ナイトのピッピ 49
「当主に誘われたの。
『香山さん、あなたが開発したシステム、どれもこれも素晴らしい。その力、東九条家で奮ってみませんか?ここは大っぴらに言えませんが、日本を守るために国から援助されています。日本で最高の研究環境が備わっていると言っても過言ではありません。それにここではグッスリ眠ることが出来ますよ。それ以外にも何かあれば、私をはじめ、東九条家の精鋭部隊があなたを守る事を約束しましょう。もちろん無料で!』
ってね」
「カーーーッ、オッちゃんはいっつも良いところを持ってくよな。800万って言ったのもこれを言いたかったからじゃねえのか?オッちゃんこそ引き抜きのプロだぜ。ウチもサヤカーンを半分取られてるみたいなもんだし」
「確かに・・・所属はアーサー探偵事務所ッスが、東九条家に派遣されている感じがするッスね・・・」
「まあまあサヤカちゃん。私はそれでいいと思うよ。サヤカちゃんは近い将来、東九条家でも班長や主任クラスがやる仕事をアリタンとこなしていくでしょうね。それでもし、大家さんから東九条家に来てくれないかと言われたら、その時にどちらかを選べばいいよ」
「そんな!沙織さん、引き留めないッスか!?」
「違うよサヤカちゃん。今は強くなることに全力で、そんな事考えたこともないかもしれないけど、サヤカちゃんは山田さん達を見たでしょ。氷狼や悪霊から青森の街を守っているカッコイイ姿を。サヤカちゃんなら将来そういう事が出来るわ。振り返ってみたら、サヤカちゃんの力を必要とする人達が大勢いることに気づくと思うわ。その後に、西九条家のような生き方をするか、東九条家のような生き方をするかを自分で選択することが大事なの。まあ東九条家に所属してもこの狭い業界、頻繁に顔を合わすことになると思うわよ」
「・・・確かに。でも・・・私は西九条―」
「おっとサヤカーン!簡単に言って貰っちゃあ困るな。こっちの生き方をするには少なくとも死地から一人で生還するくらいの力、まあ山さんくらいの力を持って貰わねえとな。お前が最終的にこっちを選んだ場合、俺達はもう助けねえぜハハハハハッ」
「じょっ上等じゃないッスか!今日、サヤカは新しい結界符 【サヤカスペシャルマークⅡ アダム、天の彼方に】を持って来たッスよ。これにかかれば助けて欲しいって泣くのはアダムのほうッスよ!」
「お前はお洒落なレストランが付けがちな名前をやめろよ!前は【サヤカスペシャルマークⅡ アダム、空の彼方に】だったよな。お前の中で彼方シリーズは流行ってんのかもしんねえが、そんな恥ずかしい名前の符に負けたら、このアダムの黒歴史になんだよ。来い!今日もズタズタのボロボロにしてやんよ!」
香山はもう一つ、大家に言われた事がある。
『―それと西九条さんを、アーサー探偵事務所を助けたいと思っているなら是非来て下さい。あなたにそれを全面的に任せたいと思っています』
「アダムの言う通り当主は引き抜きのプロかもね。それを言われちゃ行くしかないじゃない。こんな素敵な人達を私が助ける事が出来るんだもん♪」
香山は、アダムとアポロがまたサヤカの結界符を簡単に破ってギャーギャーと騒でいるのを沙織が諫めているのを見て心から笑う。肩に留まっているピッピも嬉しそうにピピピピピーッと大きな笑い声を上げた。
長かったです。本当に長かったです。
今の今まで書いていたので、色々おかしいところがあるかも知れません。それは少しずつ見直して修正していきます。
書いていて思ったことは、「俺、書くの遅えな。期限決めたら駄目だな」です。本当は先週までに終わらそうと思っていたんですが、書きたいことが一杯出てきて結局終わりまでの文字数が、当初予定していた倍の二万文字になってしまい・・・まあでもそれで良かったと思っています。
だから・・・続きは早くて一月後とかになります。その前にほったらかしにしている僕が一番最初に書いた話を完成させようかとも考えています。この小説が好きな人は多分好きと思います。
また良かったら読んで見て下さい。続きを待ってくれていた方、遅くなって申し訳ありませんでした。
今日(10月19日)決めました。ほったらかしにしてた話を先に書きます。いつになるか分かりませんが楽しみにしてて下さい。予想文字数は今のところ10万文字です。