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転生龍達の人間界生活!  作者: 淋淵水零
プロローグ
4/11

2.5 とある闇龍の水龍観察

闇龍くん視点です。

「____!!」


そいつは何か叫び、


グサッ


俺を刺した。


聞こえるのは、クラスメイトの悲鳴、先生の焦った声。そして、そいつの狂ったような笑い声。


「___」


俺の最後の声は、悲鳴に紛れて、誰にも届かなかった___。




俺は気が付くと、何もない荒地にいた。

何故俺は生きている?あの時、死んだはずだ。

…わからない。


「う…あ…あ…」


ここはどこだ?誰もいないのか?

怖い、不安で押しつぶされそうになる。


「ひ…と…?」


ふと、声が聞こえた。

声のする方を見ると、


「やっぱり人だ…良かった…」


そこには、クリーム色のふわふわ髪の男が安堵したように座り込んでいた。



「よかった、本当に良かったよ…安心した!」


俺はそいつと話した。何故ここにいるのか、ここはどこなのか。それは、そいつもわからないらしい。もちろん、俺もだ。


「そういえば君、名前なんていうの?」

「え?ああ、俺は…」


名前を聞かれ、答えようと思い口を開くと、


「あ…れ…?」

「どうかした?」


思い…出せない…?

なんでだ?俺は…俺の…名前…。


「…そういうのは、自分から名乗るんだぞ」


誤魔化した。名前がわからない、なんて答えられる勇気、俺にはなかった。


「それもそうだね。えーと、あれ?」

「?」


どうかしたのだろうか。

まさか…こいつも…?


「な、なんでだ…?名前、名前…僕の…名前は…」


こいつも思い出せないのか…?


「…ごめん、わかんないや」

「そうか…。俺と同じだな」

「そっかぁ」

「「ははは」」


二人で笑いあう。



「あれ?新しい子が来たみたい…」

「……」


後ろから声が聞こえ、俺達は振り向いた。そこには、朱色の神をした女と、こげ茶の髪をした男が立っていた。





ドサッ



「「!?」」


目の前に何かが落ちてくる。

地面を見るとそこには、水色の髪をした女が倒れていた。


「…………すー」

「寝てるみたいだね…」


クリーム色の奴が言った。

よく今ので起きなかったな…。布団どころか、畳等でも何でもない地面に落ちたのにな。さすがに起きるだろ、と俺は思った。

しかし、水色のそいつは全く起きる気配がない。気絶してるのか?


「…すー……すー…」

「………」


いや、寝てるな、これ。


「すー…すー…」


埒があかないので、起こすことにした。


「起きろー」

「すー…」


声をかけてみるが、起きない。


「おーきーろー」

「…すー」


体を揺すっても起きない。嘘寝じゃねーの?これ。

クリーム色の奴も、呆れた顔をしている。そりゃそうなるわな。


「ここは、王子様のキス…「何言ってんのお前?」…」


クリーム色の奴が変なこと言ってやがる。

そんなこと絶対しないからな。


「お!き!ろ!!」

「すー」


ダメだ、全く起きない。噓寝だろーこれー。


「おきろ!!」

「ん…」


顔を近づけて言ってみる。

可愛いな…いやいや、何思ってんだ俺!!


