『冬の雷は嵐の予感』
州都メルゼでドラゴンバスターのミーティア司祭とシスターのパレードが行われた。
なんと珍しく王様まで来てるというから凄い栄誉だ。
「いっぱいご褒美貰えるわ!!」
「たんまり貰う時は貰うのです!」
「「yhhhaaaaaa!!!」」
うん。命を賭けて戦ってきたものね。
「それじゃ行ってらっしゃい」
白踊り子は高級宿の2Fでくつろぎ優雅にカフェを嗜んでいた。
どーん!!!!
冬の空に突然ひびく雷鳴と悲鳴。
「んー。これはどっかに落ちたねぇ」
(冬雷は雹の前触れですから窓の鎧戸を下ろしましょう)
しゅぱ!
窓を閉めようとした時に体に煙の糸がまとわりついた。
後ろの扉、そして眼下の通り。
ぐるっと下から回ってきたらしい。
「ん? 煙?」
(誰か『遥道』を私達に使いましたね?)
すごい勢いで通りを走ってくるのが二人。
「誰が使ったか何か判っちゃった・・・」
(・・・)
ばーん!!
扉が開いた。
「こ、殺される・・・! やばい、殺される・・・!
これはきっと鬼ノルマのアレよ・・・!」
「ミネアは何でも神様のせいにするでねえずら」
王様に謁見しに行ったはずの二人があわあわしてる。
「助けて! オーセンエンデさん!
ミネアが王様に雷をぶちあてちゃったの!!」
「どゆことなの!!!??」
――冬の雷は嵐の予感であった。




