レオとココとの決戦
色々はしょり過ぎだし、展開も早くて分かりにくい文章だと思います。
窓の外でレオとココと思われるフェンリルが凄い形相で睨み付けてくる。
「完全に敵対視されてるわね……」
「まあ、そりゃあ、あいつらから見れば俺達はご主人様の家に勝手に上がりこんだ不審者だからな」
「レオ!ココ!聞いて!私たちはあなた達の主人からこの家を託されただけなの!敵意はないわ!仲良くしましょう!ねっ!」
カリンが二匹に呼びかけるが……
一瞬、自分達の名前に反応しただけで以前唸ってるな。
二匹とも主人の家を荒らしたくないのか知らないが窓を割って突入してくる素振りはない。
が、このままこの家に閉じ籠っていても拉致があかない
「諦めろ。今は無理だ。まずはどうやってこの状況を切り抜けるか考えるぞ!」
「それもそうね」
「というか、その刀に【索敵】機能がついてるんじゃなかったのか?」
「それはこの日記を読んでた時にレオとココを敵だと思ってなかったから【索敵】が反応しなかったんだと思う……」
「なるほど。敵と認識してないと反応しないのか」
「ま、そんなことよりこれでさっさと脱出するわよ」
そう言いってカリンは刀を見せつけながら言ってきた
「刀で戦おうってか?」
「違うわよ!刀に乗って逃げようって話し!」
「刀で飛ぶ?ホウキじゃなくても飛べるのか?」
「あたり前じゃない!バランスが取れればホウキでも刀でも板切れでもなんでもいいの」
「でもカリン、飛んで逃げるったって200mしか飛べないんだろ? キャンピングカーのある砂浜まではだいたい600mはあるのに俺までホウキに乗ったら確実に追い付かれないか?」
「それは私だけの魔力量ならね。だからリオンは魔力消費の多い浮かす係、私は風魔法による推進係って分担すればキャンピングカーまでは余裕で行ける!」
「まてまて!物を浮かすなんて俺はできないぞ!」
「大丈夫よ!魔力で物を浮かす通称【魔浮】は魔力さえあれば子供でもできるから!試しにそこのテーブルを掴みながら魔力を流してみなさい」
「そんなこと、言われたって魔力じたいまだよくわから───できた………」
テーブルがとても軽く持ち上がった。
まるで羽のようだ!
「魔浮は手で触れて魔力を流してる間だけ物を浮かせられるけど生き物は直接浮かせられないから浮かせたホウキや木板などの媒体が必要なの。まぁ、風魔法が使えないと空を自由に飛べないし魔力消費が激しいからあまり使えないけどね」
「へぇ。なるほど。じゃあ、靴に魔浮して蹴り上がれば大ジャンプできそうだな」
「馬鹿ね重心とか考えれば靴みたいなバランスのとりにくい物で飛び上がったら風魔法の使い手でもないかぎり空中でひっくり返るわよ」
「そんなもんか」
「そんなことより二階のバルコニーから飛ぶわよ急いで」
二階のバルコニーにやってきた。
ついでにレオとココも外からジャンプしてやってきた。
レオと思われる一匹が噛みつかんばかりに向かってくる…
が、すんでの所で飛び上がり空へと逃げることに成功した。
「あっぶな~。危機一髪だったな」
「そうね……それよりリオン、そんなに抱きつかないでくれる?セクハラよ」
「し、しょうがないだろ?こんな高い所初めてなんだし、バランスとってるのはカリンなんだからさ!」
刀一本に股がって空を飛ぶ、まさに転落死と隣り合わせ。
安全が保証されたジェットコースターとはわけが違う
「しょうがないわね。うふふふふ」
「なんだ、その不気味な笑い……嘘だろ」
とたん、垂直急降下からの一回転宙返り、旋回、急上昇─
───────
「ふざけてる……死ぬかと思った」
結局、絶叫という絶叫を味わわされてようやくキャンピングカーまで戻ってこれた。
「リオンのおかげでいつもより長く飛んでられたから本当に楽しかった~!しかもリオンの反応も笑えたし!」
「カリンは調子にのり過ぎだ!
