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落とせ!難攻不落の姫路城!!75

時は少し前に戻る。


対鎧武者対策会議中、

「―という波状攻撃を仕掛けるッス。どうッスか?」


サヤカが姫路城という地形を利用した作戦を提案した。


「うむ。私はそれで文句はない」


「アポロもOKでしゅよ~」


白百合、アポロの二人はサヤカの作戦に賛成するが・・・


「どうだサオリン、サヤカーンの作戦は?」


「悪くない。いえ、さすがサヤカちゃん。これなら勝てるかも。でも・・・」


「そうだな。対精霊ではこれで十分勝てるだろうな。でも・・・だな」


姫路城奪還チームのエース二人がこれでは鎧武者には勝てないと薄々と感じていた。


「沙織さん、アダム、これじゃ駄目ッスか?なんでッスか?」


「サヤカーン勘違いすんな。お前は良くやってるよ。この作戦も俺達の特性や姫路城の地形を利用していて文句のつけようがねえ。ガイに通用するだろうよ。でも相手は神なんだ。それも戦闘に特化したな。この攻撃を何らかの方法で耐えきることも十分に考えられる」


「でもこれ以上強力な攻撃は・・・」


「サヤカーン、軍師のおまえには悪いが、少し俺に時間をくれ」


「えっ!?はい、分かったッス・・・」


「すまねえなサヤカーン。それじゃ仕切らせて貰うぜ。サオリン、コレを試す時が来たんじゃねえか?」


「そっそれは!アダム持って来たの!?」


沙織はアダムが金庫に保管しているはずの剣の柄、『阿修羅の剣』を持って来ていたことに驚く。


「姫路城の歴史を検討してたら嫌な予感がしたからよ。持って来たんだ。こいつの力ならどんな神であろうと攻撃が通るだろうぜ。なんせ大神にも喧嘩売る阿修羅が宿った剣だからな。パパリンが残してくれたノートに、こいつを使うには剣に自身のオーラを注いで阿修羅と対話し、契約をする必要があると書いていたな。サオリン、ちょっと話だけでも聞いてみようぜ」


「でも・・・」


「サオリン。『でも』をこれ以上増やすな。単純な話が複雑になっちまう。試すならGO!試さないなら撤退だ。アイツは殺さないなんて言ってるがそんな事信じるのは馬鹿だ。でもここで俺達がやらないと犠牲が増えるのも確実。サオリン、決断の時だ」


「・・・分かったわ。話を聞いてみましょ。この阿修羅の剣が私を所有者と認めて力を貸してくれるならGO、認めて貰えないなら撤退する。それでいいアダム?」


「了解だサオリン。そうと決まれば時間がねえ。急ぐぞ。浅見っち、暴れても大丈夫な広い場所はねえか?」


「暴れても大丈夫な広い場所ですか・・・ああ!ありますよ。とっておきの場所が!今年市営の遊園地が閉園しましてね。来週解体予定なんですよ。そこならどれだけ暴れ回っても大丈夫です。すぐに市長に許可を貰いますね」


浅見はスマホで市長に連絡をとると、即OKが出た。


「すまねえなキヨタン。悪いようにはしねえからよ」


「清本さんありがとうございます」


「そんなとんでもない。こちらこそ宜しくお願いします」


二人は清本に礼を言って通話を切る。


「それじゃあ俺達は阿修羅と対話しに遊園地に行ってくる」


「サヤカも―」


「駄目だ。そもそも俺が何で最初から阿修羅の剣の話をしなかったと思う?一つは出来れば使いたくないからだ。サオリンが暴走したらたまったもんじゃねえからな。二つ目は、サヤカーン、お前の作戦立案能力を試したんだよ。立派だったぜサヤカーン。これなら一時所長の権限をお前に譲っても大丈夫だ」


「サヤカが所長ッスか!」


「馬鹿野郎!代理だよ、所長代理。お前ならこの不確定要素満載の阿修羅の剣を組み込んだ作戦もアリタンと協力すれば作れるはずだ。東九条家に、自衛隊に、アーサー探偵事務所にサヤカありというところを見せつけてやれ」


「頼んだよサヤカちゃん」


「了解ッス!」


二人は会議室を後にする。


「さて、ここからはまた軍師でありアーサー探偵事務所所長であるサヤカが仕切らせて貰うッス。申し訳無いッスが一から作戦を練り直すッス。アポロは夜に備えて眠ることを許可するッスけど、アリタンは作戦が出来るまで休めると思わないで欲しいッス」


「代理だろうが馬鹿が。こちらこそ望む所だ。沙織さんとアダムさんが命懸けで阿修羅と対話するというのに休んでいられるか。東九条家代表としてお前の作戦の穴をビシビシ指摘してやろう」


「クックック、アリタンのそいういう所好きッスよ。じゃあ、始めるッスよ。まずこの姫路城は―」


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