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落とせ!難攻不落の姫路城!!⑤

姫路駅近くのホテルの会議室


「いやいや、西九条様の姫路城攻めに対するやる気たるや天井知らずですな!」


「もう市長さん!メチャクチャ恥ずかしかったんですからね」


「失礼しました西九条さん、いや大将軍。実はですね、東九条家当主から西九条さんがあまり乗り気じゃないようなので、あなた達の誠意をぶつけてみて下さいと言われたものですから」


『とんでもない誠意をぶつけられて大将軍のクビが味方に討ち取られる寸前でしたけどね』と沙織は心の中で全く反省の色がない市長に嫌味を言う。


「しかしそれは杞憂でしたな。大将軍の姫路城を飲み込もうとするほどの気迫が某にも伝わってきておりますからなハハハハハッ」


もう沙織は怒るのに疲れた。それにこの市長、「今、私の精神状態が乱れてるから近づかないで下さい。具合が悪くなると思いますから」と伝えたのにも関わらず、グイグイと沙織に近づき元気に喋る。やはり市長になるような人は心もタフなのか、沙織の味方さえ傷付けるオーラに触れても具合が悪くなる気配が全くない。


「ハァーッそれでその甲冑は何なんですか?」


「ああこれですか。城攻めをするための正装と言えばやはり甲冑でしょ?姫路では秋に甲冑を着た人間を駒に見立てた人間将棋をやるんですよ。それを借りてきて我等精鋭部隊が大将軍西九条様の前にはせ参じました!」


一同またひざまづく。


「もう止めて下さーい!」


「ハハハハハッ面白い連中じゃねえか。苦しゅうないぞ」


「時代劇でよく見るでしゅよ~。おもてを上げるでしゅ~」


「うむ、敵は姫路城にあり!」


「馬鹿、やめろサヤカ!」


市長達が跪いている前で仁王立ちして明智光秀のような事を言うサヤカに、白百合はゲンコツを落とす。その後、白百合は市長達を立たせる。


「市長、お初にお目に掛かります。私は今回当主からアーサー探偵事務所に同行するように命じられた東九条家総本家遠隔呪術部主任 白百合アリサです。当主からの命令は二つあります。一つはもちろん、この依頼を達成する手助けをすること。もう一つは市長に第六感の適性があればこの眼鏡を渡すようにとの事です」


「当主が私に眼鏡を?」


「はい。ただもちろん普通の眼鏡ではございません。この眼鏡を適性があるものがかけると霊が見えるようになります。しかし、第六感は陰陽師などを生業とする者以外が覚醒しても良いことはありません。なので私がきちんと管理して、市長の第六感が完全覚醒しないようにせよと仰せつかっております」


「それで私に適性はあるのか?」


「はい、ございます」


白百合は眼鏡を市長に渡す。市長は今まで付けていた眼鏡を外し、受け取った眼鏡を掛ける。


「よっ市長さん!俺が見えるかい?」


「アポロも見えてましゅか~~~?」


「なんと!!これは・・・コーギーとトラの霊ですか?いやそんな事より喋っているじゃないか!」


「当たり前だろ?俺達は霊じゃねえ。精霊だ。それも上位精霊だからな」


「政令?霊じゃなく政令ってどういう事だ?姫路は残念ながらギリギリ政令指定都市ではないが?」


「ハハハハハッ市長らしい間違いッスね。まあしょうがないッスね。初めてこの世の者では無いものを見た挙句、その上それが喋るんスもんね。動揺してしょうがないッス。市長、簡単に言うとッスね。霊の上位の存在が精霊なんス。それで精霊の中にもくらいがあるんスよ。二人は精霊の一番上の位である上位精霊ッス。上位精霊ともなると人語も完璧に理解するし、アダムは、コーギーの方ッスけど、普通の人間を軽く上回る知能を持っているッス。まあ要するに今回の依頼を達成するために、市長にとんでもなく強い二人が味方についたってことで良いッス」


「おお!これは頼もしい!ではアダムさんを将軍に任命しますぞ!」


「うむ、この将軍アダムがいる限り落とせぬ城はない。市長、大船に乗った気持ちでいるが良いぞ」


「ハハーッありがたき幸せ!私の事は清本きよもととお呼び下され」


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