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未来へ ⑱

「そうだねサヤカちゃん。ちょっと遠い所にあるからまた一緒に行こっか」


「サヤカーンにしては中々良い考えじゃねえか」


アダムはサヤカの背中をポンポンと叩く。


「アポロもパパリンとママリンに会いたいでしゅ~」


「う~ん会うのは無理かもね。成仏してるからね。私も良く分からないけど、見守ってくれてるって言ってたからお礼を言いにいこうね」


「それで話は最初に戻るんだがよ。そろそろ写真撮りにくるから早くこの荷物を仕分けようぜ」


「そうだね。じゃあ阿修羅の剣とスサノオナックルは金庫の中、あとは・・・いいんじゃないかな?」


「いや、コレもコレもそしてコレも金庫の中に入れて下さい!!」


「そうなんですか?ありがとうございます白百合さん。私何にも知らなくて。やっぱり尊敬しちゃうなあ~」


「グフッ」


沙織に褒められて、白百合はまたソファでグッタリする。


「だっ大丈夫ですか白百合さん」


「ほっとけよサオリン。じゃあ後は符を入れたりする引き出しに入れておくぞ」


アダムとアポロは手錠を残して全てを引き出しに入れた。その後二人はそれで遊び出した。


「何に使うか分かんねえけど懐かしいよなアポロ~」


「懐かしいでしゅアダム~」


「私にとっても懐かしいですね~。東九条家に入門した当時、よくそれを練習したものですよ」


「アリタンは分かるッスけど、二人は何がそんなに懐かしいんッスか?」


「ああ、サオリンがさ~」


「待ってアダム!もう時効でしょ!昔の事はいいじゃない!」


「じゃあアポロ、沙織さん以外のことで何か教えて下さいッス」


「お漏らしでしゅ!アダムがオシッコを漏らしたでしゅ!!」


「バカ野郎アポロ!お前はよりにもよって一番言っちゃあ駄目な事を、一番知られちゃいけねえ奴の前で言いやがって!」


「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハッアダムがお漏らしアハハハハハ―」


サヤカがアリタンと入れ違いにソファに横になり、腹を抱えて笑う。


「ちょっサヤカーン、そもそもサオリンがエイプリルフールとハロウィンを間違えてゾンビの仮装をしたのが悪いんだよ!ホールケーキも手づかみで食べてよ~」


「ちょっアンタ!何自分が恥をかいたからって私を巻き添えにしてんのよ!わっ私は間違えて無いんだからね!ゾンビの格好をしたのはゾンビウイルスに感染したっていう嘘だったんだから」


「アァァァァァァーーーーーッ汚え、汚えぞサオリン!お前あの時完全に間違えてましたってアポロと俺に散々謝ったじゃねえか!俺は間違ってた!汚え、お前の目は汚え!!」


「ちょっと!さっき綺麗な目って言ったじゃない!この嘘つきコーギー ウソコギ!表へ出なさいよ!これの使い方教えてあげるわよ!」


「上等じゃねえか!お漏らしの怨みに時効はねえって教えてやんよ!」


玄関前の広場で対峙する二人。


「さあアダム、本気で殴って来なさい」


「おう遠慮無く行かせて貰うぜ!紅茶ブリーカーの借りも利子付けて返してやる」


アダムは沙織に向かって走る。そして残り二メートルになった時、ジャンプする。


「ウオォォォォォーーーサオリン!おねんねの時間だぜーーー!!」


サオリンの顔面に右拳を叩き込もうとする。沙織はその右手に左から力を加え、いなすと同時に手錠を掛ける。そしてそのまま流れるような動きで背後に回りながら、アダムの首に鎖を一巻きし、最期にアダムの左足首にもう一方の手錠を掛ける。アダムは着地姿勢をとることが出来ず盛大にこける。


「すごいでしゅサオリン!」


「ありがとうアポロ。この道具は操られてる人とかを拘束する道具なの。本当は首に鎖は巻いちゃ駄目なんだけどね。操られてる人は、考える力を奪われちゃってる事が多いから、引っ張って自分で首を絞めて死んじゃう事があるの。今回はアダムが本気で私の顔を殴りに来たから死んじゃってもいいかなと思ってやっただけなんだからね」


「お前が本気で来いって言ったんじゃねえか!」


「馬鹿!アダムの馬鹿!それでも女の子に本気でグーパンする紳士がどこにいるの!アンタの御主人が天国で泣いてるよ!」



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