もし俺が恐怖のあまり失神でもしてたら二人とも死んでたかもだぞ!」
「まぁ、いいじゃないレオとココから逃げられたんだし」
「そうだった。それで今後どうするつもりなんだ?」
「どうするって、決まってるじゃない。レオとココと仲良くなるの!」
「いや、無茶言うな。あの二匹完全に殺しにかかってきてたぞ!それよりか適当な魔物狩って燃料の魔石集めたら島から出る方が得策だ」
「無茶じゃないわ!作戦があるもん!」
「作戦?」
「前飼い主がやっていたように一度レオとココをボコボコにして私たちが強いと分からせてあげるの!」
「………おい、どこのガキ大将だよ、仲良くする話しはどうなった?」
「もちろん、ボコった後に食料を分け与えて友情を育むの!あっ、もちろん上下関係をはっきりさせるために先に私達が目の前で食べた残りをたべさせる!完璧な作戦!」
確かに飼い犬の上下関係をはっきりさせるためにそういう躾方法は聞いたことがあるが…
「そんなにうまく行くかよ、そこらの犬じゃあるまいし」
「大丈夫よ」
「その自信はどこから来るんだよ。そもそも、カリンがあの二匹に敵うのか?」
「いや、殺さずに二匹を相手にするのはさすがに無理ね。だけどリオンと二人でならいける!」
「だから何で俺?言ってるだろ俺は─」
「大丈夫よ!リオンにはこれから魔纏を習得してもらうから」
「…魔力を纏って攻防力を底上げするやつか。確かに前飼い主もそれをマスターして二匹に勝ったみたいだが、それはそもそもの自力が強かったからだろ。それにそんな簡単に魔纒なんてマスターできるのか?」
「それは、瞬時に必要な箇所に必要な分だけ纏うのは熟練が必要だけど、体全体に纏うだけならリオンなら一週間もあればできるはずよ。それに魔力量によって持続時間や最大出力が左右されるから常人の何十倍もの魔力があるリオンなら前飼い主より強い力を発揮できるはず!」
「そんな簡単に言ってくれるが魔纒なんて──……あっ…できた」
魔浮をした時のように今度は体を力強く纏うイメージをしたら、まるで漫画に出てくるようなオーラや気のようなものが全身をまとわりついた。
「う、嘘…はやすぎでしょ!」
「まぁ、やればなんでもできる天才肌ってやつだったが、異世界の魔力分野でも変わらないみたいだな」
我ながらこういう感覚系の習得の速さには呆れてしまう。
「呆れた。いいわ、それなら明日、レオとココに挑みに行くから今日中に魔纒に慣れときなさい!」
「急だな。……だが、いいぞ!俺もこの魔纒とやらを早く試してみたくなった!」
俺も戦えるんだ、と思うとなんだか自信がわいてくる。
実際に体が力強くなった感覚がある、気張ればもっと力を出せそうだ。
まさにスーパー地球人になった気分だな…
そして俺はその後もカリンの指導のもと魔纒の熟練度をできる限り向上させた。
全身魔纒……最大出力!
よし!この状態でこの木を…せい!
パーン!!ベキベキドシーン!!
「凄い…軽く木を殴っただけで殴った箇所が粉砕してしまった。
どうなってんだよこの世界のパワーバランス」
「普通は魔力量的にそこまでの威力は出せないんだけどね……」
「全身魔纒の時は鉄頭の猪の突進でふき飛ばされても無傷だったし…俺って最強だろ。カリンにだって余裕で勝てそうだ!」
まだ、魔纒状態で走るのは慣れてないから足がもつれて転けてしまうことが多いが、パワーと耐久だけなら最強と言えるんじゃないか?
「調子に乗らないでよね!リオンは冒険者ランクで言うとAランク相当になってしまったのは事実だけどまだ私に勝てるわけないじゃない!」
「えっ、でもカリンってBランクだったよな?」
「バカなの?変に目立って身ばれしたくないからBランクに留めてるだけで実力ならAランク、神様に貰った刀を装備したならSランク相当よ!」
「そんなに凄いやつだったのか?」
「そうよ!剣術は中堅レベルでも三属性魔法剣士、神刀使いをなめないでよね?」
「それでもカリンだけでフェンリルを倒せないのか?」
「フェンリルはSランク相当の魔獣よ。それを二匹相手となると私だけじゃあ無理ね。ま、魔力量のおかげでパワーと耐久だけはSレベル相当になってしまったリオンが居れば別だけど」
「なるほど」
「それより、明日は大事な決戦となるんだから。しっかり食べて早目にねるわよ!ということでリオン晩ご飯!」
「カリンは本当に食いしん坊だな」
「ち、違うわよ!明日に備えて力を蓄えようって─」
「はいはい。じゃあ何か精のつくものを作ってやるよ!」
持ってきた食料も残り少ないし、近いうちになんとかしないとな…
いや、サバイバルに強そうなカリンがいるから大丈夫か!
