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落とせ!難攻不落の姫路城!!80

「凄いのはお前だよ沙織。お前今この剣の能力の何%を解放したか知ってるか?30%だぞ?それでも自我を維持できるなんて驚いたぞ。隆文でさえ限界は15%だったって言うのに。クックックそりゃあんな事を言う訳だ」


「お父さんがどうかしたんですか?」


「いや、なんでもない。しかし、お前の限界は30%だ。これを越えるな」


「でも・・・・」


「これでも敵わないのか?相手は神か。ふむ、じゃあ今は余裕を持って30%としているがさらに限界まで引き出してみるか」


「いいんですか!」


「特別だぞ。自我が飛んでも俺とマハルが必ず引き戻してやるからやってみろ」


「任せて下さい沙織さん。阿修羅様が暴れるのを抑えるのは全くやる気が出ませんでしたが、沙織さんを引き戻すのは、私がまるで童話の王子様になったようでワクワクしますよ。沙織姫、マハルが必ずあなたを連れ戻しますのでご安心を」


「もっもうマハルさんったら・・・宜しくお願いします。でも・・・待って欲しいんです」


「何をだ沙織?マハルの臭いセリフが気持ち悪いって言うなら俺がハッキリ言ってやるぞ。おいマハル、お前に沙織は勿体ないし、気持ち悪いから諦めろ!」


「なんだとテメエ!居候の分際で気持ち悪いってどう言うつもりだ。沙織さんが準備出来るまでお前を牢に閉じ込めてやろうか?」


「おっ言ってくれんじゃん。おれ阿修羅よ?お前忘れてるかも知れないけどおれ阿修羅よ?神々に殴り込みした世界的に有名なヤベエ神だよ」


「ああすっかり忘れてましたよ。遙か遠い昔から我が血族の心の一部に住みついておきながら、光熱費や食費も払わず、挙句の果てには人間関係にも土足で踏み込む遠慮も礼儀も知らない飲んだくれのヤバイ神でしたねえ。もう少し自重するってことを学んだ方がいいんじゃないですかニート君」


阿修羅とマハルはバチバチと火花を飛ばす。


「ちょっちょっと止めて下さい。違うんです。外にアダムがいるんです。あっコーギーの精霊なんですけど」


「アダムが?・・・そうですか、ちゃんと言った事を守っているんですね」


「お前知ってんのか?どれ、ちょっと見てみるか」


阿修羅は目を閉じ感覚を研ぎ澄ます。


「いた。沙織から100メートル程離れた所にいる。強いな」


阿修羅は探り始めてから5秒程で位置だけでなく、アダムの強さも見抜いた。


「はい、強いです。何でもありでやったなら多分私は負けます」


「よく分かってるな。そうだ、自分を過信するな。お前は強いが優しすぎるからな。消すべきところで消す判断が出来ない。それに熱くなり過ぎるところがある。隆文に似てな。隆文も・・・」


阿修羅の周囲のオーラがどす黒く変化し周囲に広がっていく。それと共に沙織は息苦しくなる。


「阿修羅様!おやめ下さい」


マハルが阿修羅に触れると、そこを中心にしてオーラが収束し、色も戻っていく。


「ハァーッハァーッハァーッすまないマハル。隆文の事となるとな・・・」


「隆文様の事はこのマハルも同じ気持ちです。いつでも私を頼って下さい」


沙織は二人が何やかんや言いながらも信頼しあっているのが分かって嬉しかった。

父の事で二人が怒ってくれて嬉しかった。


「すまない沙織。これから大変なのに心を乱してしまったか」


「いえ、ありがとうございます。今なら何でも出来そうな気がします」


沙織は二人に笑顔で応える。


「そうか。それでアダムだが・・・」


「あっ、そうですね。アダムは私が暴走した時のために準備してくれているんです。さっきの30%では多分今度の敵には勝てない。もっと解放しないと」


「沙織さん、それは意味がないのでは?アダムが強いのは私も認めます。しかし阿修羅の剣の力をさらに解放した沙織さんに勝てると思えません。沙織さんの弱点である優しさをつこうにも阿修羅の剣の使用者は激しい怒りにより、それを埋めてしまいます。なによりアダムがあなた相手に本気で攻撃出来ると思いません」


「ふむ。マハルの言う通りだ。さっき言った通り限界を超えて狂戦士状態に入った者が正気に戻るには敵を滅しなければならない。この場合はアダムだ。それはマズイだろ」


「なんとかして意識を取り戻します」


「なんとかって沙織・・・」


「ハハハッいいですよ沙織さん大丈夫です」


沙織の発言に困惑している阿修羅の横でマハルが笑って答える。


「やってみましょう。正直言ってこの剣を使って暴走しなかった人はいませんよ。だから沙織さんが暴走しても大丈夫ですよ。私が封印を強化して阿修羅様をササッと押さえ込みますから」


「ありがとうございますマハルさん」


「まあマハルが良いっていうならやってみるか」


「ありがとうございます阿修羅様」


沙織は早速、前回と同じように阿修羅の剣にオーラを流し込む。その最中に阿修羅はマハルに耳打ちする。


「おいマハル、あんな嘘を言って良かったのか?今まで阿修羅の剣を使って暴走した奴は俺の怒りの5%程だぞ。忘れてないよな?阿修羅の剣の開放率が高ければ高いほど俺は怒りを抑えられなくなるってことを。隆文の場合は15%も解放したが、嫁さんがスサノオの力を使って隆文の身体が壊れる前に正気に戻したおかげでお前にそこまでの負担はなかった。だが沙織の場合は隆文の倍以上でしかも逃げ場がない。俺も出来るだけ頑張るが、お前の負担は半端ないぞ。耐えられるのか?30%以上なんだぞ?」


「フンッ男が好きな女の前で格好つけなくてどうするんですか」


沙織の変化を見つめながら阿修羅に答えたマハルの横顔が、赤くなっていくのが分かる。


「!?おまえ本気だったのか!ハハハハハハハハハハハハ―」


「ちょっそんなに笑わないで下さいよ!」


マハルは顔をさらに赤くしながら抗議する。


「分かった分かった。それじゃあ俺も頑張らなきゃな。ニート君って言われて俺も肩身が狭いから少しは働かなきゃな。それにマハル、俺はお前を気に入ってるんだ。良い奴だし、それにお前以上に美味い酒を作る奴に会ったことがねえからよ。それじゃあやるか」


「はい阿修羅様」


今日はこれで終わります。すいません。

明日には最後まで載せることが出来ると思います。

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