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君がいたから  作者: HRK
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side 丹羽 大空



 二度と帰らないと決めた家。嫌な思い出が凝縮された空間。あの男はいない。いないのに、今日も手を挙げられなかった。



 「お前が全部壊した!!!」

 「お前がいたからあたしは孤独になった!」

 「あたしの人生を返せゴミ!!!」



 キンキン響く耳障りな声。血管切れるんじゃないかってくらい張り上げて馬鹿じゃねぇの。



 「殺してやる!!殺してやる!!!」



 自分から包丁振り回しておいて。



 「あたしを殺人犯にしたいのか!!」



 俺の腕にちょっと掠ったら掴みかかってきて。…狂ってやがる。



 なんでこんなにおかしくなったんだ。俺のせいなのか?俺が何かしたのか?



 「あんたが腐ったキャベツを食べさせるようなサイコパスだから!!!」

 「あたしまであんたとおんなじ精神異常者だって言われんのよ!!!ふざけんな!!」

 「死ね!!誰よりも苦しんで死ね!!」



 仮にも実の親にここまで死を望まれたら足元に落ちている包丁で動脈でも切ろうかって思うんだけど。…こんな時でも動けないから。


 ドスドスと胸を叩かれるのを黙って耐えていることしかできなかった。



 「あたしがサキを守るの。この狂った精神異常者から、あたしが守るの!!」



 母の攻撃は物理的な痛みより、心理的な痛みが強い。人格否定は当たり前。まるで本当に俺が悪魔的存在か何かで、妹に危害を加えているかのように洗脳されそうになる。頭の中で妹が泣き叫ぶ光景が浮かぶんだ。俺が表情一つ変えずに殴っている姿が見えてしまうんだ。


 そんな俺を必死に引き剥がすのがこの狂った母っていうシナリオまで勝手に作られてしまう。



 頭がおかしくなりそうだ。いや、、もう、手遅れだよな。






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