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落とせ!難攻不落の姫路城!!32

「ホッホッホッワシをブチのめしてくれるか!楽しみじゃ、本当に楽しみじゃホッホッホッホッホッホッホッホッホッ。それではここ、大天守での戦いのルールを説明する。まず合戦の名前じゃが姫路城テリトリー争奪階層合戦そうだつかいそうがっせんと名付ける。姫路城は地階まで含めると7階建てじゃ。ここには6人おるの。各階に将軍が待ち構えておる。一人一回戦って大天守を登って来て貰おう。そうじゃのう・・・本来なら全勝してもらおうと言いたいところじゃが、サヤカは負けてもかまわんか。他の五人が勝てば、その者も納得せざるをえんじゃろうからな」


「五勝か。まあそうだろうな。サヤカーンはまだ精霊と戦うレベルに達してねえからな」


「ガイ!サヤカの負けを折り込み済みなんて良い度胸ッス!お前等のテリトリーを全部サヤカ達が奪ってやるッスよ。お前とは7階層でやり合うッスね。お前を倒す作戦はもう出来てるッス!首を洗って待ってるッス」


「ホッホッホッ頼もしい奴等よ。サヤカの言う通り7階層まで進むことが出来ればワシとお主達との勝負じゃ。ただ首を洗って待ってる訳にはいかん。ワシは審判も兼ねておるからの」


「おいおい敵の大将が審判なんてあり得ねえだろ」


「アダムよ、これはお主等にとって有利な話じゃ。特にお主と沙織が本気で暴れたら周囲の者はどうなる?うん?巻き込まれて死ぬかもしれんじゃろ?それをワシが防いでやる。じゃから安心して全力を出すが良い。さらにワシは将軍達にこう伝えておる。一つ、対戦相手を殺すな。二つ、相手が降参したら終わり、三つ、ワシが止めても終わりとな。まあ言いつけを守らん奴などおらんと思うが、ワシがおればより確実じゃろ?」


「へえ、そんなに将軍達は強いのかよ。でも逆に俺達が将軍達を殺しそうになったらどうするんだ?」


「ホッホッホッその時もワシが止めることになるじゃろうな。他に質問はあるか?」


アダムは皆に振り返って確認する。みんな質問はないようだ。


「大丈夫だ。さあやろうか」


「うむ、ではまず 第一合戦にでる戦士を決めよ」

「誰が出る?」


「ちなみに言っておくと、上階に行くほど強いぞホッホッホッ」


「そうなるとサヤカか。この中では一番弱いからな」


「ぐっ、言いにくい事をハッキリ言うッスねアリタンは」


「それは結論を急ぎすぎだと思うぞ白百合。上階に行くほど強いらしいが、そもそもこの一階でサヤカより数段強い者が出てきたらどうするんだ?」


「チッ、ウィングの言う事に同意するのははらわたが煮えくりかえりそうだが確かにそうだな」


「お前はいちいち俺に突っかからねえと気がすまねえのか!」


「俺もウィングと同意見だ。初戦にサヤカーンを出すのは危険だ。降参する前に再起不能の攻撃を浴びせられたら最悪だからな。それと最終的にガイと戦うんだ。力を温存していく事が重要だ。早い話、俺達五人が勝てば良いんだからサヤカーンに認められる負けは有意義に使うべきだ。上階に行くほど強いならこの一階層は確実に勝利を収めて、上階の精霊に対して降参する―」


「いやッスいやッスサヤカは絶対戦うッスーーーーーー!!」


「サヤカ、お前それ本気で言ってるのか?これは修行ではないんだぞ。私達は命のやり取りをしているんだぞ!まさかとは思うがガイが命はとらんと言ってるから安心してるのか?」


「いや・・・」


「この愚か者が!敵の言う事を鵜呑みにするな。たとえガイが本当にそう思っていたとしても配下の幾人かは命令を無視するのが当たり前と思え。言う事を聞かん奴は本当に聞かんからな。ガイは止めると言うが、首元に爪を突き立てられた後でどうやって止めると言うのだ?殺されて終わりだ。それにサヤカよ、この先行きが分からぬ状況でわがままを言って戦い、ここでリタイアするのか?それが軍師のやることなのか?お前の仕事は戦略を練ることだろうが!」


「・・・ごめんなさいッス」


「まあまあアリタン。サヤカちゃんごめんね。でもサヤカちゃんも納得してる通りアリタンの言う通りだわ。なんでも初戦というのは一番危険。ここは誰かに任せて見極めましょ」


「はいッス」


「じゃあ一番に出る人だけど・・・」


「言い出しっぺの俺が出ますよ沙織さん。ここでも一番槍は任せて下さい。まあ白百合より先に出るのは不満ですがね」


「ほぉーーっウィング、私はお前程度の強さで敵の強さが測ることが出来るか心配でたまらんよ。別にいいぞ?すぐに降参しても。清本殿から頼まれていた一番槍の仕事は終わったことだし、ガイにしてもまさか初戦で敗北して終わりというのは不本意だろうから、私がお前の穴埋めをするということで話をつけてやる。なあに心配しなくてもいい。元指導員のよしみでお前の仇は討ってやるからな」


「白百合、お前とはこの任務が終わり次第ゆっくり話し合う必要がありそうだな」


「ゆっくり?お前は自分がそんなに強いと思っているのかフフッ」


二人はバチバチに言い争う。


「もう二人共止めて下さい。これから戦うんですよ。集中してください!」


「すみません沙織さん」


「失礼しました沙織さん。大丈夫です。身体は怒りで温まりました」


そう言うとウィングは鎧武者の前に立つ。


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