未来へ ④
「それでサオリン、パスワードだけどよ、サオリンと俺だけが知っているようにして、サヤカーンには金庫に触らせないようにするつもりだ」
「そうね、それが良いね。いやちょっと待って。絶対サヤカちゃん開けようとすると思うけど、パスワード間違えた場合どうなるの?」
「やっぱりサオリンもそう思うか。俺も何がいいか考えたんだよ。さっきみたいな電気を流すことを考えたんだが、それじゃあ絶縁体かませば意味がねえ。だからあいつがやられて一番嫌なことをすることにしたよクックックッ」
「ちょっなっ何?恐いよアダム」
「サヤカーンがこの封印を解除しようとした場合、アリタンに連絡が行くようにしてる。その時はお仕置きしてやってくれと伝えてある」
「大丈夫なの!?白百合さんは良い人よ。サヤカちゃんのことを真剣に考えてくれてるわ。でも・・・やり過ぎるところあるじゃない?」
「その辺は東九条家のルールにのっとって罰してくれって伝えてある。ちなみに東九条家の最高機密に許可無く触れようとした者は、東九条家が所有する政府公認刑務所島に島流しだ」
「何考えてんのよアンターー!!15歳の女子中学生を島流しって、完全にこっちが悪者じゃない。早く取り消しなさいよ」
沙織はアダムの胸ぐらを両手でつかみ、さっさと電話しろと怒鳴る。
「サッサオリン落ち着けって。流石にそこまではやるなって言ってあるよ。最高で半殺しまでにしてくれって言ってあるよ」
「半殺しって!それでも酷いわよ」
「そうか?命の危険があるから触るなって言ってるものを触るんだぜ?それぐらいが妥当だろ。あいつはハッキリ言って甘えてやがるんだ。何かあっても、サオリンが、俺が、オッちゃんが、アリタンが、挙句の果てにはミッチーが何とかしてくれるってな。サオリンも知ってると思うけど、本当にヤバイ呪物は触れた瞬間即死ってこともあるだろ?これはサヤカーンのためなんだよ」
アダムの言い分に、沙織は渋々ながらも納得し、アダムをゆっくりとおろす。
「うっう~~ん分かった。そうだよね。私も昔、村人が原因不明の病でバタバタと死んでるってのを聞いて行ったら、社で厳重に囲って封印しているものを子供達が解いたらしくて、その子達は・・・」
「それは残念だったなサオリン。まあそういう事だ。その子達のようにさせちゃいけねえ。俺達はこの前、サヤカーンの両親からお願いしますと頭を下げられたばかりだ。それをこんなしょうもない事で怪我をさせたり、ましてや死なしたりしたら切腹もんだぜ」
「本当ね。頑張って片付けましょ。アポロも頑張ろうね」
「了解でしゅ。サヤカーンの机をピカピカにしてお迎えするでしゅよ~」
「ウフフそうだね」