─翌日
俺たちは準備を整えあの豪邸がある広い庭にキャンピングカーを透明化させて到着した。
二匹とも家の前に座りこんでるな……
いや、立ち上がってこっちを警戒しだした
鋭いな…透明化してるしまだ庭の端に停車させただけで距離もあるはずなのに…
「リオン準備はいい?作戦通り行くわよ!」
「ああ。カリンもな!死ぬなよ!」
「ええ!」
そして俺たちはキャンピングカーから飛びだして二匹と対峙した。
二匹は突如現れた俺たちに警戒している。
「じゃあ俺が二匹の相手をして気をひいておくから準備ができたらカリンも参戦してくれ─」
そして、俺は全身魔纏をしてレオとココに向けて転けないように早足で向かう。
「オッケー!それじゃあ私も─火と風の混合魔法…喰らいなさい!乾燥波!!」
カリンはレオとココに向けて両手をかざし目に見えない局所的な風を送り出す。
その間俺はレオとココの前に立ちはだかった。
瞬間、レオは脅威的な瞬発力で瞬く間に目の前に現れ、大きな前足を俺に勢いよく振り下ろす
すんでのところで反応でき、両手で受け止めるも、衝撃で立っている地面に足が若干沈みこみ地面に亀裂が入る。
もし、魔纏状態じゃなかったら今ので即死だっただろう。
そんな事を考えつつ前足をひねりあげながらを力いっぱい引き寄せ、目の前にきたレオの顔に膝蹴りをみまう。
「ギャィン!!?」
レオもさすがに魔纏で強化した攻撃は効くらしい。怯んでる!
「よっし!このまま───うわっ!」
続けて攻撃を続けようとした瞬間ココがサイドから勢いよく爪をたてた鋭い大振りをした。
攻撃直後の一瞬というこもあり回避が間にあわない!
─ドシーン!!
そのまま50m程先の林まで吹き飛ばされ勢いで木が倒れる。
「くそ~!いてぇ!…けど、無傷だ」
まるでトラックに勢いよく撥ね飛ばされるほどの攻撃でも魔纏のおかげでほぼ無傷だった。
「それより、かなり飛ばされた!早く戻らないと二匹のヘイトがカリンにいってしまう!」
と、すぐさま走りだそうとするも、やはり魔纏状態で走るのに慣れてないせいで転けてしまった。
かと言って、魔纏を解除するとあの素早い二匹の攻撃を一発くらっただけで即死、下半身だけ解除する技術も瞬時の切り替えもまだ未習得……
「あっ!そうだよ!別に走ることにこだわらなくてもいいのか!」
俺はレオとココの方へ全力で跳躍した。
それは常人ならあり得ない魔力量が多い俺だけが可能とする驚異の大ジャンプをおこし、50mをわずか二回の跳躍でたどり着いた。
「よし!再開だ!レオ、ココ勝負だ!」
───────
────
と、勝負を再開したものの、レオとココの連携の取れた攻撃に正直押されぎみだ。
途中から俺が走ることができず直接的な跳躍でしか移動できないと見抜かれたのか、ヒット&ウェイ戦法でこられてなかなか攻撃が当たらない。
俺が一撃入れる間に相手は2,3
擊の攻撃がくる。
さすがに魔纏状態でも噛みつき攻撃とかされたら痛いし、血もでる。
が、時間が立つに連れて二匹の動きも鈍くなってきてる!
