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武闘派宗教



山賊は30名。1人あたり1000ゴールドの賞金。

全滅さえすれば3万ゴールドだ。

人の命が10万円相当なのは安いのか高いのか。

生け捕りは面倒なので即決裁判で死刑せよ、との事らしい。



「そういう領主命令ってどうなの!?」

「え? 普通でしょ?」「ミネア司祭の言う通り、この地方では普通ですよ?」

「普通なの・・・」



首領は生首を。残りの手下は片耳を削いで持って行けば良いらしい。

あとで領主が簡単な現地検分をして賞金を払うそうだ。



「さあ張り切って行きましょうか!

 あ! 私の毒弓や毒槍は先日の戦いで使い切ったから今回は皆にお願いね!」

「そう。司祭に残ってるのはゴミしかないのね」

「きー!!」

「毒なら手持ちで調合しましょうか?」

「えー!? そんな客人にそこまでしてもらうのってヤバない?

 ねえ、シスターサーシャ? あなたが頑張って戦いますよね?」

「オーセンエンデさん、お願いします。この人をゴミから救いあげてください」

「うけたまわりました」

「!?」


毒を調合した。

トリカブトと巨大クモから取った毒だ。

どちらも小屋の近くで採取できたのでストックが潤沢にある。



こうなると断念したのかミネア司祭も予備武器を持ってきて準備を整えてきた。

強さは正直わからないが、一人でティラノ討伐に赴く程度には強いのだろう。




山賊30名を女3人で相手か・・・。

不安がなくはない。

とくにエロMOD入ってる世界では。



眼鏡デコのミネア司祭は円盾と槍を装備。

シスターサーシャは弓と小ぶりの剣。

2人して武闘派だ。



「回復の奇跡を頼りに殴るのが一番神の威厳を示せるわ。

 とくに山賊なんて強さが一番の説教よ」

「ミネア司祭も良いことを言いますね」

「わたし、あなた達の宗派とは永遠にわかりあえないと思う・・・」

「初めは皆そうですよ? すぐに暴力の偉大さに慣れる。

 これは歴代の勇者が示した聖なる教えそのものです」

「そのものです」



シスターサーシャはまともと思いきや

なんかミネア司祭が2人になった気がする。



「オーセンエンデさんは武器を持たないんですか?」

「あ、私は魔法使いだから」

「へえ。じゃあ私達の後ろについてってくださいね。

 ミネア司祭を先頭にして援護しましょう」

「サーシャ。オーセンエンデさんは例の恐竜をソロで倒す腕前よ。

 あまり舐めた態度取ると死ぬわよ」

「うわ。す、すみません!

 レベル1のカスだと思ってましたぁ――!!!!」

「正直すぎる意見、ありがとう。

 でもまあ、レベル1のカスなのは本当よ」

「またまた。強い人ほど謙遜しちゃいますからね?

 ミネア司祭も見習ってください、この方の謙虚さを」

「はぁ!? わたしほど謙虚な人いないと思いますけど!」

「ソウデスネー」「きー!!」



司祭とシスターはがっつり四つ手を組んで力比べしはじめた。


・・・ゲームと違って人間って愉快なんだなあ。



明け方の朝焼けに紛れて襲撃をすることになった。

武闘派宗教である。

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