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落とせ!難攻不落の姫路城!!23

「さて、田中よ、大義であった。お主はもうここで休んでおれ。しかし、他の者達はここからが本番じゃ。どれだけ暴れて貰っても結構じゃ。今からワシが本物の姫路城を隠してここにコピーを残すからの」


「コピーだと?そんな事が信じられるか!天下の名城姫路城に損傷があってはお前に勝利しても意味がないのだ。この勝負不公平過ぎる!」


清本が鎧武者に咆える。


「フムフム。もっともな意見じゃ。コピーと言われても信じられるはずがないわな。ではワシの力をとくと見よ」


鎧武者から今までが桁違いのオーラが吹き荒れる。そのオーラは姫路城を軽く覆い尽くす。


「さあ姫路城よ。しばしの間、その姿を隠すがよい。ハァーーーーーーーーーッ」


鎧武者が叫ぶとパッと姫路城が消え、そして今まで姫路城を覆っていたオーラがまるで型をとっていたと言わんばかりのように精密に姫路城の形を為していく。


「貴様!何をしたーーーーー!」


清本が模造刀で鎧武者に斬りかかる。鎧武者はそれを軽く左手で払うと、模造刀はパキンッと甲高い音を立てて折れる。慣れない事をした清本は前のめりに倒れ、そのままゴロゴロと倒れる。しかし清本はすぐに立ち上がり、今度は脇差しで襲い掛かろうとする。しかし白百合が止める。


「落ち着いて下さい清本殿!」


「白百合殿!これが落ち着いていられようか!!!此奴はワシが命に替えても護らなければならない姫路城を妖しい術でどこかへやってしまったのですぞ!」


「清本殿!この術はおそらく76年前に姫路城にかけたものと同じと思われます」


「76年前?それと一体何の関・・・ちょっと待て、まさか姫路大空襲で姫路城が奇跡的に焼け落ちずにすんだのは此奴のおかげだと言うのか白百合殿」


「ほう、知っておったかホッホッホッ」


「今さっき自分の目で見ただろキヨタン。全くとんでもねえ奴だぜ。それで一応確認しとくが姫路城をどんだけ壊しても大丈夫ってのは本当だろうな?キヨタンに偉そうに言ったが、この天下の名城を万が一でも傷付けたくねえんだよ」


「ふむ。では証拠を見せてやろう。フンッ」


鎧武者は右手で刀を抜くと、背後の固く閉ざされた姫路城内への入り口である大門 大手門にむけて刃を振り下ろす。

刀を振った軌跡に沿ってオーラが飛ぶ。それは大手門にぶつかり、強固な門は真っ二つになって崩れ落ちた。鎧武者は刀を鞘にしまうと今度は右のてのひらを大門に向ける。


「大門よ、本来の姿を現せ。ハアーーーッ」


するとさっきまで崩れ落ちていた門がオーラに戻り、そのまま空間を繋ぐ力となる。オーラの輝きが収まるとそこには、崩れ落ちたはずの大門が現れた。


「見たか?これで信じて貰えたかの?おっとあの門はもう攻撃せんでくれよ」


「チッ見るんじゃなかったよ」


「ホッホッホッでは、大門をくぐり広場に来るがよい。本当はあの門も攻略して貰うつもりじゃったが、本物じゃからな。しょうがないわい」


そう言い残すと鎧武者は消えた。それと同時に大門がギギギッと音を立てて独りでに開いていく。


「チッ俺達で完全に遊んでやがる」


「でもそれだけの実力はあるよ。いや有り過ぎる」


「でも田中さんの戦を見て、やっぱりアイツは何か目的があることがハッキリしたッスね。それが何なのか天守閣に着くまでに突き止めないと・・・」


アポロはサヤカが何を悩んでいるのか理解出来ず、サヤカに声を掛けようとする。しかしその時、白百合が後ろからアポロを抱きかかえた。


「さあ侍大将殿!いざ戦場に参りましょう!」


アポロは侍大将と呼ばれて嬉しくなり、サヤカに声を掛けることなど忘れてそのまま白百合の頭に移動し、「進むでしゅ~!」と笑顔で声を上げた。


「アポロったら~ウフフッ」


「そうだな。ゴチャゴチャ考えてもしょうがねえし行くか」


「そうッスね!アポロの言う通りッス」


沙織達は歩き出す。一応、門をくぐるときには何か罠がないかと警戒したが何も起こらなかった。門をくぐり抜け、しばらく歩くと大きな広場、“三の丸広場”が見えてきた。

そこで沙織達全員の足が止まり、絶句する。


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