れ流してやがる。



 「随分丸くなってた。ありがとう言えるしいい子」

 「いや、子どもかよ」

 「お前ありがとう言わないだろ」

 「お前も人のこと言えないだろ」


 「今度三人でサイゼ行こうって誘っといた」

 「え」

 「たまには相手してあげないと暴言吐いてくるから仕方なく来てくれるって」


 こいつらうざい。





 「来るかな」

 「来るでしょ」



 サイゼ勉強会当日無駄にソワソワしてしまう。



 「来た」

 


 学校以外で会うのってなんか緊張する…。俺らしくもない。相手が空だからだよな、これ。



 「ごめん寝坊した」

 「気にしないで」


 なにこれ全然人違うじゃん。絶賛オフモード。学校だともう少し表情明るくない?つーかこんなに背高くなってたの?うわぁ、別人。



 「なに」

 

 ついつい見過ぎだ。不快感丸出しで睨まれた。辛い。


 「家は大丈夫だった」

 「ん」

 「何時に帰る」

 「20」

 「了解」


 何この二人の飾らない関係的な。もしかして俺を省いて何回かこういうのやってる?


 「知ってるかもしれないけどこいつは広太」

 「うん知ってる」

 「口も性格も悪いから気を付けて」

 「ん」


 いや、おい。


 「どこまで終わってる?」

 

 俺の気持ち無視するの辞めてくれる?


 「これはこのページの公式が…」

 「こう?」

 「うん。これを応用して」

 「ほーん」


 空は俺にはめちゃくちゃ口調荒いけど、優と話してる時はこんなに普通に話せるんだな。びっくり。



 「トイレ行ってくる」

 

 空が席を外したタイミングで優がため息を吐いた。



 「大人しすぎる。こっちが気遣うからいつも通りやって」

 「いつも通りやったらあっちがキレんだろ」

 「多分キレない」

 「何度喧嘩になったことか」

 「お前が喧嘩売るからだろ」

 「まぁ…」

 

 「話してると分かるけど、結構大人しいタイプだよ。好んで喧嘩する人じゃない。お前と違って」

 「さっきから一言多い。俺だって喧嘩したくてしてるんじゃない。あいつ怖いじゃん。強気で行かないとさ」

 「今は怖くないよ。なんか話しかけてみなよ」



 何話すんだよ。

 


 また無言で二人のやり取りを見つめる時間が続いた。ついに約束の20時が近付き、まじでなんにも話さないで終わろうとしていた。

 テーブルの下で優に蹴られるまでは。



 「軽音」

 「……」


 咄嗟に出た単語。空は俺の次の言葉を待っている。



 「やってんの?」

 「やってる」

 「楽器は?」

 「決まってない」

 「そう」



 ザ・コミュ障。勉強会終了。




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