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落とせ!難攻不落の姫路城!!20

「鎧の事か?なに簡単なことじゃ。ほれっ見てみよ」


鎧武者が堀の中を指さす。

そこには白鳥の精霊がいた。姫路城のお堀には白鳥が住んでいるが昔死んだ白鳥の精霊だろう。


「お主良くやったぞホッホッホッ。そのまま警戒しておいてくれ」


「かしこまりました鎧武者様」


白鳥の精霊は優雅にお辞儀をする。


「アイツが鎧を脱がして、田中を水面まで押し上げたのか」


「そうじゃ。鎧を脱がす事までやってくれるとは仕事の出来る奴じゃ。ああ、鎧は引き揚げさせるから心配するな」


水をしたたり落としながら田中はまた姫子の前に出る。


「おいおいヒドいじゃないか姫子。まだお堀の水は冷たいんだぞ。水浴びはまた夏にしようブッ」


鼻が田中のお腹を強打する。

田中はラグビー選手にタックルでもされたかのように吹っ飛びうずくまる。


「「「「「「「「「田中ーーーーーーー!!」」」」」」」」」


職員達がまた田中のもとに走るが、それを手で制する。


「だっ大丈夫です皆さん。大丈夫ですから。姫子のコミュニケーションですから」

「アホ!コミュニケーションで人が飛んでたまるか!」

「もう寝とけ!こんなん言いたないけど姫子は鎧武者の仲間や。敵なんや」

「大丈夫です。姫子の事は僕が一番分かってますから」


職員が止めるのも聞かず、田中は再び姫子の前に立つ。


「姫子~~!元気一杯だなぁ。嬉しいよ。よく新人の頃はお前に怒られたなあ。お前の死角に立って掃除してたら、いきなり鼻でさっきみたいに吹っ飛ばされたりしたよな。『危ないよ!』って注意してくれたんだよな。姫子が何の理由もなく怒るはずないもんな。今度も理由があるんだよな。ああそうか!みんなも最初姫子のこと分からなかったもんな。まさか姫子もまだ混乱してるのか?僕だよ田中だよ。お前の世話をしていた田―」


今度は田中の脚を鼻で打ち付ける。田中は180度回転し、地面に頭をぶつける。

額からは血がダラダラと流れる。しかしそんな事など気にせず田中は立ち上がり再び姫子に話しかけ続ける。


「イテテテ。こら駄目じゃないか姫子。そうか姫子、お前は外に出たことないもんな。興奮してるんだよな。俺も姫子と一緒に姫路城を散歩したかったんだよ。さあ一緒に―」


かつて無い衝撃が田中を襲う。鼻が顔面にヒットしたのだ。


「「「「「「「「「田中―――――――――――!!!!」」」」」」」」」


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