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転生龍達の人間界生活!  作者: 淋淵水零
プロローグ
6/11

4.名付け

ドウシテコウナッタ。

蛇は名前ない、と答えたので、私が蛇の名前決めようとしたら、ここにいる全員の名前を付けよう! とういう方向へなぜか話が進み、誰が誰の名前を決めるかで話しています。前世の名前はどうしたよ。親が泣くぞ。そういえば、私死んでから家族泣いたかなぁ…。どうだろう。


「女子と女子、男子は男子で決めた方がいいんじゃない?」

「えっ」


いや、そんなことないだろ。何でそう思うの。

ふわふわのお兄さんの言葉に、僅かに顔を青くする朱色のお姉さん。何だ、私とは嫌か? …嫌だよな、年下にこれから使っていく名前つけられるとか。うん、わかるわかる。


「…水色ちゃん、どんな名前がいい?」

「えっ…いや別に、何でも…」


私には、私の名前あるんだけど。いいか。前世とか気にしてたらこの先やってけない。

ていうかいいのか。年下に名前つけられるの。


「お姉さんは?」

「お姉さっ…!!何でもいいよー」


なんか嬉しそうだな。嫌じゃないの?


「うーんと…」

「んー…」


朱色のお姉さんを見る。朱色の長い髪を高く結い上げて、綺麗な紅色の瞳…。

うーん。ネットあったらなぁ…。漢字とかの意味、調べられるんだけどなぁ…。

麗って、綺麗とかの意味なかったけ? きれいのれいって、麗って字だった気がするし。

麗何とかって、この龍にぴったりじゃない? あとは、赤とかを連想する漢字…。

うーんと…。華とかどうだろう? 麗華。結構良いんじゃないの? これ!


麗華(れいか)…」

「ん?」

「えーと、麗華…とかいいかなぁ、って。麗しい華って感じで…。嫌だったら、考え直します」


年上だからね、敬語使わないと。


「麗華、か。すっごく良い! ありがとう! 私は麗華!!」


朱色のお姉さん…いや、麗華さんはそう言ってくれた。その後に、「敬語、使わなくていいよ」と言った。いいのか? 中学生以上になると、年上には敬語使わなくっちゃいけないんじゃ?…お言葉に甘えさせてもらおう。

何より、気に入ってもらえて良かった…!! 本当にね、不安だったわ。

よし、蛇の名前は…。どうしよっかな〜。なんか私に関係あるものがいいな。


「水色ちゃん、水色ちゃん! 美空(みそら)ってどうかな?」

「美空…?」

「うん! 美しい空って意味! 気に入ってくれるかな?」


美空かぁ…。


「うん…!」


良い!! それに、麗華さんが考えてくれたんだもんね!!


「そっかぁ、良かった!」

「…えっと、あ、ありがと…」

「え?」

「な、何でもない!!!」


お礼を言ってみたが、聞こえてなかったみたい。…あぁ、なんか顔熱い。

そんな私を見て、「どうしたの?」と笑顔で聞いてくる麗華さん。くっ…笑顔が眩しい…!

たまらなくなって、ぶんぶん顔を横に振り、袖で顔を覆う。そしてまた、ぶんぶん顔を振る。完全なる奇行だろう。恥など捨てた。



「もう決まった?」


ふわふわのお兄さん達がこっちに来る。

麗華さんの後ろにさっと隠れる。そんな私を見て、不思議そうな顔をする麗華さん。…何にやけてるの。


「決まったよー!」


おん?あ、名前のことか。

じゃあ、自己紹介の流れかな? そう思い麗華さんの背中から、顔を出す。


「あ、そこにいたの? 気付かなかった」


半笑いで言う、ふわふわのお兄さん。あんだよ、小さいと言いたいのか?



自己紹介なう。年上から順番に行くそうです。私は蛇の名前をつけたいです。まる。

最初は、こげ茶のお兄さんからです。どうぞ!


薫樹(まさき)


わーぱちぱち。

次は麗華さん。


麗華(れいか)だよ!」


わーぱちぱち。

次、ジャンケンで勝ったふわふわのお兄さん。


陽和(はるかず)だよ」


わーぱちぱち。

次、黒いお兄さん。


冷夜(れいや)だ」


わーぱちぱち。

次は、私か…。


美空(みそら)です」


おっけー。次、蛇の名前な。何にしよう。


「これからどうするの?」


蛇の名前決めるの。いや、決めたの。

おっしゃ聞くか。


「ねぇ」

「シャ?」


蛇に話しかける。あ、喋らんのね。


「名前、決まったけど…」

「キシャッ!」

「水希でどうかな?」

「ピシャッ」


___ありがとうございます!!


「うん、あれ?」


黒かった蛇の目が、青くなっている。

どうかしたのか、と聞こうとした時だった。


シャララ


綺麗な音が聞こえ、私と水希は光に包まれた。


___やっと、本主従になれました…。


誰かの声が聞こえ、光が散った。


「誰だ」


そして目の前には、和服に身を包み、少し濃い水色のロン…髪の長い小さい男の子が立っていた。薫樹さんも髪ちょっと長くて結んでるけど、こんなキザな感じじゃないぞ。チビのくせにキザ。あっ。

見ろ、他の龍もびっくりしてるじゃん。


「心外です。水希ですよ」


本当に? 私の知っている水希は蛇だぞ。


「…最近の超展開にはついていけない」

「無表情で言うことですか?」


黙りたまへ。可愛くない。蛇に戻りやがれ。


「ひどい」


オットコエニデテイタヨウダー。


「じゃあ戻って」

「僕のこと嫌いですか?」

「…蛇の方がいい」


理由、人化可愛いくない。何だよ、いきなり滑舌良くなりやがって。淡々と話しやがって。大人っぽくなりやがって。何て可愛げのないやつだ。チビのくせに。


「今の僕は?」

「…ノーコメント」


何も言うことはない。…いや、あった。


「可愛くない」

「…………」


後ろから、言ってやるなよ、という視線を感じる。可愛くないもんは可愛くない。仕方ない。私ちびっ子好きじゃないし。ショタコンってやつでもないし。


「はぁ…」


水希を名乗る男の子はため息をつき、あっという間に蛇になった。どういうことだってばよ。

…本当に水希じゃん。嘘だろ、あんな可愛げないチビになんのか。人になれるのか。知りたくなかった真実。


「キシャー…」


落ち込んだように鳴く水希。


「可愛い」

「キシャッキシャ!!」


そう言うと、嬉しそうに鳴く水希。単純な奴だ。

…何だったんだろう、あれ。


とりあえず、みんな名前が決まった。

樹龍の薫樹さん。

炎龍の麗華さん。

光龍の陽和さん。

闇龍の冷夜さん。

水龍の美空。

水蛇の水希。


今日から私は前世のことを切り捨て、水龍の美空として生きていく。





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