「リオン!そろそろ私も参戦するわ!囮役ご苦労!」
カリンが後方から鞘を着けたままの刀構えて駆けよってきた。
「もういいのか?というか、あのまま続けてくれてたら俺だけで勝てたんだが」
「何ひとりで手柄を横取りしようとしてるの!!私も一瞬にボコッとかないと主人だと認められないでしょ!それに、もう魔力も切れたし!」
「それもそうか。悪い。それより、カリンのおかげでかなり動きが鈍くなってるぞ!」
「そりゃそうよ!私の風と火の高等混合魔法《乾燥波》は時間はちょっとかかるけど対象の水分を奪うから、きっと今頃レオとココは脱水症状で目眩や頭痛とかの状態異常で意識が少し朦朧としてるはずよ!」
「えげつない魔法だな」
「だってこうしないと私が勝てるかわからないもの。それと私今、魔力切れで魔纏使えないから、リオンは私の盾となりなさい!」
「魔纏なしでどうやって戦うつもりだ─って、きてるぞ!」
「こうやるのよ!」
カリンは向かってくるココの前足を鞘に閉まった刀で軽くいなして懐に潜りこみ刀の柄を地面に突き立てた。
「伸びろ!」
そうカリンが告げた瞬間、刀は勢いよく天に向けて伸び進みココの腹をも押し上げてココを吹っ飛ばした。
凄い…それが刀のオプション《伸縮》か!
けど、ヤバい!
レオがカリンに襲いかかった。が、
「おらっ!」
すんでのところで俺は大跳躍してからのパンチでレオを退ける
「ナイスリオン!横に飛んで!!───刀よ軽くなれ!」
俺はカリンの指示に直ぐさま横に飛びのく。
そして、瞬間、天高く伸びた刀を重量を無視したかのように持ち上げたカリンはバックステップで距離をおいたレオへむけて振り下ろす。
「─刀よちょっとだけ重くなれ!!」
カリンがそう告げた瞬間振り下ろされる長い刀が加速度的に速く振り下ろされ
─ズシーン!!
「ちっ、避けられたか!刀よ元に戻れ」
レオは振り下ろされる刀を見て直ぐに横に避けていた。
当たらなかったがかなり凄い攻撃だ。
振り下ろされた箇所が少しえぐれている。
「凄すぎるぞカリン!自称Sランク相当の実力って言うだけある!」
「そうでしょ!私凄いの!魔力がなくて動きの鈍くなったフェンリル程度この刀と身のこなしだけで対処できるわ」
「俺も負けてられないな。─それじゃ、そろそろ全力だそうかな」
「えっ、今までのが全力じゃ─」
「全身魔纏、出力最大!!──せいっ!!!」
─ズドーン!!
試しに出力100%で地面を殴ってみたが…これはヤバい。
まるで隕石が落ちたかのように地面が大きくえぐれてしまった。
「嘘…なにこの力…もうSSランク並みじゃない……どういうこと?!」
「今まで出力50%の魔纏だったのを100%にしただけだ」
50%ですらまともに走ることができないんだ。100%だと感覚が違いすぎて歩くことすら力強すぎて制御が難しい。
そんな状態で、二匹に攻撃でもしてみろ?ちょっと力加減間違っただけで殺してしまう。
それに、出力最大だと魔力の消費が多いから持続時間も短い。
だから、今まで使わなかったんだが、
「50%もだいたい体に馴染んできてたし、移動も跳躍すればいいって気づいたからな。100%に挑戦してみようかなと……」
「……あ…ははは…負けたわ。認めるわリオンの方が強かったのね…」
カリンが呆れた風に肩をすかした。
なんか、申し訳なくなる。
気のせいか…レオとココも肩をすかしたように見え……いや?震えてるのか?
耳も反らして、後ろ脚の間に巻き込まれるくらいしっぽを下げているし…
「なあカリン、レオとココが怯えてるように見えるんだが…」
「…そういえばフェンリルって魔力を視認できるって本で読んだことがあるわ!……多分リオンの魔力量を見て怯えてるのよ!」
まじで怯えてるのか……
どうしよう、確かにボコッて格上だと証明してから服従させる計画だったけど…怯える二匹をボコるのは気が引ける。
……ん?あれ?二匹とも俺に背を向けて……あっ、逃げた!
「なにしてるのよリオン!追うわよ!」
「え?…あ、ああ!」
魔纏100%の跳躍行けるかな!
─ビシューン!!
