ナイトのピッピ 25
アーサー探偵団の全員がアダムの作戦に耳を傾けている間、呪いは突然現れた凄まじいオーラを放つ沙織を警戒していた。しかし、嬉しいことに呪いの核となった人間が殺そうとした人間も現れた。だが攻撃しようにも、その場には厄介な短足犬もいる。
この人間の魂を代償に呪いを発動しようとした時、突然現れた鳥だけなら、数の暴力で仕留めることなど簡単だった。だが、その後バイクに乗って現れたあの犬によって戦況が一変した。鳥を仕留める攻撃を悉く狙い撃ちされて仕留められなかった。
かといって犬をゾンビ鎧武者達で攻撃するとマシンガンで倒され、ゾンビ鳥で攻撃すると今度はショットガンの連発で近寄ることさえ出来なかった。その後は膠着状態がつづいたが、焦って突っ込んできた鳥を仕留める絶好のチャンスを突然現れたトラに邪魔された。
『忌々(いまいま)しい奴等だ。だが今は駄目だ。少なくともあの犬と強大なオーラを放つあの女のどちらかがターゲットから離れなければ・・・この人間の願いを成就出来ず、俺は真にこの身体を乗っ取れない』
アダム達が動く。
呪いの思いが通じたのか犬と巨大なオーラを持つ女が別れた。
夜はさらに深まり、それと比例するように呪いの力が強まる。呪いはその力でもってこの山に眠る全ての怨念を呼び覚ました。