「おきろ!!!」

「ふぁい!?」


やっと起きたか…。

俺が退くと、そいつも起き上がる。

青い少し虚ろな目。長い綺麗な水色の髪。異色だな…クリーム色の奴もだけど…。

あ、後頭部押さえてる、そりゃこんなとこで寝てたらな…。


突然、水色の奴が考えるような仕草をする。冷静だな、こいつ。



「おい?」


声をかけても、返事がない。

と思ったら、ひらめいたと言わんばかりに手をポンとやり、


「死後の世界?」


とドヤ顔で呟いた。


「違うよ」


見事に即答した、クリーム色の奴。

いや何でしゅんとしてるんだよ。


少しすると、水色の奴は元通りになり、諦めたような顔をしている。


「大丈夫?」

「いや、絶対大丈夫じゃないだろ」


クリーム色の奴の言葉に、そっと呟く。


「大丈夫で…す、うん」


自分の髪を見てショックを受けたようにそう答る水色。


「明らかに大丈夫じゃないよな」

「だね〜」


まぁ、わかるけどな。

こんな状況になったら、誰だってそうなる。

あ、そういや…。


「なぁ、こいつもだと思うか?」


朱色の奴と、こげ茶の奴の入ったことを思い出し、クリーム色の奴に話しかける。


「さっきの反応見る限り、多分ね…」


ため息まじりに言う、クリーム色の奴。


「はぁ…」


だよなぁ…。仲間が増えて、嬉しいというか、何というか…。


「とりあえず、この話はあの二人が帰ってきてからか?」

「…帰ってこれるの?目印も何もないし、もう夕方だし」


言うな、不安になる。

でも、その通りだよなぁ…。


「それは、信じて待ってるしかないだろ…。

…水色の奴、知り合いが帰ってくるまで待っててくれ」

「ごめんね、頼むよ」


何だか偉そうになってしまった…。

水色の奴は頷いてくれたが、内心どう思ってるんだろう…。


暇だな…。

クリーム色の奴も結構暇そうにしている。

座りたいが誰も座ってないので、座りにくい。地面もゴツゴツしてるし…やめるか。


ふと視線を感じ下を見ると、水色の奴がじっとこちらを見ていた。虚ろな目に見上げられ、ドキッとする。あ、全然恋愛とかじゃなくて。いや本当に。俺小さい奴が特別好きとかないから!!

目が合うと、すぐそらされる。何だ?人見知りか?


こちらを見上げのをやめ、暇そうに手をブラブラとしたり、ズボンを引っ張って伸ばして嬉しそうにしたり、何なんだ?こいつ。

そういやこいつ、俺達に名前とか聞かなかったな。好都合っちゃ好都合だが…。

そんなことを考えていると、二つの大きな影が現れた。龍だ。


「…帰ってきたか」

「おかえりー」


水色の奴の方を見ると、目をキラキラさせながらも、焦っているように見える。わかりやすいんだか、わかりにくいんだか…。

そんな、水色を引きずるクリーム色。やめてやれ。

そう思いながらも、俺は苦笑を浮かべる。

あ、あいつ泣き出した。うっわ、クリーム色すごい笑ってる。もしかしなくても、あいつドSじゃねーの?

さすがにまずいと思い、クリーム色から水色の奴を離し、撫でて落ち着かせる。


「うっ…うぅ…ぐす」


ったく、泣かせやがって…。




翌日の朝。

水色の奴に、とりあえずわかっていることを話した。いやなんで無表情でいられるんだよ…。

あー、足が痛い。なんでゴツゴツした地面に全員で正座してんだよ。意味わかんねぇよ。


「………」

「…………」

「…………………」


すごい気まずいな…。一応全員初対面だもんな。仕方ない。

そして、俺にはどうすることもできない。誰か任せた。


「…ね、ねぇ?」


沈黙を破ったのは、意外にも水色の奴だった。ちょっと酷いかもしれないが、あいつは隅っこで一人遊びとかしてそうなイメージがある。


「ぜ、前世みん…皆さんどんな人…だった…でしたか?」


少し俯き、口元を長めの袖で隠しながら、もごもご言う水色。口下手だな。


「…口下手なの?」


言ってやるなよ。ああ、ほら完全に俯いた。


「…前世か」

「私高一女子!!」

「中二だな、男だ」


朱色の奴と俺が答える。

断じて厨二病とかではない。

水色の奴は顔を上げた。良かった良かった。


「俺は高校二年だ」

「あ、僕も中二。君は?」


全員の年齢を聞き終わると、水色の奴はガーンと効果音がつきそうなくらい落ち込んでいるように見えた。どうしたんだ?一番年上か?

