3話 俺たちの普通の休日①
3話です
今日は偶然みんなが休みということで、どっかに遊びに行くこととなった。まあ6人家族でどこ行くかってのがまとまるわけがないわな。
「山にハイキングに行こうぜ~。」
「川辺でバーベキューがいいなー。」
「釣りどう?」
「う~ん、隣町にできたケーキ屋さん行ってみたい。」
「姉様に賛成です!!」
「僕は釣りがいいかも。」
こんな具合にきれいに意見が分かれた。うん、きれいにな。決して俺たち夫婦の意見がないがしろにされてるなんてことはない...はず。
まあそんなわけで川辺でバーベキューしながら川釣りして帰りにケーキ屋によることになった。いきなり決まったにしてはハードじゃね?って思った人もいるかもしれないが全然軽いほうだ。ひどいときは、今から富士山に登ろう!とか言い出して、マジで登頂するってことがあった。あれは二度と富士山には行きたくないってレベルのトラウマを俺に植え付ける出来事だったな...思考が脱線したな。全員準備が整ったみたいだし行くかね~。
~車内~
車内では誰がDJをやるかでもめていた。まあつまりは誰が自分の好きな音楽をかけるかっていう下らないことで俺たち家族は言い争っていた。本気でアホらしいよな。
「パンクロックで騒ぎまくってこそのドライブだろが!運転手の俺が言うんだから従え!」
「何言ってるんですかあなた?ドライブはバラードを流しながら行くのが普通ですよ?」
嫁!それはたぶん普通じゃないぞ!
「母さん、それたぶん普通じゃない!」
あ、愚息が代弁してくれたわ。よくやった!って思った瞬間に
「洋メタル一択だろ!全力でかっ飛ばしてこそのドライブだよ!」
え?こいつ本当に学校で品行方正とか言われてるの?って思ったのは俺だけではあるまい。
「兄貴は頭いいのにバカよね。そんなの流してぶっ飛ばしたら捕まるわよ。」
鼻で笑いながら言う次女。なかなか常識的な発言パパ嬉しい。
「デスメタルにしたらいいじゃない。」
前言撤回。この兄弟駄目だわ。何がいいのかわからない。なんでいいと思ったんだ?
「姉さん、なんでデスメタルならいいと思ったのさ?」
あきれながら言う俺の息子2号。頼むぞ月輝。お前がパパの希望だ!
「確かにデスメタルは疾走感あふれる曲も多いわ。でも、スローでぬれるようなギターの音を奏でるデスメタルもあるのよ!それを交互に流したら飽きないし、何よりクールじゃない!」
「姉さん、それはデスメタルじゃなくて洋メタルでも同じことが言えるんじゃないのかな?」
月輝がそれを言った瞬間夕陽は雷に打たれたような顔をした。え?言ってて気づいてなかったの?嘘でしょ...この前全国模試をオール満点で終えて、全国でもダントツトップだったよね?なんでこんなにアホの子なの?
「姉さんがあまりにもアホすぎるよ...」
あの次男が、月輝が動揺している?近所のコンビニに強盗が入ってきて銃を突きつけられてる店員を見た時にも全然動じず強盗を沈めて見せたこいつが?珍しいものが見られたな...
「あなた、何遠い目をしているんですか?」
「いや、なんでもねえ。」
うちの家族の奇抜さに改めて驚いてた、なんて言えない。
「んで?月輝と真昼は何が聞きたいんだ?」
「私と月兄さまは決まっていますわ!私たちの心はいつも一つですもの!ね?月兄さま?」
「そうだね。せーの、で言おうか。」
「わかりました。せーの!」
「クラシックですわ!」
「ボーカルロボット。」
「「ん?」」
「真昼?君は今ボーカルロボットと言ったよね?」
「月兄さまこそ、クラシックと言いましたわよね?」
こいつら全く息が合ってねえじゃねえか。にらみ合ってるしよ。
結局言い争ってるうちに一曲も流せずに目的地に着いた。途中からどんな曲が好きか、今の注目のバンドは?とかいう話になってたな。まあいつものことだから慣れちまったよ。そんなわけで、バーベキューの準備するかね。
車の移動だけで1話使ってしまった。楽しそうな家族だな~。