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ナイトのピッピ 33

一同は、アダムに下がってろと指示されてから、その時間を利用してサヤカが実家で入れた飲み物を飲んで一息つく。道真は緑茶を、アダムはコーヒー、沙織とサヤカは紅茶、アポロはオレンジジュースを美味しそうに飲む。


「ふーーっサヤカ美味しかったぞ。ありがとう。話す前に色々整理する事が出来たわい」


「サヤカーンは俺の好きな味を作ってくれる。ありがとよ」


「本当に美味しいよサヤカちゃん」


「ありがとうッス。でもアポロも手伝ってくれたッスよ。アダムのコーヒーのドリップをしたのはアポロッス」


「本当か!美味しかったぜアポロ!」


「アポロは日々成長してるでしゅよ」


アポロは思いっきり胸を張る。アポロの成長にみんな喜び賞賛する。


「さて、祓魔の剣について話をしよう。まずあの剣はアダム、お主が触っても大丈夫じゃ」


「本当か!今度サオリン貸してくれよな!」


「うっうん良いよ・・・良いのかな?」


「大丈夫じゃ沙織。ただアダムよ、最初はワシの目の前でやれ。お主の銃もそうなんじゃが、出した本人が使うより多量のオーラを使う事になる。サヤカに銃の練習をさせる時はその事に気を付けてやってくれ。まあ命に関わることはないじゃろ。オーラの使いすぎで寝込む事はあるかもしれんがの・・・しかし祓魔の剣は・・・必要とするオーラの量はどれくらい必要かワシにも分からん。弱っている時などは使うな。回復不可能な程オーラを取られてしまうかもしれんからな。早い時期に一度試してみるとしよう」


「道真様、サヤカも良いですか?」


「駄目じゃ」


「何でッスか!」


「本当は気づいておるじゃろ?沙織が精霊化した時のみ出せる武器を、沙織の隣に立てない自分が持てるわけないとな」


サヤカは歯を食いしばって悔しさに耐える。そんなサヤカを見かねて道真は言う。


「サヤカよ。呪具には相性がある。沙織は西九条家の血を色濃く継いでおるから攻撃系の呪具をほぼ全て使う事ができるじゃろう。しかし、防御系となるとそうはいかんじゃろうな。誰もが認める天才 西九条沙織でもそうなのじゃ。お主は少し沙織にこだわり過ぎじゃ。アダムの銃こそ使えるようになれ。アーサー探偵団はお主に何を期待しているか、自分に何が出来るか考えなさい」


「サヤカーン、ミッチーの言う通りだぜ。お前、この前一緒に見た【女スパイはバーに咲く】を見て言ってたじゃねえか。正体がバレた時、スカートの下に隠してた銃で火花散らして生還するのがカッコイイってよ。お前、バーに日本刀背負って入る気か?バーに入る前に酔っ払ってんじゃねえよ。


普通のヤツに剣は見えねえにしても、こういう仕事してんだ。相手も周りも見えるヤツが多いだろうぜ。浮気調査の仕事なんかで目立たないようにしなくちゃいけないのにお前はいきなりバーの視線を独り占めよ。そこに外国人がいてみろ『ニンジャ、ニンジャ』、『クノイーチー』『サムラーイ!』って写真の嵐だ。お前がターゲットの浮気の現場写真を撮らなきゃいけないのに、逆にお前が撮られてどうすんだよ。


でもそれならまだいい。最悪の場合、いきなりドンパチが始まっちまう。そうじゃねえだろ?追い込まれた時に隠し持ってた武器で切り抜けるんだろ?生きて事務所に帰ってくるんだろうが。そもそもサオリンの剣はサオリンが精霊化したときにだけ現れる剣だ。はっきり言って使う場合が限定的すぎる。お前はまず自分の身を守れるようになるんだ」


そう言ってアダムは符を発動する。


「今日は使うなよ」


アダムは創造した銃をサヤカに渡す。


「ありがとうッス。本当に今日は何度もサヤカの心配をしてくれて・・・分かったッス。サヤカはアーサー探偵事務所女スパイ部部長も兼務して頑張るッス」


「だから仮社員がいきなり新しい部署を立ち上げてトップに立つんじゃねえよハハハッ」


「サヤカちゃん、さすがに私もスパイ部はちょっと・・・探偵事務所だからフフフッ」


二人はサヤカがいつもの調子に戻って笑う。


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