そんな俺の考えは、次の言葉で吹き飛んだ。


「…小六。女」

「「「「……………」」」」


マジかよ。一番年下だった。

それにしても、小六!? 嘘だろこいつ。冷静ってレベルじゃないだろ。何があってこんな性格になった…。





「_____」


水色の奴が何か言ったが、聞き取れなかった。

また何か言おうと水色の奴が口を開いた瞬間。


「キシャッ」


水色の奴の後ろに、突然大蛇が現れた。


「キャァァァァァァ!!」


朱色の奴の悲鳴。


「「っ!?」」

「……」


俺とクリーム色の奴の息を飲む音。

こげ茶の奴は、口を開けたまま放心してる。…なんか馬鹿っぽい。


「はぐっ」

「ふぇい!?」


ズシャッ


!?!?!?

大蛇が水色の奴を食った。足だけ出ている。

助けようにも、どうすればいいのかわからない。

大蛇が尻尾を振っている。それだけでドシンドシンと音がなる。かなり嬉しそうだ。


「キシャッキシャッー!」


大蛇が口から水色の奴を出した。

食いはしないのか?


「キシャッ!」


いや、あれ怖いだろ。いきなり大蛇の顔が真ん前にあるなんて。


「う、うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」


静かな荒地に、水色の奴の悲鳴が響き渡った。



パシンッ


「…はっ」


猫騙しされた。誰に?


「おかえり」


水色の奴が俺を見上げながら言う。その目は何だか恨めしそうだ。

…何で平然と蛇連れてんだよ。何で小さくなってんだよ。意味わかんねぇよ。


「お、おう?」


動揺で変な返事しちまった。

水色の奴はそれを聞き、近くにいたこげ茶の奴に視線を移した。そして、猫騙しをしようとした。が、あと少し手が届かないらしい。諦めたのか水色は、こげ茶の奴の後ろに移動し、膝カックンをした…っておい、無理だったからって何手刀で膝攻撃してんだ。こげ茶の奴、何でそれでカックンってなんないんだ。おかしいだろ。てか気づけよ。戻ってこいよ。

諦めてこっちを見る水色の奴。目がやれ、と言っている。普通に声かけろよ。何でそんな方法で気付かせたがるんだよ。

はぁ…、付き合ってやるか…。

こげ茶のやつに近づき、猫騙しをする。


「…!!」

「おかえり」

「? ただいま」


何でそんな冷静に答えられるんだよ。俺もう着いていけない。


「あぁぁきゃぁぁぁぁぁ」

「……」

「!?」

「…?」


突然奇声が聞こえ、驚く俺達。いや、驚いてるの俺だけだな。水色の奴は、またかって顔してる。こげ茶の奴は不思議そうな顔してるだけだ。

何だ何だと振り向くと、朱色の奴が奇声をあげていた。あれ正気か?


「なぁ、あれは…」

「めんどくさいから後」


朱色の奴を指差しながら、水色の奴に聞くと、なかなか冷たい答えが返ってきた。そりゃないだろ。


クリーム色の奴は、固まってる。放心してるな。戻ってこい。


ぱしん


「はっ…」

「おかえり」

「う、うん?ただいま?」


まーたやってんのか。

やらないとダメなのか、あれ?


次は朱色の奴だな。

…おい、何蛇と戯れてんだ。朱色の奴どうするんだよ。

てか、よくあんな蛇と戯れられるな。目が鋭いし、情けないが俺には怖くて無理だ。あ、両手で顔覆った。大丈夫か、あいつ。


「…はっ」

「おかえり」

「う、うん?…うおっ」


何だ今の。あぁ、蛇に驚いたのか。


「ねぇ、あの子もしかして、僕達全員にあんなこと言ってるの?」

「…あぁ」


クリーム色の奴に聞かれ、答える。こげ茶の奴は、相変わらずの無表情で水色の奴を見ている。


変な奴が来たものだな。この先、不安しかなかったが、少し癒された気がする。死んでしまったが、これから龍として頑張ってみるか。ここにいる、変な奴らと一緒にな。

ありがとうございました!!

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