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君がいたから  作者: HRK
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side 鏡堂 広太



 期末試験中、空が倒れたのはすぐに知った。前から体調が悪かったのも知っていた。でもあいつ人の言うこと聞かないからほったらかしにしてみた。

 そしたらたまたま優が村尾に勉強教えるからって最終下校時間ギリギリまで残っててさ。帰ろうかーって廊下を歩いている時に保健室に来いって呼び出されて。


 行ったら空の親と妹が来て、久しぶりに近くで見たけどどう見ても普通じゃない。妹は親に依存してんのか、中学生なのにベッタリ。親の方は目が据わってどこ見てんのか分からない感じ。


 さすがにどうかなと思ったけど虐待のことを言わないと怖いなって保健の先生に言ったのに、あいつ帰りやがった。どっからどう見ても全然普通じゃないのになんで易々と帰すんだ、って先生と喧嘩した。


 『本人が言うんだから』じゃねーんだよタコ。馬鹿かよハゲ。ボケ!クソ。




 帰ってすぐ、親に相談した。空の父親とは昔交流があったからうちの両親も名前は知っている。



 「な、どう思う?教師ってみんなあんなんなの?馬鹿なの?」



 「まぁまぁ。落ち着きなさいな。虐待と言っても空くんも高校生だろ?反抗できるんじゃないのかい?」



 …たしかに喧嘩強そうな見た目してるけど。



 「少し気にかけて見てあげなさい。先生の前で言ったんだから少しは収まるかもしれないしね」



 うんーー…。腑に落ちないけれど何かできることがあるのかと言われたら思い浮かばないし。所詮は他人。黙って見ているしかないのかもしれない。









 空はあれからずっと不登校。生きているのかさえ分からない。このままじゃ退学だぞ。


 後期中間試験も来なかったから、全部で四回ある定期試験のうち三回も飛ばしていることになる。最後だけ来たところで何の足しにもならないが、最後だけでも受けてくれれば情状酌量的な処置をしてくれるかもしれない。ていうかそうしろ。


 空が来ていなくても学校はスケジュール通りテストや英語コンクールやらで忙しなく過ぎていく。

 優の英語力が評価されて難関校同士での英語力発表会みたいなやつに抜擢されたり、文化祭の出し物決めとか、誰も空のことなんて気に留めず時間だけが流れていった。




 冬休みに入り、来年のクラス分けテストについてや進路についてを相談しにわざわざ学校へ通う生徒も少なくない。

 俺は、何かしていないと落ち着かなくて、優を誘って誰もいない寒い教室で朝から晩まで勉強した。




 「…寒い」

 「上着貸そうか」

 


 上着に上着を重ねてモコモコになった優。こいつとはこんなに話せるのに。どうして空とはあんなに溝が深くなったんだろう。そりゃあ俺の関わり方が問題だったのも分かるけど。



 「何考えてる」

 「んー。空のこと」


 「心配だね」

 「生きてるか?あいつ」


 「さすがに」

 「だよな」



 退学するかなぁ。

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