ナイトのピッピ 43
「・・・サヤカーンにしか出来ない超超高等術式ってなんだよ・・・。おまえ修行に行って一ヵ月も経ってねえよな?それにネタだと思ってたら本当に東九条家公認の魔王なのかよ」
「そうッスよ。サヤカは魔王なんス。この技の事は黙っててすいませんッス。」
「その事情も聞いたよ。東九条家の機密に当たるくらいのものらしいな。今起こったこと話したら「成功した!」って喜んでたぜ。ああ、それとまたオッちゃんとアリタンの上司とアリタンの三人がそれの説明しに事務所に来るらしい」
所員、ピッピ、香山は、サヤカの身が無事だったことに安堵する。
「しかし・・・なんか・・・お前等の二つ名カッコ良くね?密林の王者に魔王って。サオリンになくて良かったぜ」
「何言ってんスか?沙織さんも二つ名あるッスよ。【ラプター】ッスよ。カッコイイッスよね」
「ちょっとどう言う事!?」
「アリタンが持ってた写真覚えてるッスか?両手に肉を持ってどっちが良いか選んでた写真ッス。あの写真、実はメッチャ有名で動画って何でもないッス」
サヤカは急に話すのをやめ、明らかに挙動不審になる。
「・・・サヤカちゃん、見せて」
沙織がサヤカを凍えるような笑顔で見る。サヤカは小刻みに震える。
「なっ何をッスか?」
「動画を」
「沙織さん!勘弁してくださいッス。サヤカがバラしたってなったら大問題ッス」
「いいから見せて」
サヤカは渋々スマホを操作し、東九条家関係者以外入れないサイトの動画を沙織に見せる。