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君がいたから  作者: HRK
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side 鏡堂 広太



 月日は流れ、期末試験が行われる九月になった。

空の不良化は止まる事を知らず、日に日にピアスの数が増えていき色白だった肌はわざわざ、日サロで焼いているらしい。タトゥーとか入れ出したらどうしよう。


 週毎、月毎に行われる数々のテストの調子が良いみたいで教師たちの機嫌がいい。空は特に有名人だから何か行動しただけで話が回ってくる。

 この前なんか、よそ見して歩いていた女子生徒が空と正面衝突したけど「怒られなかった、いい匂いした」とはしゃいでいた。避けろよ馬鹿。


 あんなに運動神経悪かったのに今では明村たちチャラ男軍団と仲良く楽しく50m走の競走とかしてやがる。楽しそうで羨ましい。


 いつか村尾と伊藤が話していた、イケメン説がもしかしたら本当なのかもしれない。下のクラスの女子達が度々、「彼女いるかな」、「待受にしたい」と騒いでいる。イケメンの基準が分からないから判断のしようがない。



 諦めたわけではないけれど、前程喧嘩を売りに行くことはなくなった。ただお近付きになりたかった新学期と、不良への転向を認めたくなくてキツい言葉ばかりかけていたあの頃。今更関わり方が分からなくなった。

 なんだかんだ様子が気になって、噂話に聞き耳立てたり、空の話題が出たら話に割り込んだりして、自分でも何がしたいのかよく分からん。


 ただあいつのことをちゃんと知りたいってのはある。俺以外の人と喧嘩しているのを見たことがないし女子達が言う「優しい」が本当なら、向き合って謝らないといけないって思うから。




 空への悶々とした気持ちが晴れないまま、何日か過ぎたある日のこと。



 外で連んでいた桜高の頭と言われている櫻田ってやつが少年院にいると聞いた。

 なんでも、あいつが授業についていけるようになったのはその櫻田って人のおかげらしく、クソヤンキーの癖に家庭教師のようなことをしてもらっていたんだそう。

 そんな奴が少年院だなんて、他の桜高の奴らの素行も気になってしまう。空が酒臭いとかタバコ臭いとかはよくあること。学校には来ているからそこまでの非行はしてないんじゃないかと甘く見ていた。


 注意して見ておかなければと気を配っていたのだが、最近になって様子がおかしい。

 空こそ万引きや詐欺に加担していなかったからよかったものの、空と連んでいた桜高の奴らが次々と捕まった。

 空が非行少年となったきっかけの奴らだ。元々悪い奴だったに違いない。


 溜まり場になっていた部屋の主だけが残り、後は全員何ヶ月も出て来られない。空の元気がなくなっているのは一目瞭然だ。そんな不良なんかに肩入れするなよ。捕まったってことは誰かに迷惑かけたんだろ。一緒にいるだけで大損だ。やってることが中学生のヤンキーみたいでかっこ悪い。


 また喧嘩になるだけで逆効果だと分かるから何も言わないけど。そのうちあいつまで捕まるんじゃないか。それこそ濡れ衣被ったりで。


 

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