行けたが…まるで音速だ
「ちょっ…速すぎ!」
「遅いぞカリン!先行ってるからなー!」
「調子にのるなー!だれが魔纏を教えてあげたと思ってるのよー!まってー!」
悪いが待っていると本当にレオとココを見失いそうになるから待たない。
というか、物凄いスピードで跳躍移動できるようになったが、こうも木々の間を逃げ回られたら全然追いつけない……
こういう事態も考えて100%でも走れる状態まで慣らしてから挑めばよかったものを…
いや、そもそも魔纏を解除すればいいのか?
俺の魔力量に怯えて逃げてるなら…
………
ちょっと危険だが試して見るか…
魔纏解除!!
「おーい!レオー!ココー!もう大丈夫だぞー!ほらー……逃げるな!」
レオとココ一瞬振り返って俺を見たはずなのに…まだ逃げる
追いかけるしかないのか……跳躍!……あれ?
あっ!魔纏解除してたんだ…魔纏!───て、いない!
「あー…まじで見失なってしまった」
俺は別にまた今度探せばいいとは思うが…
カリンはそうもいかないだろうな…
カリンを置き去りにして先に行ったのに「逃げられました」、なんて言ったら怒りそうだな。
なんとかならないか?
天高く大ジャンプして上空から探すか?
それ以外に俺ができることって…
あっ、俺の魔力を周りに広げて索敵とか探知とかってできるかな?そんな漫画を読んだことがあったし。
まあいい!物は試しだ。
えーと、レオとココのことだから空は飛べないだろうから、俺を中心に地平上に薄く魔力をソナーのように広げるイメージ!
……いける!
近くの魔力を持っている角兎やスライム、鉄頭猪とかの魔物の気配が朧気だが感じ取れるぞ!
よし!この調子で範囲を拡大するぞ!
半径50m……100m…150…200…250…300…400…450……いた!
あの強力な二匹の気配はレオとココに間違いない!
二匹がいる位置って確か……
うまく周り込めば追い詰められるぞ!行こう!
跳躍!跳躍!跳躍!…!…
─────
よし!成功だ!
うまく二匹を断崖絶壁の岬まで追い込んだぞ!
これで逃げ場はない!
日記にはレオもココも泳げないみたいなことが書いてあったし海に飛び込むこともないだろう!
「ははは!これで終わりだ!大人しく俺達と仲良くなれ!」
なんか、悪者みたいだな俺
「「ガルル!」」
「最後まで抵抗するのか─」
──ザパーン!!
うわ!凄い波しぶき!岬全体が波を被ったぞ!……ん?
あれ?レオとココは?
「……まさか…嘘だろ!」
すぐさま今さっきまでレオとココがいた岬の先端にかけより海を覗きこむ。
ヤバい!やっぱり海に落ちてる!というか溺れかけてる!
「待ってろ!今助ける!」
─ザブーン!
うわっ!冷て!
バシャバシャッバシャ!
「暴れるなって!」
バシャバシャ──……
「ゲホッ…ゲホッ…あー、溺れるかと思った」
レオとココを抱え上げて砂浜まで泳ぐのは結構しんどかった。
が、まぁ、レオとココはぐったりしてるものの無事みたいでよかった。
魔纏さまさまだ。
…と、言いたいところだが、かなりのピンチだ。
今ので魔力が底をついた……魔纏が使えない
もし、今レオとココが襲ってきたら俺はなすすべなく殺されるだろう
「カリン…助けてくれ…」
ヤバい…レオとココが立ち上がってこっちに向かってくる
……終わった。砂浜に疲れて座りこむ俺の目の前まで来た。
第二の人生もここでおしまいか…
………………………
……………
あれ?仰向けになった…
「これって…服従のポーズだったよな?…もしかして俺を主人と認めてくれたのか?」
ちょっと怖いがとりあえずお腹を撫でてみよう
─あっ、しっぽふった。
「レオ、ココこれからよろしくな。仲良くしよう」
「「バウッ」」
そうして俺はこの無人島でデカイ二匹の友達ができたのだった。
後でカリンも紹介するとしようか。
仲良くなれるかな?
────"
という不安もあったが、普通に仲良くなったな。
昨日の敵は今日の友ってやつだな。