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君がいたから  作者: HRK
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side 鏡堂 広太

 県内上位のこの学校では他人(ヒト)の成績を気にする生徒が多い。自分より下の人間が多ければ多い程、自分の存在意義を実感できるから。小さい頃から勉強を続けていないと入れないような難関校。俺のSクラスなんかは地頭がよく賢い人が多いのだけど、下のAクラスやBクラス、レベルが下がっていくにつれて人間の醜い部分が凝縮されている。だから成績が悪い人の話がすごい勢いで回ってくる。

 ちょうど今、同じクラスの誰かと誰かが最下位クラスの空や、その(ほか)グレはじめている生徒の話をしている。


 「あんな人らでもさ、入れたってことはそこそこ勉強できるわけじゃん?ならもっと楽しまなきゃ損じゃない?」

 「お前はもっと勉強したほうがいいと思うけど」

 「え?なんで?」

 「この前の小テスト、追いつけてなかっただろ」

 「やーだ、言うなよ!俺ってば割とギリギリでSクラスにいるんだよねー」

 「知ってる。どこが分かんないの?」

 「わ、マジ!?教えてくれんの?さーんきゅ!」


 Sクラスはこんな感じで仲間意識が高いから何も問題じゃない。中間のクラスが陰湿でどうも好かん。上だけ見ていればいいものを、下を見て安心しやがる生き物だから誰かの失敗談やテストの結果をすぐに拡散し、貶す。まだ六月にもなっていないのに空は何度も話に上がっている。俺に黒板消しを投げたことも原因の一つだけど。


 「鏡堂!」

 「え?」


 うーん、と腕を組み人間観察していたら呼ばれた。ごめん、見すぎた?


 「ここの公式ってさ」


 名前すら知らないクラスメイトが俺に数学を教えてください、と。ふーん。別にいいよ?俺頭いいし?学年二位だし?ふふん。


 「あざっす!で、ごめんけど村尾にも教えてやってくんない?俺じゃうまく説明できん」

 「いいけど。村尾って誰?」

 「ひどい!!何回か話したことあるよね!?」


 さっきまで観察していた、ギリギリ野郎は村尾というらしい。自己紹介の時間程無駄なものはないと思って教科書を眺めていたから名前を言われても分からない。俺の興味と言えば学年主席の優を抜かすことと空と一緒に汗を流すことのみ。そういえば何部にしようか全然決めてないな。

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