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落とせ!難攻不落の姫路城!!95

「死ね」


阿修羅が鎧武者の首をはね飛ばそうとした時、ライナスが、クマ太郎が、ぴょん太が、シバフが、銀次が、タカシが鎧武者を護ろうと阿修羅の前に立つ。


「何をしておる!どけお前達!ワシはこのくらいでは死にはせん」


「ハハハッさすがに強がりが過ぎますぞ鎧武者様。尊敬する鎧武者様を生かして死ぬ・・・まあ生かすのは無理かもしれませんが、こここそが百獣の王ライナスの死に場所です」


ライナスが剣を阿修羅に向ける。


「いっ一撃くらいなら耐えられるかもしれんなあ。阿修羅はん、手加減あんじょうたのんまっせ」


クマ太郎が通販で買った楯を構える。


「俺の最後の相手があの阿修羅とはな。どんなタイトルマッチよりも痺れるぜ!」


ぴょん太のシャドーがキレッキレだ。


「サヤカには打たれてもたけどなあ、見た感じ野球なんかしてこんかったアンタにワイ渾身のナックルが打てるか!」


銀次がボールを投げるふりをする。


「僕、タカシだよ。お前なんかに絶対負けないんだから!」


タカシが元気良く羽ばたく。


「俺には何もないと言うのに、お前は多くのものを持っているんだな!」


「よせ阿修羅!」


「俺に敵対した時点でコイツ等の命運は尽きている。お前はそこで見ていろ」


阿修羅はライナス達を狩ろうと動き出す。


「クッ待て」


鎧武者が必死に身体を動かそうとするが、ダメージが酷く起き上がることも出来ない。


「阿修羅よ!頼む待ってくれ!」


鎧武者が叫んだその時、


ヴィンヴィンヴィーーーーーン


崩壊した廊下の先からバイクが飛び立つ。


「サオリーーーーーーーーーーーーーーーン!!」


アダムはそのまま阿修羅に突っ込む。


「阿修羅!お前なんかに俺の、俺達のサオリンを絶対に渡さん!!」


アダムはバイクを阿修羅にぶつけようと蹴る。

阿修羅はバイクを真っ二つにすると、その後ろに隠れていたアダムが現れる。


「フンッ小細工ですらないわ」


返す刀で真っ二つにしてくれよう、そう思った時、阿修羅の動きが一瞬止まる。阿修羅の頭の中で声が響く。


『絶対アダムを傷付けさせない!』


「なんだこれは!この俺が!ハッ」


直後、祓魔ふつまの剣を持つアダムに阿修羅は袈裟斬りにされる。


「グウォォォォォォォォォォォォォォーーーーーー」


阿修羅が断末魔の声を上げる


アダムはゴロゴロと転がり、ペタンと地面に尻をついた状態で止まった。限界まで力を使ったためもう一歩たりとも動けない。


「まったく、サオリンも無茶いうぜ・・・」



『アダム、お願いがあるの』


『なんだ?』


『私を斬って欲しいの』


『はっ!?お前何言ってんだ』


『私が阿修羅の剣を限界まで使えば、さっきみたいに我を失うわ。もし私が不必要に命を奪うまで支配されたなら、アダムには阿修羅様のオーラを祓魔の剣で斬って欲しいの』


『斬るって言ったってお前どうすればいいんだよ!』


『簡単よ。ただ願えばいいの、ただ阿修羅様のオーラを斬る事だけを全身全霊で想うの』


『お前それがどんなに難しい事なのか分かってんのか!もし心を乱せばサオリンを斬っちまうってことだろ?』


『ハハハッ難しく考えすぎだよ。私にも出来たんだよ。アダムなら簡単だよ。それにアダムにしか出来ない。頼んだよ』



アダムの背後でヨロヨロと後退しながら、阿修羅のオーラが消失していく沙織の気配がする。


沙織は尻餅をつき、アダムと背中を合わせになる。


「さすがアダム。アダムはいつも私を助けに来てくれる♪」


「ヘヘッ当たり前じゃねえか」


二人ははにかみながら笑い合う。背中からお互いがお互いを思いやる気持ちが伝わる。


「それで身体は変わりねえか?」


「うん、お陰様で元気だよ」


「そうか」


二人はそれだけ言葉を交わすと極度の疲労のため黙り込む。


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