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落とせ!難攻不落の姫路城!!41

「みんなありがとうッス。あっ!?忘れてたッス紹介するッスよ。何度も伝えてるッスけど、喪ヤカが出てくるのは嫌だってわがまま言うからアリタン以外会うのは初めてッスね。サヤカの分身 喪ヤカッス」


サヤカは喪ヤカの肩に腕を回して紹介する。


「やめろサヤカ!紹介なんてしなくて良い。おいアダム!すぐにお前の首をとってやるからな。その後はお前だ沙織!」


喪ヤカはサヤカの腕を強引に振りほどき、バットを二人に向けてメンチをきる。


「この馬鹿が!」


白百合の拳骨が喪ヤカに落ちる。


「イッテェェェェェ何すんだババア!」


「バッババアだと!?ほっほう・・・未だかつて私にそんな挑発をしてきた者はいなかったぞ。ヤバイ、こんな気持ちは初めてだ。手加減できる気がしない」


喪ヤカとサヤカは、『あっこれはマジのやつだ』と肌で感じ恐怖に震える。


「ハッハハハッ・・・じゃっじゃあサヤカ、俺はそろそろ帰るわ!またな」


「ちょっちょっと喪ヤカ待て!待たんかーーーーーーーい!!!!」


喪ヤカはフッと消え、サヤカはひとり白百合の前に取り残される。


「アッアリタン・・・ババア発言はサヤカが言った訳じゃ・・・」


「あっ?喪ヤカはお前の分身なんだろ?」


「そっそうッスけど・・・あんまりだ~~~!!!」


「鉄拳制裁!」


大量のオーラが込められた拳が、目にも止まらぬ速さでサヤカに迫る。


しかし、パンチはサヤカに当たる直前に止まった。


「・・・といきたいところだが、今は任務中だ。命拾いしたな。帰ったら覚えていろサヤカ!」


「ハーーーーーーーーーッ助かったッス~~」


サヤカはヘナヘナと腰を下ろした。


「ハハハハハハッ初めて会ったが喪ヤカって奴は面白い奴だな。いつでも相手になってやるって言っといてくれ」


「ホントね。今度喪ヤカちゃんも一緒にお茶しましょ」


「沙織さん、アダム、今度喪ヤカが出てきたら捕まえるのを協力して下さいッス。アイツにはもう一回アーサー探偵団四十八の殺人奥義を喰らわさなきゃいけないッス」


「ちょっサヤカちゃん!私それ認めてないからね。西九女王様とかメチャクチャ恥ずかしかったんだからね!それにさっきフライボール革命とか言ってなかった?増えてるんじゃない?」


「サオリン、アポロの壁紙剥がしも殺人奥義の一つでしゅよ!」


カワイイお手々を見せながらアポロが格好つける。


「もう~アポロまで~~」


「ハハハッもう諦めろよサオリン。ドンドン増えていってるからよ」


「ドンドンって!みんな帰ったらじっくり話を聞くからね!」



沙織達がゴチャゴチャ話をしている間・・・


「大丈夫か銀次?・・・それをやめよ」


「いえっこのままで。鎧武者様申し訳ありませんでした」


銀次は降参した事を土下座して詫びる。


「土下座など必要無い。面を上げよ銀次。何度も言わせるな」


「へっへい!」


銀次は恐る恐る顔を上げる。目の前には満面の笑顔の鎧武者がいた。


「銀次よ、お主は本当に良くやってくれたぞ。魔王サヤカの分身、喪ヤカを引きずりだしたんじゃからのホッホッホッ」


「喪、喪ヤカですか?それがそんなに大事なんでしょうか?」


「フフフッ」

鎧武者は妖しく笑い、何も言わずに沙織達のもとに歩いて行く。


「さて、見事な勝利じゃったサヤカ。あのような勝ち方初めて見たぞホッホッホッ」


「フッフッフッ魔王サヤカに不可能はないッス」


「ホッホッホッ元気がいいのう。それでは次の階層に行こうかの?そうじゃサヤカよ、治療はいいのか?」


「あっそうッス!アリタン、サヤカにも霊水をかけて欲しいッス!」


「あぁ?馬鹿かお前。霊水はオーラ攻撃の効果を打ち消したり、霊や精霊にはその存在を維持するエネルギーになるが、太腿の傷はオーラ攻撃によるものではないから意味が無い。肋骨も同様だ。怪我の程度も銀次さんが手加減してくれたからどれも軽傷だ。それにお前が勝ったことで我々の二勝。次は相手も死に物狂いで勝ちに来る。それもさらに強い将軍達がな。ここから上の階層での戦いは熾烈を極めるのだ。それなのにそんなかすり傷でよく治療してくれと言えたもんだ」


白百合は胸の前で腕を組み、サヤカを睨む。


「あっ・・・すみませんッス」


「白百合言い方!言い方大事にしよう!お前の言い分は間違ってない。上層階は俺も歯が立たない奴もいるだろうからな。それでも沙織さん、アダムさん、アポロさんは負けることはあり得ないが、お前は確実にボッコボコにされる。だから自分用に霊水を取っておきたい気持ちは―」


ウィングの顔面にパンチが突き刺さる。


「お前は言い分も言い方も間違ってるぞ。誰が自分可愛さに弟子に霊水を惜しむか馬鹿者が!節約と言え節約と!」


また二人はギャーギャーと騒ぐ。


「まあサヤカーン、痛むかもしれねえが我慢しろ。ウィングの言う通り、サオリン、アポロ、俺は大丈夫と思うが、アリタンは正直厳しいかもしれねえ。お前の師匠のために我慢してくれ」


「もちろんッス」


サヤカはアダムに力強く頷く。


「アリタン!アリタンがボコボコにされて負けても、サヤカが勝ったから大丈夫ッスよ。だからヒドい怪我を負う前に降参して下さいッス。サヤカが優しく霊水を塗り込んであげるッスから」


喧嘩している二人に聞こえるように大声でいうサヤカ。


「あぁ?言い分も言い方も間違えてる奴がここにもいたか!」


白百合はサヤカに拳骨をお見舞いする。


「痛い!何するッスかアリタン。サヤカは怪我人ッスよ」


「やかましい!そもそもお前が―」


沙織とアダムは溜息をつく。


「おいガイ、あいつ等ほっといていいから三階層いくぞ」


「うっうむ、なんか悪かったの。ワシが治療など言いださなければ・・・」


「ううん。敵なのに心配してくれてありがとう。私達が三階層に行けばあの三人も慌てて登ってくると思うから先に行きましょ」


ガイと沙織達は三階層に消えて行く。


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